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「宇宙」の「流れ」に「乗る」?

私がYouTubeで一番好きなコンテンツは
やはり何といってもお笑い。

そのせいか、YouTubeが私に
いつも用意してくれるのは
「中川家」とか「バカリズム」あたり。
この人たちの新作はすぐお知らせされる。

また、軽い鉄オタでもあるので
ひたすらN700系ばかりを眺めては
その美しさに震えたり(苦笑)
電車vsディーゼル車対決なんかも
わくわくしながら観る。

音楽も曲というより、楽器フェチなので
ケーナだったり、最近だとコシ・チャイムなども
あれこれ閲覧するし、

カードリーディングも
自分を占うというより
「そのカード、そう読むのね~」
という、
リーディング視点で観るのが専らで
参考になる方を数人ピックアップして
そのリーディングを観る。

なので、
自分がおうし座や天秤座じゃなくても観るし
「お相手さんの気持ちを取り戻すためには」
などという、全く縁のないテーマも、必死に観る(笑)

そうすると
「こんな方もいますよ!」
「同ジャンルでもこんなんもありますよ!」
とばかりに回転ずし屋のように
どんどんレールに
旬で鮮度よしの逸品を並べてくれる。

本当に最近のYouTubeって
忠実でデキる執事のようだ。

YouTube、外さないね~って感じ。
氏の称号を与えたい。



ある日、それらの組み合わせからか、
YouTube氏が新たにはじき出して
私にお勧めとして
ピックアップしたのがスピリチュアル系。

YouTube氏、ちょっと行き詰りました?(笑)

最初は若干、うさん臭さに引いたが
でも、サムネのタイトルには
惹かれるものがあったりする。

ってことで、お勧めされるまま
素直に幾つか見始めたのが2年ほど前。

最初は玉石混合(失礼)で
抵抗感満載のものも多かったが
段々「玉」の選別が出来るようになり、
定期的に観る精神世界系の方は
3~4人といったところで着地している。

しかし、精神世界系動画は
その「フワッ」とした単語というか、
意味がわかるようなわからない表現が
引っかかり、入りづらいところ。

何だろう、星目がちに
「手放しましょう」
「豊かさを受け取りましょう」とか
語られると
「あっ、結構です・・・」と、
まるで、
訪問販売からドアを閉じるときみたいになる。



そんななかで、
たとえば、耳につくコトバとして

「宇宙の流れに乗りましょう」

というフレーズがある。

意識的に観てみると、使用頻度はかなり高い。

タロットカードリーディングなんかにも
よく出てくる。


「宇宙の流れに乗る」ことは
魂の活性であり、覚醒ということでもあり、
人間関係でも健康も金運も
とにかく、
すべてがうまく回り始めるらしい。

なら、自分も乗っとかないと!


まるで特売日のアイスに手が伸びるみたいな
購買心理に近い感覚を覚える。

が、ちょっと待って。


「宇宙」の「流れ」に乗る・・・?

宇宙の流れって何?

ひとまず「宇宙」に「流れ」があるとして、
その流れにはどう乗ればいいんだろう?

瞑想とか、特別なワークとかで
到達する精神状態とか意識、
特別な境地のことなのだろうか

みんな感覚的に知っていること
なのだろうか?



気になって店のスタッフにきいてみた。

いきなりそんなことを聞かれても
「何言ってるんですか?」
となるところだが、
私はふだんから突拍子もないことを
言ったりするので
こういうとき、気楽でいい。



「いきなりだけど、宇宙の流れに乗れてる?」


出勤して来たスタッフに声をかけた。

一瞬、「は?」という表情を見せたものの
「ですね、まあまあ乗れてます」
と答えた。

「えっっ!そうなの⁉」

私が目を丸くすると
「はい 、いいカンジだと思います ♪ 」
と笑ってみせる。

彼女は場の空気を読むのがうまく
相手や状況に器用に対応できる人なので
私が冗談を言っていると解釈して
「ノッて」くれた感が否めない。

もう一人、聞いてみようと思い、
直感的に物事を捉えるタイプのスタッフに
聞いてみた。

「ええ、乗れてますね!ばっちりです。」

彼女はきっぱり答えた。

なんと!
ばっちり乗れてる⁉

どうやって乗ったの⁉


なんでみんな答えられるの?
どういうこと?
いつの間に乗ってたの⁉

「宇宙の流れって何なの?
カンタンに説明してみてくれる?」

私がマジ顔で聞くので
冗談ではないらしいとわかると

最初のスタッフは
「何となくの感覚で答えてみたんです。
以前の自分より、
今はちょっと楽になったというか、
生きやすさを感じるんで
そう答えてみただけです。
・・・宇宙の流れって何なんですか?」

