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中小証券の歩合営業職から、大手マスコミ業界へ転職できた理由。バブル崩壊前の証券業退職で、バブル崩壊後地獄を免れた。キラキラ女子の応募が多い中、大手マスコミ業界にダサい私一人が採用された不思議。

私が証券会社に入社したての頃は、バブルのバの字もなく、いつも店頭はガランとしていて、(大手4社の1つの地方支店でしたが)時々来る常連さんと世間話をしたり、高額所得者名簿を見ながら電話や手紙で新規開拓する毎日でした。世間一般には「株なんて、危ないもの。証券会社なんてバクチの元締め」という常識があった頃の話しです。お客さんはそれほどいなくても、毎月私でも手数料を月150万くらいは売り上げられていましたから、本当に証券会社にとっていい時代だったのでしょう。

 そして、数年内にバブルが始まりました。私は会社を変わっていましたが、やはり証券会社にいて、昔のお客さんとも交流がありました。そうそう、NTT公開株が発売された頃です。今までの常識を覆すような上がり方で毎日株価が上がっていく、何の株の知識がない人でも何千万もの収益も珍しくない、そんな時代でした。

 そんな最中、このバブルの現象に疑問を持った人達がいました。そう、私を含め、バブル以前から株が好きだった人達です。株の異常な上がり方に怖れや疑問を持ったわけではありません。もっとメンタルな意味での疑問でした。実はバブル以前に株取引をする人の心境とは、私も含め、ちょっと面白いけど普通の仕事の人にちょっと後ろめたい賭事をしている、ましてや何十万と儲かった時はもっと後ろめたい、口がさけてもマジメな仕事をしている人に儲かった事などを自慢できない、という暗黙の共通心理がありました。

 まあ私個人の心境としては、仕事は面白くお給料が他の人より多少高くても、職業に貴賤はないけど私は人のお役にはそれほど立っていない、ただお金儲けがちょっとうまいだけだ、パチンコがうまい人とそれほどの差がある訳ではない、人間の仕事の価値としてはやはり1個100円のおいしいパンを作っている人が上であろう、と内心思っていたわけです。

 しかし、バブルになり、マスコミが「株」を「投資」「財テク」という
言葉が使いだしてから、正直言って、「これはマズイ」と思いました。

今までの後ろめたさが消えて、お金儲けがうまい人が表舞台でいばっている時代が始まったのです。
昔からの株仲間の間では、「株は面白いけど、決して人にいばれるようなもんじゃない。そんな人がマジメに仕事する人より尊敬される世の中になったら、世の中おしまいだろう」といういう意識が昔から株をしている私達におありました。

 結局私は、バブルの最中に、お客様にも社員にも超高飛車になっている証券会社本社のやり方と自分の意見が合わなくなって、すごいバブルで高収入の証券業界をやめたのですが、その時の私のセリフは「お客様の事を考えない商売は家訓で禁じられてますので」というものでした。
証券会社の支店長からは
「昼の10時から4時まで働いて、こんなに主婦のお金をくれる会社がどこにあるんだ、お前、アホとちゃうか」と、私の顧客が高額所得者とが多かった
こともあり、ものすごく引き止められました。
なぜなら、私がやめると、高額所得者の顧客もこの証券会社と取引を
やめるという人が多かったからです。

高額所得者ほど、会社じゃなく、私を信用して取引していたからです。

当時、私のお客様は全員、すごく儲かっていましたから、皆、私が
辞めると知ると、私以外の人と株取り引きはしたくない、と言って
全部株を儲けて売って、そのお金を銀行預金に変えました。

バブルがはじけたのは、私がやめて、その半年後くらいです。

その後、元同僚の話を聞くと、顧客も、自分達も、地獄を見たそうです。
バブルがはじけて、株も投信も、今まで大儲けしてきた金融商品
も大暴落、顧客からのすごいクレームで、心身ともに疲れ果てて
亡くなった元同僚のお葬式に行ったとき、その地獄絵の様子を教えて
もらいました。

