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花組公演 うたかたの恋 公演レポ

もう何度目か、、公演中止が辛すぎるので、思い出せる限りのレポをしたためることにしました。(書き始めたら果てしなく長くなることがわかりましたのでお芝居とショーで分割いたします。。。)
アドリブなどは日々のTwitterで投稿していますが、いつの、とかはそちらをご確認いただくとして、本文にもちょいちょい交えながら記載したいと思います。
あ、あらかじめお断りしておきますが私のレポと感想は水美舞斗さんにだいぶ偏ってますので平にご容赦を。

うたかたの恋

◇幕開きアナウンス
いつもより低めのれいちゃんのお声で「あけましておめでとうございます」から始まるアナウンス。
そのあまりの低音ボイスの響きに背筋が震えます。毎度ながら、これから始まる舞台への期待にワクワクが止まらないのと同時に、荘厳な儀式が始まるかのような、厳粛な気分に。

◇プロローグ
我々は見逃さない、幕開き前から降りてきているミラーボールをっ!
ビカビカと客席に光を振りまきながら回るミラーボールとともに(まぶしっ!)
タラララ、タラララ、タラララ、タラララ、ジャジャージャ!ッジャッジャ、ジャジャージャ!(伝われ)という前奏が流れ、ゆっくりと緞帳があがっていくと大階段に敷き詰められた真っ赤な絨毯(双頭の鷲の紋章)の上に左右に分かれて佇むルドルフ(柚香光)とマリー(星風まどか)。有名すぎる幕開きです。
真っ白な軍服と真っ白なドレスに身を包んだ二人はまるで発光しているかのような輝き(まぶしっ!)。
「濡れた〜」と歌い出すルドルフ、あなたのお声がもう濡れていますよ。
「朝に〜」と歌うマリーのお声は清らかで明るくて可愛らしくて、これから始まる悲劇の予感をより一層際立たせます。
幸せそうに踊る二人、言葉はないけれど、ふと離れた時に旅立ちの意味を悟り、それすらも幸福とルドルフに身を委ねるマリーの一瞬の表情の変化に目を奪われる。優しく抱きとめるルドルフ、つと顔を上げるとそこに見えるのは苦しみと悲しみの決意、そして銃声とともに暗転。。

◇プロローグ ウィンナ・ワルツ
電飾が点くと、色とりどりのドレスに身を包んだ華やかな貴族たちがずらりと並びます。
ここでいつもすごいなと思うのが、暗転中のスタンバイでみんなが極力足音を立てないようにしていること。かなりの人数(20組くらい)が短時間で舞台に出てきてポジションセットしているのに、衣擦れすら殆ど聞こえない。花組生、ほんとすごい。(その後、大階段から降りてくるカップル達の足音はやむを得ない)
ワルツもみんなさすがの優雅さです。
そして満を持して、我らが水美舞斗ジャンの登場!(あ、わたくしは水美舞斗さん強火担です、え、とっくにご存知?)
もうね、あの、あれですよ、ディズニープリンス実写版ですよ。むしろディズニープリンスだってあんな麗しい人いません。
白基調で金の縫い取りがされた軍服に身を包み、高めに立てた前髪(アッシュブロンド)を端正なお顔の横に垂らし(長めなのがまた最高です)、後ろへ流れる毛流れの筋さえも麗しく、内側から発光されている我らのミラーボール水美舞斗(まぶしっ!)。
大階段を降りたあと、優雅に一人踊られるのですが、ここは目を閉じてはいけない場面です。どんなに目が乾こうとも、瞳孔が開こうとも目ン玉かっぴらいて見てくださいね(圧)。
スッと手を上げ、アティテュードからそのまま軸足だけでターンします。高さのあるヒールで、ですよ?!めちゃくちゃ難しい技なのに身体の軸がいっさいぶれないという、それだけで水美舞斗の真骨頂が拝めるわけです。(はい、ここでチケットの元とれましたね)
その後も流麗なバレエが続くのですが、高さのあるジャンプしてもこれまた着地の足音がしないんですわ。。
なに?小鳥なの?体重2グラムしかないの?
上手袖にはけ際、右手を上げて次にご紹介するのはひとこちゃん。
これまた優雅にバレエをひと踊り、そこにほのかちゃん、ほってぃが加わり、3人で踊る、この縦並びのご尊顔も大変麗しく、眼福でございます。男役下級生達も登場し、軍服での群舞が続くとそこへ現れるルドルフ殿下、男性貴族達を従えて踊る姿のなんと美しいこと。ハプスブルク家の希望であり星だということが如実にわかります。でも皇太子妃ステファニーとのデュエットは感情を失った能面のような表情で冷たく目すら合わせず踊るのが辛いですよ、殿下。。
そして全員が登場し、最後の舞踏会へと。。