と質問返ししてきた。

ふーん、そうか。
確かに彼女は最近、少し肩の力が
抜けてきた感じがしていた。

「生きやすさ」か、なるほど。

感覚的に答えてみたって
何か、すごい。

二人目のスタッフは
「宇宙の流れとは、摂理ですね」
と鼻を膨らませて答えた。

彼女の飼っていた猫が亡くなり、
その後、ほどなく二人目の娘を妊娠した。
魂の輪廻とか、
自分たちが抗えない理がある。

それを「宇宙の流れ」と。

ノリが良く、
天然素材系のスタッフだが
考えていることは意外に哲学だった。

いやいや、失敬。

「宇宙の流れに乗る」

何かちょっとカッコよくて、
特別な感じのする表現に
私は最初、違和感があったが、
二人の聡明なスタッフによって
モヤモヤが少し晴れた。


「宇宙の流れに乗る」とは
つまり、釈迦のいうアレだな、と。

#宇宙の流れに乗る なう


私が高校生の頃、
「スピリチュアル」という言葉は
精神世界を表現する言葉として
まだ誰も遣っていなかった。

かつてTV番組「オーラの泉」で
ブレイクした江原啓之氏が
日本では最初に遣ったという印象がある。

20年ほど前のことだ。

私たちが10~20代の頃は
「心霊」という表現で
おどろおどろしい、
センセーショナルなイメージが先行し、

テレビ番組では冝保愛子氏たちが全盛期で
その流行りに便乗したビジネス心霊も
横行したりで
どこか「眉つばもの」扱いだったし
オカルティックで
非科学的で、単なるエンターティメント
という認識が占めていたように思う。

目に見えなくて
科学的根拠のクリアでないものは
どうしてもフワフワした表現になり、
「言ったもん勝ち」になるのも致し方ない。

ビジネスとして成立させるとなると
口当たりの良いキャッチーな表現で
集客効果を上げる必要も当然ある。

スーパーのチラシは良くて
スピリチュアルに集客効果を狙っては
いけないなんて思わない。

目に見えないものを表現しようとすると
どうしても曖昧なカンジになるのもわかる。

人を惹きつけるためには
口当たりの甘さとかは必要だ。


・・・小売業に携わる習性で
つい、販売戦略へ逸れてしまう。

ハナシを「宇宙の流れに乗る」に戻すと

人だけでなく、
この世のすべてのものはエネルギーであり
それは常に循環、流動するもので
留まることはない。

諸行無常。

これを甘い口当たりで表現すると
「宇宙の流れ」ということらしい。


「諸行無常を受け入れましょう!」

なんて小難しいサムネを掲げるより
「宇宙の流れに乗りましょう ♪」の方が
イメージは確かに良いかもしれない。

で、「宇宙の流れ」
この理に逆らう「留める」は
つまり感情に置き換えると
「固執すること」なので

例えば、
「願いをかなえたい」とか
「期待通りにしたい」は
固執の感情や思考ということになる。

固執は流れを留め、逆らうことだから
宇宙の流れには乗れない
ってことだ。

・・・あれ?
じゃあ流行りの「引き寄せ」とかいうやつは
何だろう?
流れに逆らうようなメソッドを語る
そんな動画が目につく、、ような?

もしかすると、伝えたいことは
間違ってないのかもしれないが
伝え方とか、
言葉が足りてないのかも。

私はそもそも「引き寄せ」の流行るもととなった
「The secret」(2006年刊)より、ずっと昔に
今は亡き祖父から
「百事如意」という単語をきいていた。

「ヒャクジニョイ」(すべては想いのまま)

祖父は非常にスピリチュアルな人だった。

小林正観さんのようなというか
とにかく、不思議な人だった。
すぐには理解できないことを
飄々と、淡々と話す人だった。

極意をじっくり聞くこともなく
私が育児に奮闘する時期に亡くなってしまったが
おそらく、百事如意とは
この「引き寄せ」に似て非なる
思考法のことだったのではないかと思われる。

今さらながら
もっと話を聞いておけばよかったと
悔やまれる。


暮らしの中で、
自分自身の肉体や感情を
なるべく自然な状態にして
何ひとつ留め置かない、
その精神性(スピリチュアル)の実践が
「宇宙の流れに乗る」
本当の意味なのではないかと思う。

食事は季節の旬のものを摂る、
適度な運動をする、
冬は日が暮れるのが早い
だから夏よりも
早く寝る、たくさん寝る。

たくさん笑う
たくさん怒り、泣く

そして忘れる。

スピリチュアルの実践は
全て「無為自然」に拠るもの。

たぶん、そんな地味なことが本質。

ふわっとした口当たりの甘さがあるうちは
スピリチュアリティは
商材として「特別なこと」と、扱われたり
オカルトとかの分類から
抜け出せないかもしれない。

I am, therefore you are…right?

ここまで書いて
昼食後の眠気に襲われ
つい、昼寝を二時間近くしてしまった。

これはある意味、
私は宇宙の流れに乗れているといえる。

が、昼寝とはいえ
二時間も寝てしまうと
今夜、いつまでも眠れなくて
生活のリズムが乱れるのはどうなんだろう?

いちいちそういうことを
気にしてしまうのは固執だ。


長すぎる昼寝のせいで
最後をどうしめくくるつもりだったか
すっかり忘れてしまった。


「宇宙の流れに乗る」のは
たやすくて難しい

、、、って感じだったかな?


終わり。




















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