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テルマエ・ロマエ           嘘みたいなホントの話

皆さんテルマエという言葉をご存じでしょうか。

ギリシャ語で熱いという言葉から来る「公共浴場」という意味だとお伝えすると「あっ!」とピンと来られる方もおられるかもしれません。

そう、私がこの言葉を知ったのは正に映画のテルマエ・ロマエ。初めて観たのは映画館でした。

「面白い。。!」

観るとすっかり俳優さんの演技やこの面白おかしいストーリーにのめり込んだ私は好きな映画ランキングの上位にこの映画を組み込みました。

そこから歳月が随分経ったある時、自宅で何か映画を観たくなった私はこのお気に入りのテルマエ・ロマエを久々に視聴することにしました。そして、私の中に眠っていたテルマエ・ロマエ好きが再燃したのです。

大変私のプライベートをご紹介して恐縮ですが、私は今故郷の関西を離れて地方に一人暮らしをしています。
そんな私ですが地元が好きなこともありよく帰省をするのですが、帰る前によく母親に

「もうじき帰る。風呂わかしといて」
あるいは田舎でバスがない為
「~の電車乗るから~時に迎えに来て」といった連絡を入れます。

あろうことかテルマエブームが再燃していた私はある時面白さ半分に、

「もう帰る、テルマエを頼む」

とまるでローマ帝国の王のような茶目っ気たっぷりのラインを母親に送りました。母が「何それ?」と言い出すのを楽しみにして。

そう思って送った矢先、母親からなんと想定外の返答が来ました。

なんと「了解した」

と返信が返ってきたのです。「え、、。」と私はしばらく硬直し、困惑しました。

しばらく何故なのか答えが中々出ない中、頭を巡らし理由を考え、おそらくTVの地上波でテルマエ・ロマエを観たのだと確信しました。両親共に金曜ロードショーや土曜プレミアムを視聴するのが好きだったからです。

反応が普通過ぎて「つまんない。」と興ざめしたそんな私に、帰宅後更なる悲劇が待っていました。

お風呂が空っぽだったのです。。。


思わず「なんでテルマエしてないの!?」と怒る私に母親は「はぁ~?こいつは何を言っているんだ。」と言わんばかりの表情で

「いや、ちゃんといつもうるさいからテルマエしてたでー!」と言って自身の前にある机の上に携帯電話を置きました。そして、「だからちゃんと直ぐ返事したでしょ。」と更に一言付け加えました。

私は全てを理解しました。

皆さん、実家のご両親にご連絡される時、ラインが中々既読にならないことはありませんか。
私の両親はスマホを全然見ません。なので私は母親に「連絡しても全然連絡とれへん。携帯を携帯してない。携帯持ってる意味ないやん。」とよく言ったものです。母親は今回、それを見事に学習してTELL(携帯)を前に置いて私から何か連絡があった時に備えてくれていたのです。

とてつもない悲劇です。

複雑な心境とは正にこのこと
「風呂くらい沸かしといてや!」と言いたい気持ちと奇をてらった発言に対する後悔の念が入り乱れました。そう、全ては自身の発言が悪いのですから。。

この後、悶々としていた私は自身で掃除を行いお風呂に入りました。

イライラしたものの、浸かっているとくだらないことで一喜一憂した自分がアホらしくなるとと共に、帰省した際に毎回風呂を入れておいてくれる母親に対する感謝の気持ちが湧いてきました。

「母ちゃん、ありがとう」

今後帰省する際は当たり前にお風呂に入れることに感謝して入りたいと思います。


そう、テルマエは封印せずに。

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