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20代ゲイ、SATCにハマる

最近の日々の癒しが、「セックス・アンド・ザ・シティ(SATC)」を観ること。流行りのネトフリのドラマも良いけれど、なにせ最近のドラマは1話が長い。そしてストーリーもドラマチックすぎる。毎日消耗しきった状態でみるには、少し重すぎる。

その点、SATCは本当にバカバカしくて最高。流石に20年前の作品ということもあり、映像は古さを感じるが、その当時のアメリカと現在の日本を比べても、ジェンダー観や女性の自立度といった面でも、現在の日本がまだまだ追いついていない気がするのは、悲しいことだ。

しかし、話自体は本当に気軽に見れる内容だ。NYに住む30代独身女4人組の、恋愛とセックスにまつわるあれこれを、面白おかしく描いた内容。この人たち、基本的にみんなで集まって喋るか、ヨガするか、デートするかしかしてないので、それぞれそれなりの地位のある仕事を持ってるのにいつ働いてんだよと思わずツッコミたくもなるが、まぁそんなことは抜きにして、大変面白い。

そもそもSATCを見始めたきっかけが、僕が愛聴しているゲイのポッドキャスト番組で紹介されていたことだ。その番組でも言ってたけど、なるほど確かにSATCの登場人物たちの恋愛・セックス観は、ゲイのそれに近い気がする。僕は日本人女性のそこら辺の事情に疎いので知った口を叩けないが、いまだに女性が清楚や清くあることが良しとされる風潮がある日本で、SATCの登場人物たちほど奔放に恋愛やセックスを楽しんでいるイメージが少ない。一方、ワンナイト的な出会いや恋愛に対してのフットワークの軽さや、それでいて1人の寂しさが身に沁みる心情は、ゲイたちの共感を集めやすいのではないかと、当事者でもある僕は考えた。

どうしても、恋愛というと肩に力が入って真面目に語ってしまうイメージがある。主人公のキャリーは本命の相手ビッグに対してはなかなかなメンヘラ行動を繰り返す重さもあるのだけれど、彼女の本業はセックス・コラムニスト。描く題材はあまりにも赤裸々すぎて笑ってしまうし、このくらい軽いノリでセックスの話が出来るというのが、気持ちいいなぁと思ってみてしまう。僕も、日々いい出会いを求めてアプリを開いてしまうのだけど、どこかその場限りの出会いに対してあった後ろめたさが、SATCを観ることで和らげてもらえた。基本的には、本当にバカバカしくて、くだらなくて、笑える。しかし、彼女たちは決してビッチとかそういうのじゃなくて、ちゃんと自分の足で立って、ひとつひとつ選択をした上で、愉快に生きている。まだまだ20代の若造の僕だが、20年前のNYの女たちの生き様に、毎日背中を押してもらっている日々だ。

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