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一緒に帰ろう


どうしても買いたかった餃子の皮が売り切れで
晩ごはんだと決めてたから変更なし
なので別のスーパーへ

久しぶりに歩く通りの街路樹が見事に真っ赤で
そっかぁ、秋なんだ、って立ち止まる
暑くもなく寒くもなく、ちょうどいい季節
そして今日はお天気で、
見上げると青空に真っ赤な楓の葉っぱが元気いっぱい息してる
綺麗だなぁ
一枚連れて帰るか

何年か前もここで同じ気持ちを感じて立ち止まったのを思い出す
あの時の私は今より少し若かった

そうそう、今晩は餃子
微妙なお酢加減と、胡麻油の風味が楽しみ

明くる日、昨日からの影響なのか別の道を選んでみる
小さな、割と歳を重ねた楓の木
昨日の大木の、私を見てと言わんはがりの赤さから
今度はうって変わって黄色一色
特に目を引くでもなく、こじんまりとした面持ち

昨晩の雨で沢山の枝葉が落ちてる
え、
目が合った瞬間 時間が止まる

苔むした枝の上に黄色い葉っぱがちょこん
心に染み入る美しさで
複雑に入り組んだ心のひだと共鳴しあってるのか
涙が出そうになる

一緒に帰ろう
今の私は
何だろう
苔むした枝と茶色い斑点の黄色い葉がとてもしっくり馴染むんだ
楓の木と同じで歳を重ねてきたもんね

晩ごはんは、昨日の餃子
噛みしめて存分に味わおう



(南半球に住んでいるので、季節が逆です)

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