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読書感想『魔界都市ブルース 妖花の章』※ネタバレ注意

今週読み終わった本は著作菊地秀行のマン・サーチャーシリーズ第一作『魔界都市ブルース 妖花の章』でした。

見るきっかけは戯言シリーズ繋がりで貸していただきました。姫ちゃんのおおよその元ネタ?(姫ちゃんや市井遊馬の元ネタはブギーポップも大きそう)だと戯言内でも軽く言われてましたしね。

初版が1986年ということで、今まで自分が読んできた作品の中でも一層古い作品になります。
しかし、この作品の凄さは古さをほとんど感じない所だと読んでいて思いました。

舞台は新宿、魔震という名の地震が起きたのち以前より治安が悪化し、生物兵器や怪物、魔物が蔓延る地獄のような街の中で人探しをする作品です。
主人公の秋せつら君は糸使いの美青年。

この設定がまずもって新しかったんだなと思います。だって今でも行けそうですし。
現代からだとこの作品が出された時の空気感が理解できずにもったいない気がします。当時はどんな感じだったんですかねぇ。

作品を通してエログロがかなり激しいのは古さを感じます。今だとここまで過激な描写はこの手の作品だと少ない気もしますし、日本語の言い回しとかはこのあたりにはやっぱりレトロ感を感じ取れますね。

そしてやっぱり特筆すべきはせつらくんの強さです。
ぶっ壊れ最強キャラです。もはや敵など存在しなさそう。
切る、絞める、諜報、偵察、尾行、焼く冷やす、守る、死体の操作、挙句の果てには人体の感度をいじるツボとか押し始めるし。
これは現代ではまず許されなさそうな調整ですね(笑)。最後の影使いが惜しかったような気もしますが、基本敵なしの無敵状態ですので安心して見れます。
二重人格で強い方が出てくるというのもいろいろ影響与えてそうだなと思いました。自分は読んでいて幽遊白書の蔵馬を思い出しました。

ここからは少しだけ各章の感想を書いていきたいと思います。

人形使い

ちぎれても無限に回復する肉体を食わせて窒息死させる女の人…
しょっぱなからめちゃくちゃな設定のキャラがでてきてビビりました。昔の新宿が舞台であるからには水商売、やくざ、そういうものは予測していましたが初手から予想の上をジャンプしていきましたね。

さらば歌姫

失踪した歌姫を探す元マネージャー、途中現れた敵のような男が実はその歌姫を誠実に守り続けていたというお話。
怪しそうな元マネも敵っぽい男も思ったよりいい人が多くてびっくりした話でした。というか基本この作品後味が良いというか、終わり方はキレイですよね。

仮面の女

仮面を作れる男が超絶美人の仮面を作り妻につけさせその姿のみを愛していたせいで、妻の精神は壊れ新宿へ…というお話
現代でも整形をする人というのは増えているような気もしますが、最後の仮面を捨てて日常へ戻っていくシーンをどう捉えるのか気になる。

L伯爵の舞踏会

毎日のようにパーティーを開き、その中から美人をこっそり誘拐し、教育し、売り捌く男がいた。今回は連れ去らわれたであろうお嬢さんを探すお話。糸の万能性に性的な追加能力が増えた回でもありました。
もはや犬なら500体くらいいても気にしなさそう。

影盗人

ついに現れたせつらくんを追い詰めれる敵。使ってる技の強大さに対してキャラが小物すぎる気もしましたが、それにしても強い敵でしたね。
せつら君が強すぎる分敵も相当強くしないとハラハラしないのは問題ですね
(笑)。
そして普通に切られてる糸…前までの章であんなに無敵感出してたのに…
せつら君の切り替わった後の私人格はなかなか陰湿ですね。やり返し方がグロテスク。


というわけで今週読んだ本は『魔界都市ブルース 妖花の章』でした。
いろいろな作品に影響を与えてそうな本作、現代っ子である自分が楽しめる超能力ものが50年前からある、という事実が凄さを物語っています。
次巻も借りているので数冊間に挟んでからですが読みたいと思います。

次に読もうと思っている本はクビキリサイクルとクビシメロマンチストです。人に本貸すときってその前に改めて読み返したくなりますよね。

そういえばARIAの三期も見終わったので感想を明日にでも出したい。
めちゃくちゃ良いアニメでした。本当に。


それでは最後まで読んでくださった方いらっしゃればありがとうございました。
著者Twitter:まがしき @esportsmagasiki

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