◇最後の舞踏会
舞踏会では周囲の目もはばからず、マリーをダンスに誘うルドルフ、ステファニーがいるよ?!めっちゃ見てるよ?!うららちゃんの蒼白な顔がかわいそうすぎる。
幸せそうに踊る二人を横に、ストリーテラーの役目も負っているジャンがルドルフの紹介などのナレーションを入れるのですが、初日付近は真面目な面持ちで、7日あたりからは少し明るめの声音に変わっていたのが印象的でした。こういうところは小柳先生の毎日の演出指示での微修正だったりするのかな?

◇ブルク劇場
お話は過去へ戻り、ルドルフとマリーの出会いが描かれます。
オペラで朗々と歌い上げるのは糸ちゃん演じる皇帝の愛人。(皇帝よ、自分は愛人いるくせして・・・というのは後のお話)
いったんはけたジャン様は青い軍服へとお召し替え。まー、これがまたとんでもなくお似合いで!光沢のある濃いめのブルーで、ジャン水美様の端正なお顔に映えること映えること。
皇太子達のバルコニー席ではオペラを覗くジャン様のお姿を拝めます。(え。やだ、こっち見られてる?なんて錯覚に浸れるかもしれませんし浸れないかもしれません)
舞台が苦手でしばらくドロンを決め込んでいたルドルフ殿下、遅れてバルコニーに現れたと思ったらすぐに反対側の席にいるマリーに目を止めます(目も手も早いっすね殿下)。妹の都姫ここちゃんが言う皮肉に露骨に嫌な顔をするステファニー。ジャンはそういうステファニーを気遣い、ここちゃんをたしなめます。(いい男だな)
すぐにまた居眠りを始める殿下に小さく「おい」と突っ込むジャン。みんなの様子に気を配り面倒を見る思いやりあふれる苦労人か。
回を重ねるごとにこういう細かい芝居が増えていくのが生の舞台の醍醐味ですよね。
そしてここでついにルドルフとマリーが出会ってしまうわけですが。れいルドルフとぶつかりそうになったマリーが言葉を失って立ち尽くすのがわかりみがすぎる。あんなご尊顔が突然目の前に現れたらそりゃ時間止まりますわ。私だったら腰抜かしてる。(いらない情報)

◇ザッシェルの店
士官達がわいわいと酒盛りをする裏で、ポーランドの伯爵夫人と密会するルドルフ。ソファーでの密着度が見どころ(相変わらずソファー使いが天才のトップ様)。
鈴美梛なつ紀ちゃん演じる伯爵夫人は実はびっくちゃんのスパイであるわけですが、色香にやられている振りをしながらもきっちり見抜いているルドルフ。この辺り、しぃ様ゼップスとのやり取りが地味にかっこいいのと、ルドルフという人がどのような人なのかを表しているのでお見逃しなく。なつ紀ちゃんの演技が上手くてびっくり。トップハットの受付嬢の時と声音まで全く変えていて見事です。
酒場で盛り上がる士官たちもこれでもかと各所で細かいお芝居を。愛乃一馬くん、踊り子さんをテーブルに押し倒し脚を持ち上げて、、ってこらー!、いけません!
酒場の片隅でうたた寝をするルドルフ、気づくとジャンとミリーが目の前に。ルドルフの顔を覗き込んで「寝てるね」「うふふ」なんていう可愛いアドリブもかましたりするもんだから、一瞬たりとも気が抜けなくて困ります。
ジャンとミリーの関係はルドルフの憧れなんですよね。心から愛する人と出会えて、家のしがらみも気にせず自由を謳歌している。南の島へ行くんだ、という二人(おーい、それは夢だぞ!)に憧れるあまりに自分もマリーとの道を突き進んでしまうルドルフ。
既婚者でありながら、情熱的なお手紙を一回り以上も歳下のうら若き乙女に送ってしまいます。ブラットフィッシュ!とほのかちゃんを呼ぶ声のキレがよく、お手紙送っちゃうんだもん!というウキウキが見て取れる。
れいちゃんだから許されるんだぞ!(いや許されてはいない)
周りも密会をお膳立てしちゃってもう。。君たちも同罪だぞ!

