見出し画像

【数学】数学的帰納法③

対象:定期試験以上

数学的帰納法①②に続きます

先に表現について述べておきますが
「$${n=k}$$のときに成り立つと仮定すると$${n=k+1}$$のときにも成り立つ」
のように文字$${k}$$を用いなくてもよく
「ある$${n}$$で成り立つと仮定すると$${n+1}$$のときにも成り立つ」
というように記述してかまいません

多くの教科書や参考書は$${k}$$を用いるスタイルですが
そうでなくても構わないことは認識しておきましょう
今回はその表現を使ってみます
ただし,これは単なる表現方法の違いですから
重要論点はほかにあります

早速 今回の問題を見てみましょう








今までと大きく異なるのは
(i)において「$${n=1,2}$$のときの成立」
(ii)において「$${n \ と\ n+1 \ のときの成立を仮定すると\ n+2 \ のとき成り立つ}$$」
ということになっています

この手の問題は典型的ですが 詳しく説明していきましょう

普通の帰納法で
(i)$${n=1 \ のとき成り立つ}$$
(ii)$${ある\ n\ で成り立つと仮定すると・・・}$$
とやると


つまり,(ii)の部分まで進んではじめて「これは・・・」と考え
最初の(i)に戻って 設定を変えたんですね

何も考えずに最初から
(i)で$${n=1,2}$$のときの成立を仮定すると・・・
と書いているわけではない ということです

特殊なものに見えるかもしれませんが
そもそも数列の漸化式で 3項間漸化式 は学んでいます
3項間漸化式は 前2項が定まってはじめて次項が決まる
というもので
今回の帰納法の考えと同じです

そして,いくつかの場面で利用する今回の考えは
とても重要ですから もう一度確認しておくと

途中まで進んだけど 議論がうまくいかないから 最初に戻って設定を変更する

です

数学的帰納法については 今回のものの他にも種類がありますが
とりあえず ここまでで良いでしょう


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?