“生産性向上“ってなに?
イベントに行って私、毎回聞くんですよ。(いやらしい)
「このシステムを使うとですね!便利になります!」(例えばRPA)
私「便利。。。 それは、幾ら儲かるんですか?」
「???」
私「あなたがいう生産性向上をすれば、私たちは幾ら儲かるんですか?
と質問しています。」
※ここで真意を気づいてくれる人は意外な事に凄く少ない。
(私は嫌がらせで展示会に来てんじゃねーっつーに)
私「そのシステムで、Aさんの仕事が自動化できました。
それで、そのAさんはどうするんですか?」
「別の仕事が。。。」
私「市場が制約になっていない、成長産業はそうですね。
では市場がシュリンクしてる産業ではどうしますか?」
「(それは私の仕事ではない、と顔に書いてある。)」
私「ここまで説明しないから、
そのシステムは売れないんじゃないですか?」
※ここで納得してくれる人は、数名しか会った事が無い。
事実、沢山の箱が動き回る倉庫の仕組み。
あれは当初、めちゃくちゃ売れたらしい。
しかし、一巡するとどうやってそれを使って効率化するのか
実は考えていなかった会社が続々と出てきて(投資失敗である)
当初の様には売れてないと聞いた。
(全業種の全員では無いと信じたい)
技術屋・製造系の人間は、マーケティングという概念を習ってきていない。
この本を読んで「セリング」(売る為に作ること、もしくは売ることすらも
考えずに作ること)という言葉に出会った時は衝撃を受けた。
実際、「生産管理」の本で「在庫改善」を読むとわかる。
例えば、扇風機とかの“見込み受注生産”の場合、
工場は売れもしない製品在庫を自社倉庫に溜め込むと製造自部門にとっては
“製造金額”という+指標になる。だから彼らは倉庫が溢れてでも物を作ってしまうらしい。その抑制を「在庫改善」と呼ぶのだとか。
幸い私の業種は見込み生産業では無いのでそんな事は起きなかったものの。
技術職・製造系の多くの人がマーケティングの知識が無いのは何故なのか?
(専門知識ではなく、その“概念そのもの“が無い)
それは評価指標がずれているのもあるし、
(例:工場の管理職には仕事が無いのは営業のせいだと言って、
口を開けて待っている人たちがいる。
設備能力の120%を、こなすことが“彼らの仕事“なのだ。)
そういう訓練を受けてないのもある。
例えば、現場改善を目指すときの教科書の一例。
この本が悪い訳ではなく、改善手法(多く安く作る)しか書いてないので
マーケティング的な発想なんて身につく筈も無い。。。
これを生み出したフォードがどうして業界の覇者ではないのか?
その理由は書かれていない。
偶然にもこの本に出会えたのは面白かった。
暇な蕎麦屋と忙しい饅頭屋が、厨房で材料を落としてしまった。
それぞれ、損失は幾らか?という有名な?問題だ。
答えはググればすぐに見つかるのでどうぞ。
(経済性工学は四則演算しか使わないオペレーションズ・リサーチ)
生産性向上に戻ると、例えばRPAを導入すれば生産性が良くなると皆、
信じている。 本当にそうなのか?
「PCが自動処理してるけどやる事無いから、あいつタバコ吸ってますよ」
そんなの、人員配置変えるの当たり前でしょ?とツッコミ入れたくなるが、
実際、そういう教育をマネージャーが受けてないんだから
そんな気の利いた事を出来る筈も無い。(全職場ではないと信じたい)
これを解決する?プロセス・マイニングという技術があるらしい。
これを読んだけど、これって業務がデジタル化されていて複雑怪奇になってるのが前提だ。
合ってるけどアナログ業務をどうするか悩んでるんだよなぁ。
このシステムを売ってる会社のブースでも同じ質問をしてみる。
「生産性向上って何ですか?」
流石に売ってるだけあって、気の利いた会話ができる。
しかし、アナログ業務なんだよなぁ。。。
私と同じ事は既に先人も悩んでるらしく、ようやく一冊だけ見つけた。
(ちなみに改訂版もあるが、こっちの旧版の方が“ねちっこくて“良い)
超絶ストライク! でも、他の“専門家”の方は何をやってるのかなぁ。
こんなの実行されたらコンサルタント出来なくなるから書かないの?
実行できねえよ。哲学書だもん。(悪い意味ではない)
だから、世の中の会社は潰れていくんだよなぁ。
現場が改善活動すると、儲かる仕組みになってるトヨタは本当に凄い。
「自分達でも、在庫を無くすとどうして儲かるのか、
そのロジックを知らない・説明できないから書いた」
らしい。凄い結果オーライだ。(褒めている)
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