体操のお兄さんに妻子が居るって暴露した文春砲を擁護する(20210717)

この件、「こんなこと暴露するもんじゃない！」的に文春が総叩きされてる感じなんですが、僕としてはむしろこの記事は絶賛すべきだと思います(まったく皮肉ではなく)

今までの『文春砲』なんぞよか格段に社会正義に満ちてるじゃーん！とか言いたいぐらい(これは半分皮肉)もちろんこれだけだと逆張りストの戯言にしか聞こえんでしょうので、以下10ツイート程度、理由を述べます

そもそも【「お兄さん/お姉さん」は恋愛禁止】ってのは都市伝説の類ではなくある時期までは確実に存在してた、令和基準ではもちろんブラック判定の、時代錯誤の『内規』です

そしてNHKは、何かのタイミングでそれは解除したものの代わりに【公表禁止】ルールを現在進行形で設けてる、という事は、今回のお兄さんの受け答えから容易に推測可能ですね

重要点は「【恋愛禁止】措置は未だ健在だと外部に誤認させてた」ってことです　一般人は当然として、記者ですら取材時まではその認識ですから(少なくとも体裁としては)相当なもんです

で、そんな誤認をキープする理由と言えば、「彼女や奥さんがいるって公言されるだけで『一部視聴者』のウケが悪くなるから」といった方向性の番組サイドの都合しか、理屈として考えらんないのですよね

(NHK教育で、しかもあんな古株の看板番組で、戦隊物男優をスケベ目線でみるような層からの視聴率気にしたって仕方なかろうに！)

つまり「【恋愛禁止】堅持してて何かの弾みでポリコレ棒で殴られるようなのもヤだけど、『お兄さんはフリー』っていう幻想を砕いてまである種の視聴者の不興買うのもヤだ」というNHKの横暴によって、

当のお兄さんがめちゃくちゃ割を食ってた(それこそ記事によれば家族揃っての外出すら憚られてたレベルとのこと)、という実に不愉快な現状があったことを、まず認識せねばならない

ですから、「こんな暴露記事は誰も得しない、お兄さんが可哀想！」が記事批判の主流と見受けられますが、いや報道の前段階からお兄さんはとっくに可哀想やねん！ とともかくは言いたい

ここで強調したいのは、最初っから【公表禁止】だったなら全然マシ、自分らのリスクのみ減らしたくて演者側の不利益は残すという手口はマジ姑息に過ぎる、ということ！

(仮の話として、NHKが未だに【恋愛禁止】でウラオモテなく突っ張ってて今回みたいな報道でそれが露呈したとしたら一も二もなくNHKがフルボッコされてたでしょ、という)

という前提の上で、この記事構成こそが、前もって姑息な責任逃れを用意してたNHKに対する唯一の有効打撃と言っても過言ではない
https://bunshun.jp/articles/-/47162?

もちろんインタビューの中身そのものは、世間で既に評されてるようにお兄さんの「神対応」に依るものであって全く記者の力量ではない、とは正直僕も思いますが……

なんにせよ『大多数の読者が件のお兄さんに対して好感を持つ』ってのは、わざわざこういうスタイルで報道した文春からすると当然に目論見通りでしょうよ、ということです

それを、「文春はこんないい人を醜聞扱いで潰そうとした、なのに当てが外れて逆に自分らが叩かれてざまぁｗ」みたくディスるのはあまりにもあんまり、となってこんな長文を書きました

『組織にとっての都合良さによって盾にされてる個人は実質保護しつつ、ズルく逃げ道残してる組織は確実に出血させる』って、言わば社会報道の鑑でしょうよ(これも皮肉ではない)

『逃げ道すら用意してないドアホの悪行を丸裸にする』的な旧来型文春砲(まあそれも無いよりは有った方がいいですけど)とは一線画してる今回の記事、ほんとこういうのこそ過剰にでも褒めるぐらいがいいんですよ