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NFT夕暮れ写真コレクション"The Nearest Dusk"に込めた想い

はじめに

mag ( @mag_cinephoto )です。本業の傍ら、日常に潜む美を日々探して写真を撮っている写真家です。簡単なプロフィールは以下です。

2021年12月にNFTの存在を知り、手探りで活動を進めてきて早1ヶ月。写真を通して自分が日常をどう見ているか、どう考えているかを作品を通じて皆さんに知ってほしいなと思い、今回openseaで写真コレクションを作りました。"The Nearest Dusk"、最も身近な夕暮れ」です。

https://opensea.io/collection/the-nearest-dusk

このnoteではこのコレクションを作る上での想いの丈を書き綴っています。良かったら最後まで読んでくださると嬉しいです。

The Nearest Dusk について

"The Nearest Dusk" は、自分の家の窓から見える夕暮れのうち、特に決定的に心が動いた瞬間を集めた写真コレクションです。

この写真コレクションは、2020年に今住んでいる自分の家に引っ越してから今までの約1年間、あえて自分にとって最も身近な家の窓から見える夕暮れを撮り続けたライフワークの成果です。中でも特に心が動いた10枚の夕暮れを厳選して選びました。

家の窓という同じ地点から撮影しているのにも関わらず、1日として同じ夕暮れはありません。夕暮れはとても自由で、その姿から好奇心と感動をもたらしてくれます。

夕暮れが持つ色づき方やグラデーション、雲の質感や配置などを最大限感じられるよう、建物は画角に最低限しか入れていません。またなるべく広角レンズを使い、夕暮れに没入するような感覚を感じてもらえるような構図で撮影しています。

すべての写真は1/1バージョンです。またERC-721で独自コントラクト化し、メタデータと画像はIPFSで分散保存しています。このコレクションが、代わり映えの無い日常の中でも好奇心や感動を見つけるきっかけになりますように。

この写真コレクションを作った理由

結論から書いてしまうと、「好奇心を持てば、日常に美は見いだせる」という自分の大切にしている考え方を、NFTを通して残し、皆さんに伝えたかったからです。

写真コレクションにまつわるストーリーを以下に書かせて下さい。


僕が住んでいるところは千葉県の片田舎。きらびやかな都市のストリートも無ければ、山岳などの絶景もありません。身の回りにあるのは何気ない一軒家が立ち並ぶ閑静な住宅街。いわゆる「映え」からは程遠い風景が広がっています。

また僕の本業は在宅勤務の仕事なので、遠出する機会もかなり少ないです。写真を撮る人間からすると、代わり映えの無い景色にどんどん好奇心が失われていくことを感じる環境だなと思います。

その中で人生の転機が2021年に訪れました。コロナウイルスのパンデミックが起こり、それと同時期に子供が生まれたのです。外出や旅行はより難しくなり、子育てや仕事で忙殺されていくようになりました。

外出できないことで目に入る景色は近所の見慣れた景色のみになりました。そして夜泣きによる睡眠不足も重なり、しだいに好奇心や興味が失われ、カメラを持って写真を撮ることも減っていきました。

そんな中TwitterやInstagramで素敵な写真がアップされているのを見るたび、どこか自分が取り残されているような、停滞してしまっているような感覚に陥りました。美しい景色がある場所に行くことも難しい、じゃあ何を撮れば良いんだと。

そんな自分に再び好奇心と感動をもたらしてくれたのが、家の窓から見える夕暮れでした。負荷の高い仕事をやりきって疲れたある日、何気なくふと家の窓から夕暮れを見て、その美しさに息を呑みました。

確かに心が動いたことを忘れたくなくて、気づくと無意識にカメラを取り出し、その夕暮れを写真に収めていました。撮った後は不思議と気分が高揚し、疲れもいくらか和らいでいました。美しい風景を発見した喜びを噛み締めていたのだと思います。

その過程で僕は気づきました。都市や絶景ではなくとも、代わり映えの無い身近な日常の中にも美しい光景はあるということに。そこから、家の窓から見える心を動かされた夕暮れを撮りためていくようになりました。

夕暮れは様々な感情を呼び起こす現象だと感じます。感動や気づき、平穏、癒やしをもたらしてくれます。また子供のころ遅くまで外で遊んだ記憶を呼び起こすような、ノスタルジックな感情を呼び起こすこともあります。ああそういえば僕は、そんな様々な感情を呼び起こしてくれる夕暮れを眺めるのが好きだったんだと、夕暮れを繰り返し撮る中で徐々に思い出していきました。

夕暮れは同じ場所から撮っているのに、1日として同じ夕暮れはありません。色づき方やグラデーション、雲の形や配置も違います。数十分時間が経つだけで印象は大きく変わります。同じ場所から見ているのに、夕暮れはいつも自由です。気づくと約1年、美しい夕暮れを見たときは写真を撮っていました。

家の窓から見える夕暮れは僕にとって最も身近で、代わり映えの無い日常に好奇心を感動を思い出させてくれた存在でした。あえて同じ場所から夕暮れを見るという行為から、「身近な場所にも美を見いだせる」という、インスピレーションをもたらしてくれました。

