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【独学】「司法試験は独学で合格できる」は無責任だったと反省した話

「学ぶって、楽しすぎる。」-弁護士の岩瀬雄飛です。

本noteでは学ぶことの面白さや学習のノウハウ等を発信するとともに、自分が学んだことの記録を発信しています。

今回のテーマは「独学」。

私は司法試験・予備試験はロースクールを利用し、TOEFLはスクール、家庭教師、オンライン英会話を利用していた。しかし、いずれにおいても一番実力が伸びたと感じたのは独学であった。そのため、「司法試験は独学で合格できる」と考え、その勉強法を発信しようとしてきた。

しかし、今日、その考えはあまりに無責任であったと反省する出来事があったため、それについて書きたいと思う。


①公認会計士試験を受けてみたい。

唐突な話になるが、実は公認会計士試験を受けてみたいと考えている。この夏から米国留学に行くため、仕事に忙殺されてできなかった他分野の学びをしてみたいというのが動機のひとつである。また、先輩が同じく米国留学中に不動産鑑定士の資格を取得したことに感化されたという理由もある。

そこで、仕事の帰りに本屋に寄り、まずはテキストを確認しようと試みた。しかし、「公認会計士」の棚の前で手が止まる。

たしかに公認会計士のテキストはたくさん置いてあるが、そのほとんどは短答試験用である。弁護士(司法試験に合格した者)は公認会計士試験において短答試験が免除となるので、これらのテキストは私が求めるものではない。

論文試験用のテキストもあるにはある。しかし、数が少ない上に、過去問解説のようにおそらく最終段階の受験生が使うであろうテキストも混在している。率直に言って、どれを選べばよいか分からないし、何から始めればよいかも分からなかった。

そのため、今日のところは一旦撤退することにした。

②司法試験はどうか。

その足で「司法試験」のコーナーにも寄ってみた。公認会計士に比べるとテキストが豊富なように見えた。しかし、やはりほとんどは短答試験用のテキストであった。

短答試験用のテキストは、予備校等からいくつか出版されているものの、内容はさほど変わらない。そのため、自分が使いやすそうと思ったものを買えばそれで足りる(私はWセミナーのものを使っていた)。しかし、このような意見がいえるのも、自分が司法試験に合格したからであって、これから勉強を始める方にとっては、どのテキストを選んでよいか分からないであろう。

より深刻な問題は論文試験である。公認会計士同様、ほとんどテキストがなく、また、陳列されているテキストについてもどれを選んでよいか分からないようなラインナップだった(数冊しか手に取っていないが、どれも選ばないが正解までありそうである。)。加えて、本来使用した方がよい基本書(予備校が出版しているテキストではなく、大学教授が執筆している教科書のようなもの)は「司法試験」ではなく「法学」のコーナーに置かれていた。

「司法試験」のコーナーに立ち寄って思った率直な感想は、この中から「正しい」テキストを選ぶのは相当ハードルが高い、である。思えば、自分はロースクールの教授陣に各科目この基本書を使うよう指示を受けていたため、その後の独学が捗っていたのかもしれない。

③結局、何が言いたいか。

私は、「司法試験は独学で合格できる」と考え、自分の経験を踏まえ、そのための勉強法を提案してきた。しかし、これまでは「どのように」にフォーカスすることが多かった。

今日、自分が公認会計士の勉強法を学ぶ際は、「何を使って」「何から学べばよいか」も知りたいことに気づいた。今後は、合格した立場で物事を語るのではなく、これから受験する方の目線で物事を考え丁寧に情報提供できるように心がけたい。

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