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【数学】台形近似

対象:難関国立理系 難関私立理系

今回は 台形近似 のお話です
東京大学・京都大学をはじめ 難関大学で出題されるもので
1つの重要テーマでもあります

不等式の証明(面積比較) を学習後に取り組んでください


でははじめましょう


長方形との面積比較でうまくいかないなら 台形との面積比較を考えてください
ただし 与式の形から明らかに「台形だろ」とわかるものもあります
練習してみましょう







(1)の与式の右辺が 台形の面積を表していますね
重要テーマとして認識していれば 式をそういう目でみることができます
メインは(2)で もし(1)の誘導がなければ 長方形の階段状の面積と$${\displaystyle\int_{1}^{n}\dfrac{1}{x} \ dx}$$の面積を比較して ということを考えると思いますが それだとうまくいかないんですね
ですから (1)で「台形で考えてください」という誘導がついています
誘導がない場合には まず長方形との比較 だめなら台形 という手順を踏むことになります
無条件に使えるわけではないので 関数の凸性を言及してください

もう1問です







(1)は誘導で 関数の凸性を確認しましょう という問題です
(2)では 長方形で$${\displaystyle \int_{0}^{\frac{1}{2}}\dfrac{1}{1+x^3} \ dx}$$をはさんでみると
$${\dfrac{16}{36}<\displaystyle \int_{0}^{\frac{1}{2}}\dfrac{1}{1+x^3} \ dx<\dfrac{1}{2}}$$
となって 下側の評価が甘いことがわかります
もう少し厳しく評価しようということで 台形を考えるとうまくいきます

実際$${\displaystyle \int_{0}^{\frac{1}{2}}\dfrac{1}{1+x^3} \ dx}$$は積分することが出来て$${\pi}$$や対数を用いて表せますが 今回は積分して考えてくださいという主旨ではないんですね
積分は恒等式を使うタイプで 次の記事の最後にあります


2問演習しましたが いずれも関数の凸性を考え
任意の割線(弦)よりも下側(または上側)にグラフがある
という事実を使いました
他のパターンとしては
任意の接線より上側(または下側)にグラフがある
という性質を使うものもあります


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