見出し画像

読書感想『わたしは虚無を月に聴く』※ネタバレ注意

今週読んだ二冊目の本は著作上遠野浩平さんの『わたしは虚無を月に聴く』でした。
『ぼくらは虚空に夜を視る』の次作、別のエリアの話という認識で良いんでしょうかね。月に住む人類と、またしても架空の精神世界の二つの話が進んでいきます。

今作は懐かしいvsイマジネーターの続き、今回の登場では人類の敵とは言えない味方よりの立場で登場となりました。
イマジネーターは相変わらず女の子の心に傷を作っていましたが、彼女は今回においては本当に脇役に徹していました。

精神世界組のお話は弥生ちゃんが英雄となり虚空牙を撤退させる話、現実組は月で無駄な争いをしている人類の話です。
個人的に一番好きだったキャラが月で散歩をしているシーマスです。
彼がひとりの人間を救おうとしているシーンにイマジネーターとの会話が差し込まれるのですが、このセリフが最近だと一番好きな言葉になりました。

生きているってことは遊ぶってことだろう?
だったらどんなトコにだって面白いことは見つけられるんじゃないかな。

P170

機械ゆえにここまで抵抗無くいろんなものに興味を持ち、向かっていけるのだとおもいますが個人的にはこのメンタルはとても憧れます。
多趣味オタクではありますが、小説にしてもなかなか他ジャンルに手を出しづらかったり、手に取っても後回しにしたりとしちゃいますが、やっぱりいろんなものに楽しさを見いだせてこその人生って感じしますし、もっと積極的にインプットしたいなぁと意識して生きています。

なによりやっぱこういうメンタルの方が生きてて楽しいでしょうからね。キノの旅ではないですけど、世界の美しさってのは自分が小さければ小さいほど美しく見えるものですから、頭でっかちにならず生きていこうと思いました。

なんか本のテーマと少しずれてるような気もしますが、それでも良い作品だったことは間違いなく、シーマスのメンタリティは自分の憧れでもあるという話でした。


このあたりで今回は終わっておきます。
来週は悩んでいますが、塩野七生さんのローマ史か太宰の作品集か悩んでいます。その日のメンタルで決めようかな…

それでは最後まで読んでくださった方いらっしゃればありがとうございました。
著者Twitter:まがしき @esportsmagasiki


この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?