この"The Nearest Dusk" は、家の窓から好奇心を持って夕暮れを撮り続けた記録であると同時に、自分の好奇心が反応し、心が動いた証明でもあります。このコレクションを通じて自分の感動を見てくださる皆さんにも少しでも感じてほしいなと思います。そして願わくば、見てくださる方の日常にも美を見出すきっかけのような存在になれば、これほど嬉しいことはありません。


独自コントラクト化について

こちらの"The Nearest Dusk"、openseaにlistするのですが、コントラクトは独自コントラクト(ERC-721)を採用しました。また、NFTに関するメタデータと画像もIPFSに分散化して保存する形としています。

理由としてはopenseaというマーケットプレイスの特性上、mintした最初の所有者がopenseaとなってしまう状況を避け、自分自身がNFTを発行したということを担保したかった、ということがあります。

またIPFSにメタデータと画像を保存することで、なるべく永続度の高い形で保持できるように意識しています。それは自分の思想が夕暮れという形でなるべく消えずにブロックチェーン上に残っていってほしい、という願いも込めています。

ただ独自コントラクト化するには少なくないコストがかかるため、正直迷いました。ここまで書いてきたように、僕自身この家から見える夕暮れに救われたところが大きいので、より良い形でブロックチェーン上に載せてあげたい。そこで色々な方のアドバイスを受けて検討した結果、見てくださる方にコレクションの作成者の証明をしつつ、コレクションに込められた思想や感情を誰が持っていたのか、誰が表現するのかを最大限示すためには、独自コントラクトという形式が最適だと考えました。

独自コントラクト化にあたっては事前知識がなく手探りだったのですが、chocofactory というサービス、そしてそのコミュニティにあたる Discord の情報に本当に助けられました。実は僕自身IT系の仕事をしているのですが、その立場からもサービスの心配りには感動しました。独自コントラクト化をいかにコストを抑えつつ、かつ簡単にできるようにするか。そして仮にchocofactoryというサービスが停止したとしても、IPFSといった分散化まで見据えたサポートを含めた設計。勉強にもなりましたし心強かったです。改めて御礼申し上げます。

今後のList、ロードマップについて

Listは現存の10枚の作品に対して、1/31(月)21:00(JST)に一斉にしようと思っています。

価格は一律0.15ETHを予定しています。もし気に入った作品がありましたら、予約などの相談は受け付けられればと思うので、TwitterのDMにてご連絡ください。

その後の作品のmint/listについては、心を動かされた夕暮れと出会い、納得の行く作品ができ次第追加していく予定です。 

自分が写真を撮る上で大切にしていること

ここまでで"The Nearest Dusk"のコレクションについては想いを書ききったのですが、最後に自分自身、写真を撮る上で大切にしていることを書かせて下さい。

冒頭でも書きましたが、僕が写真を撮る上で大切にしていることは、日常に美は溶け込んでいるということ、好奇心や興味で日常に美は見出だせるということです。

僕自身現在本業と子育ての兼ね合いもあり、限られた時間で写真家としての活動をしています。現在もなかなか外出できない状況にあります。ですがその状況を嘆くのではなく、好奇心と興味をもって日常を見つめるという意識を常に持ってシャッターを切るようにしています。

なぜその思想を持つようになったのかはこの夕暮れのコレクションに想いを込めたのですが、言葉としては最近までなかなか上手く言語化できませんでした。しかし、NFT活動をされている画家の井上拓哉( @artist_Inoue )さんが、最近spaceで紹介してくださった以下の言葉がうまく表現してくれたなと感じたので、引用します。

面白きこともなき世をおもしろく

高杉晋作の辞世の句

もともと面白くも何ともない《この世》を面白く生きるのは心の在りよう次第。そんな意味の句です。今置かれている状況の中で、いかに面白く生きるか。今の世の中、どうやって美しさを見出すか。それは心の在りよう次第、自分の認知の仕方、日常をどのように自分が捉えるか、だなと感じるのです。

NFTで写真を公開するという活動を通して、なぜ自分は写真を撮っているのか、何をブロックチェーン上に残していきたいのか、ということを自問自答するようになりました。そして今も自問自答しています。

また同時に、NFTとして公開した写真をコレクトしてくださった方との出会い、NFT写真の活動している日本を含む世界中の写真家の方々との交流が、非常に刺激的でインスピレーションを得る機会となっています。そして今後、もっとより良い作品を作っていこうというモチベーションになっています。

この貴重な機会を通じて、これからも日常に潜む美を見出すために日々写真を撮っていきます。そして写真の腕も更に磨き、より良い作品を発表できるように精進していきたいと思います。

終わりに

改めてこのnoteを読んでくださりありがとうございました!
NFTを通じて、自身のフォトグラファーとしての活動により情熱を持って取り組めるようになりました。また素敵なクリエイターさんやコレクターさんと日々交流できることがとても刺激的で楽しいです!

このコレクションが今後のNFT写真の盛り上がりに少しでも貢献できたらと思います。このnoteが良いなと思った方は、良かったらRTやいいねで拡散していただけると泣いて喜びます!!

読んでくださりありがとうございました!


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