証券会社の元同僚たちに、
「私たちは、あのあと、地獄をみたのよ、
あなたは本当にいい時にやめたわねぇ、私達もあなたと
同じ時期にやめればよかった」とすごく言われました。

私は、バブルがはじけるのを、予想していたわけではありません。
私が本社のやり方が嫌になったのは、
証券会社が、バブルで、私達契約社員の給料がすごく高くなって
「契約社員のおばちゃんらが、正社員男性の給料よりすごく
高いのはおかしい」と、いきなり、私達契約の歩合率を3分の1に
してきたことです。

バブル前の会社も顧客を取るのに苦労していた時は
「あなたたちは、頑張れば頑張るほどお給料が増える
のだから、頑張って」といってきたくせに、いざ
自分達より、私達のほうが給料が増えると、
正社員のプライドが保てないとか言い出す。

博打のような業界にいるのに、自分が博打に負けてきたら
博打のルールを勝手に変えるようなもんです。
「ここの本社のエリートたちは、
証券という博打業界にいる資格は、ない。
信用できない人と仕事をしてはいけない、と
いうのが、商売人だった家の家訓ですから」
と言って、高収入なのに私だけ辞めたのです。

 バブルが終わり、皮肉な事に、お金より大事なものがある
と思った人だけが、逆に大損をまぬがれた、のです。

 バブル以前は皆そう思っていたのに、マスコミの価値観に染まりやすい人が多かったということでしょう。でも、株を昔からしている人は大体、世間の価値観を気にしないから、バブルの時に逆に染まらなかったとも言えますが。

その後、私は失業保険をもらってしばらく優雅に暮らそうと
思っていたのに、すごい不思議な縁で、退職からすぐに
失業保険ももらう暇もなく、大手マスコミのイベント部に
就職が決まったのです。

マスコミ志望でもなく、私より数段若くて綺麗でしかも
賢そうな、キラキラマスコミ志望女子の応募が多い中
ダサい主婦の私一人、採用されたのです。

私は新規事業のイベント部募集をその新聞で
みて、イベントって文化祭のようなもの
かなぁ、皆でわいわい文化祭前に看板を作ったり
楽しかったなぁ。
今まで株の歩合営業は仲間がいたけど、
基本一人でしてきた仕事だけど、
大勢の仲間とする仕事も楽しい
かもなぁ、と思って応募したのです。
採用の電話をもらった時も、30人ぐらいいる
仲間の一人だと思っていました。

採用が決まって、そのマスコミ会社に
行くと、私一人なのです。
上司の大手新聞記者(親会社の大手新聞社から
出向してきていた)と二人だけの部署だと聞いて
のけぞるほど、驚きました。

まるでイメージしていた仕事と違うからです。
上司が言うには、マスコミは企画立案するだけで
現場を運営する(つまり私が想像していた現場)
は、マスコミが取引している広告代理店の
仕事だそうです。

広告代理店がしている現場を、見ているだけで
いいんだよ、と言われました。

でもそうすると、すごく疑問がわいてきました。
なぜ、私が採用されたのか?
私も不思議でしたが、一緒に仕事する広告代理店
の人や社内の人も、「何でこいつを採用?」
みたいな目が、ビシビシ来ます。

いやー、普通、、もっと若くて綺麗で賢い
キラキラ独身女子を採用するでしょ、
と誰でも思います。
採用された私本人も思いましたからw
もう社内の女子社員たちから、
「主婦が色気を使って採用されたのよ」とか
陰口を言われる始末w

今まで、主婦が採用されたことはないそうです。

すごく自分も、他の人にも不思議がられましたが、
その私が採用された理由が、一年後、もしかして
これだったのかも!と思う驚くことがありました。
また有料記事で書くかも。
これはかなり、スピリチャルな内容です。
 
 

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