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杏子みたいに可愛いきみを口に含めば

苦しい想い出も
眠れなかった一夜も
届かなかった想いも

たった一度の激しい情動が
僕をきみへと結んだ。
腫れあがったきみの宇宙を
なんどもくりかえし
貫いて
きみの宇宙が涙で喘ぐまで
なんども喘ぐまで

きみがせつなくうめくとき、
きみは天を仰ぐんだ。
銀色の狼が
空に吠えるように、
きみは我慢して我慢して
滅びゆく獣のように
白い乳房をしならせて。

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