◇プラーター公園
自由主義運動を密かに進めているジャンは軍隊の仲間と公園で状況確認。翼杏寿くんや太凰旬くん、海叶あさひくん、夏希真斗くんも、短いながらもしっかりとセリフをもらっており、いいお芝居をしてます。
ここは随所でみんながいろんなことをしているので目が足りない!
しかしジャンとミリーのいちゃいちゃが上手でこれでもかと繰り広げられているので、水美担としてはそこしか見れない!困る!
屋台で売られている様々な小物を使ってモノボケを繰り出す美咲ミリーに翻弄される水美ジャンが見どころです。ミリーにあまりに素っ頓狂なことをされると、ほぼ中の人出ちゃってる様子の水美ジャン。ある回では、でっかい石がついた指輪をつけているミリー、それをジャンの人差し指にはめようとしたら見事に第一関節で止まったのを見て腹筋崩壊しそうになりましたわ、そらそやろ、やめたげてーな!うちの人なかなかのゲラやねんで!(謎の関西弁)
涼葉まれくんがちょいちょいジャンミリに絡んでくるのも楽しいポイント。ミリーちゃんにちょっかい出してジャンに激詰めされる回も。そりゃ怒られるわ。
ここでジャンミリがひたすら明るく幸せそうに振る舞うことで、ルドルフの憧れである象徴となることが狙いよね。バックハグしたり、ほっぺにちゅーしたり、あれやこれや、思いつく限りのいちゃいちゃを見せてくれます。握りしめたハンカチ伸びるわい。
あ、ひとこちゃんフェルディナンド大公とあわちゃんソフィーも下手でいちゃいちゃしているようですのでそちらもぜひご確認を。

◇ルドルフの部屋
政治的なあれこれが行われる中、何度目かの密会をするためにルドルフの部屋にいるマリー。エリザベート皇后と遭遇してしまいます。(ここのきょんちゃんロシェックのうろたえっぷりがさすがの芸)
かがりりちゃん演じるエリザベートが素晴らしい!
「美しく、気高く、聡明で、優しい」立ち姿や発声で伺い知れる説得力がすごい。そりゃマリーも興奮します。
ママに会っちゃったんだって?!と焦りながら、しれっとマリーに指輪を渡すルドルフ。れいちゃんだから許されるんだぞ!(だからだめだって)
そして不実な関係は露見することとなり、引き離される二人。
凛乃ちゃんのマリーママがいかにもな未亡人男爵夫人でこれまた上手いの。まとう空気感というか、絶妙な成金夫人を醸し出していてね。舞良さんの乳母も可愛らしさが爆発です、上手い。

◇ザッシェルの店
マリーが叔父の家にやられ、会えなくなった荒くれルドルフがね、いいんですよ。こじらせ美男子をやらせたら右に出る者のいないれいちゃん。酔っぱらいが上手いなぁ、れいちゃん。そういうのどこで覚えるの?(あきらさん?)
戻ってきたマリーにすがりつくルドルフの表情がね、真に迫ってて痛々しいほど。ここも初日からどんどん深まっていて、マリーの膝にしがみつき、ぽろりとこぼれるルドルフの涙がこちらの胸を打ちます。
それが急にオスの顔になり、「お前を清らかなままでおこうとした誓いを自分でやぶろう」という、柴田先生ならではの耽美な言い回しが余計に淫靡さを増すんですよね。。だからだめだって。。。

◇皇帝と皇太子
ところどころで挟まる政治枠、自分の甥であるひとこフェルディナンド大公を次期皇帝にと画策するびっくちゃんフリードリヒ公爵、それを渋るフェルディナンドの恋人がボヘミア人であり召使いという身分違いもいいところな弱みを突き、ルドルフを追い落とそうとします。恋人のことは隠していたつもりのフェル君びっくり。大人は何でも知っている。またこれがい〜い悪い顔をするんだ、びっくちゃんが。舞良さん、きょんちゃん、びっくちゃんら上級生が芝居をピリッと締めてくれますね。

◇皇帝の執務室、双頭の鷲
マリーと燃え上がっちゃったルドルフくん、ステファニーと離婚したいですー、と法王庁にお手紙送っていたことがパパにばれ、めちゃくちゃ怒られます。(言い方)
皇太子の立場を捨ててもマリーと一緒になるというルドルフに突きつけられる皇帝の冷酷な通告。(自分も糸ちゃんという愛人いるくせに・・)
ここでこの後の運命が決定づけられたことに気づかない皇帝と皇后。
ルドルフの顔ちゃんと見て!なんか決意しちゃったじゃん!顔に出てるじゃん!
峰果くんのフランツ皇帝がまたいいんですよ。威厳と頑なさを見事に表しています。銀ちゃんトメさんのパンチパーマに続き、あんなにもみあげが似合う女性います?「まだ終わっていない!」とデスクをバン!と叩くのが好き。(手が痛そう)

