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35日目@4000日後に借金を完済する男

案の定、昨日手に入れた7枚の夏目漱石を握りしめて朝からパチ屋に向かった。

いつも以上に台の履歴を確認し、入念に打つ台を選び、いつも以上に丁寧に当たることを切に願いながら打った。

しかしGOGOランプは無情にも1回も光らなかった。

ものの朝の30分ほどで全てを失った。
この喪失感が酷く、台をぶん殴りたくなる衝動にさえ駆られなかった。

もう昼飯を買う金も、晩飯を買う金も、明日会社に向かう電車賃すら無かった。

何もする気は起きなかった。

だけれど、給料日はまだまだ先だった。

それでも、なんとか生きていかなければいけない。

自業自得ではあるが、生きていかなければいけない。

なんとかして金を作らなければいけない。

もうおれには借りるという選択肢しか残っていなかった。

どうやって借りようか。考えを巡らせた。

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物語ですが、実体験をもとにしたストーリーになるため生々しいかもしれないです。

とある男が借金をしてから完済するまでを追った物語です。1日分ずつ更新していきます。

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