宝塚という枠を超えた銀ちゃんの恋〜その1〜

宝塚花組 水美舞斗主演 
銀ちゃんの恋〜銀ちゃん、今日も反省の色なし〜
そこに銀ちゃんがいたよ!

プライベートで長めの文章を書くのはほんっとに久しぶりなのでまともに書けるか本人も不安しかないが、この溢れる思いがTwitterでは表現しきれないよ!ということで書いてみます。
作品内容についてネタバレありありなので以降、ご注意くださいませ。

銀ちゃんの恋とは

この記事を読んでくださる時点で「銀ちゃんの恋」がなにものであるかはみなさんご存知だと思うので省きます。(タイトル詐欺)
私はというと、銀ちゃん、小夏、と聞くと、ウッチャンナンチャンが思い浮かぶ世代(古いな)。幼心にも強烈なキャラだったのでいまだに覚えてます。

それで興味を持って、中学の頃ですかね、原作を読み、映画も観たけれど、なんせ子供。描かれている内容を本当に理解していたかどうかも怪しい。

月日は流れ、晴れてヅカオタとなったわけですが、宝塚版の初演、再演、再々演も不勉強ながら観ておらず状態。しかし久世星佳様、大空祐飛様という素晴らしいトップスター様が演じられていたことは重々承知しており、そのような人気作を我が水美舞斗さんが?!やっちゃうの?!(説明漏れておりましたが水美舞斗さんのファンです)

そして切れ切れに聞こえてくるワードときたら「電飾スーツ」「クズ中のクズ」「とんちきお衣装」「ハエたたき」・・・えっと、、確認ですが宝塚ですよね?
観劇前に原作でも読み直すか・・と思ってはみたものの、ここはひとつまっさらな状態でのぞもうじゃないか!と思いました。(全然まっさらじゃない上に前置きが長い)

そこに銀ちゃんがいた

迎えた初日。
過去の公演を観ているヅカオタ先輩諸氏が口を揃えて「難しい作品だ」「これは勝負だ」などと言い募るのですっかり不安になっていた私。(自分が演じるわけでもないのに初日が近づくにつれ毎度毎度謎の緊張をもよおすのはなぜだろう)

開演5分前の蒲田行進曲や東洋映画の専務と秘書さんの怪しいイチャイチャにわくわくしながら我らが銀ちゃんの登場を待つわけです。

そして高らかな口上とともに切って落とされる幕!
そこにすっくと立つのは紛れもなく我らが銀四郎様!
もうね、佇まいがね、既に倉岡銀四郎なわけですよ。なんのこっちゃと思われると思いますが、「水美舞斗」がやっている「銀ちゃん」ではなく、「倉岡銀四郎」を演じている「水美舞斗」でもないんです。(だが幕に浮かび上がるシルエットは鼻筋がもう水美舞斗でしかなかった)
いや、水美舞斗ですよ、わかってますよ、わかってます。でも銀ちゃんなんだもん。(だもんて、あーた)

銀ちゃんであるということ

原作があり、舞台も映画も大ヒットして、宝塚でも4度目の再演、作品そのものにものすごく力があることは当然で、その上で、いやそれだからこそ、演じる側は多大なプレッシャーを感じていると思うのです。
でもそんなこと微塵も感じさせず、生き生きと銀ちゃんが舞台で暴れまわっている、その姿。

常に俺様が一番、仕事はわがまま言いたい放題、好き勝手に子分たちを殴る蹴る(殴る蹴るのスピードがまぁ、速いこと速いこと)、あげくに出世の目がでてきたからと孕ませた女を捨て、のみならず化けて出られたら嫌だからと自分の目の届くよう子分に押し付ける、おまけにファッションセンスは最悪なんてもんじゃない、そんなクズ男、いくら顔がよくても何がいいの?

だけどみんななぜだか惹かれてしまう、どうしても憎めない、あまつさえなんとかスターとして成功してほしいとすら願ってしまう、そんな魅力がある銀ちゃんという男が舞台上にいる。

なんだかんだ言いながら、ちゃんと子分たちの面倒をみていたり、自分勝手な理屈ではあるけれど小夏のことを考えた上でのヤスへの押しつけ(そこはやっぱクズだな)とか、銀ちゃんのいいところ(?)エピソードは進行の中で演じ語られるわけです。
でもね、そういった説明抜きにしても、愛すべき男、倉岡銀四郎としての存在を体現している、水美舞斗の倉岡銀四郎がいる、そう思えました。

長くなったので次に続きますよ…

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