◇元の舞踏会
ここで舞台は冒頭の舞踏会へと戻ります。
本筋とは関係ないですが、最初の場でジャンに紹介している青騎くんのお相手がここではひっそり変わっていることに密かにウケている私。(最初はみおんちゃんだったのに、、やるな、リリーたん)
ルドルフとマリーはまた幸せそうに踊り、エリザベートはその様子になにごとか異変を感じとった模様でしたが、嫌な予感を引っ込めてしまう。この辺の細かい表情の変化が上手いです。
精一杯の皮肉をパパにぶつけるルドルフ。「あなたが(死ぬ)運命をお決めになったマリーですよ」
いや、連れて逝くと決めたのは、それは貴方〜、それは貴方〜それは、あなた〜。
旅に出ることになった、一緒に来るか?という言葉で何もかも察するマリー。それはそれですごい。あなた16歳よね?
怒り心頭に達したステファニーがマリーに詰め寄ろうとするのを咄嗟にダンスで止めるジャンが必見。ここも目をかっぴらいて、、(しつこい)。
ジャンにリードされながらもマリーから目を離さないステファニーの身体を自分にグッと引きつけながら、眉間にシワを寄せ、唇を引き結んで毅然と踊る水美ジャン。振りほどかれた後に切ない、悲しそうな顔をして見送るジャンがたまりません。もっと長く踊ってくださってもよろしいのですよ。(話が進みません)

◇マイヤーリンク
ついにその時が。。
悲劇の前の一時の幸せ、ルドルフとマリーのかくれんぼ。
ここも回を追うごとにアドリブが入り始め、可愛らしいやりとりにほっこりします。個人的にはれいルドルフの「もう1回戦する?」がヒットでした。もう1回、じゃなくてもう1回「戦」。あらヤダなんのダブルミーニングかしら(おやめなさい)。
かわいいかわいいマリーと、麗しくかっこいいルドルフ。
ここのルドルフのファッションいいです。柔らかいブラウスにボウタイ、太めのサッシュベルトがれいちゃんに本当によくお似合い。
最期の時に向けてマリーを寝かしつけるルドルフの声がね、、もうひたすら優しく柔らかく、でも明確な意志が含まれているのがわかるのが辛い。
安らかに眠るマリーに銃口を向ける一連の動作が、その時の感情の込め方で変わるんですよ、、震えながら一度向けた手を下ろしたり、ためらってためらって、歯を食いしばって一回で撃ってみたり。段々と大きくなる明るいウィンナ・ワルツが臨場感を煽り、暗転と共に響き渡る2発の銃声。。

◇エピローグ
ルドルフとマリーが遺した遺書を読むジャン。
常々、水美さんは天才だなと思う一つが、涙を流すタイミングとその絶妙さ。
ここでもスーッと一筋の涙を片目から流し、その美しさに見惚れます。
少なくもなく、多くもなく、ほんとにスッとここしかない!というところで流されるので、水美さんは筋肉だけでなく水さえも自在に操れるのか?!と日々驚愕しておるわけです。いや素晴らしい。
ラストに雪が降る中、真っ白な花嫁衣装、真っ白な軍服で幸せそうに踊るルドルフとマリーの姿はまるで絵画のように美しく、なんかもう全部許すよ、二人で天国で幸せに!という気分になります。

◇締め
私自身は宝塚にはまってそこまで年月が経っていないぺーぺーで、うたかたの恋も過去公演は観てなかったんですよ。有名な幕開きはもちろん知ってましたけども。
先輩諸氏が役が少ないとか、大劇場で持つのかとか、色々おっしゃっていたので恐々としていたのですが、開けてみるといい作品だな、と。
小柳先生の潤色も効いているのだと思うのですが、今の花組に合ってるなと思いました。

そしてなんたって水美ジャンがかっこよすぎるんだもの。。(ファンなので感想が偏っていることをお詫びします)
白軍服に青軍服にマントに、、そしてあの深いお声、優雅なダンス、それだけでもう、本当に幸せな時間をありがとうございます、生きていけます。
なんかまだまだ色々書き漏れている気がするが…ショーの方に移りますか。


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