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KING OF KINGS 2020 出場者紹介(1)

個人的な話だが、私はMCバトルをフリースタイルダンジョンで晋平太と般若が戦っているときから見ているいわゆる「にわか層」である。

ただ、3年以上も見ているとある程度「これはいい」というのと「これはダサい」というのはある程度わかってくる。少なくとも、KING OF KINGSの出場者の面子を見るたびに「こんなやばいやつらが集まるなんて、やばい大会に違いない!」と思っていた。そこで、今回はKOK2020の出場者の紹介も併せて、記載できればと思う。

回を追うごとにレベルが向上していく大会、KOK

KOKには物語がある。

2017年大会決勝のGADOROMOL53という「因縁」。
2018年大会の呂布カルマRAWAXXX(MOL53)のいざこざ。KING OF KINGSには大会ごとに強力な「物語」があった。
そして、2019年はAUTHORITYという新星がそのまま日本一へと駆け上がるか、それともRAWAXXXが止めるかという「物語」だったのだろう。

筋書きのないドラマを求めているのであれば、正直KOKを楽しむことは少し難しい。ただ、各ラッパーのレベルの高さは間違いなく日本一を決めるにふさわしい大会だと私は思う。

ただし、2017年大会ではMASTERの運営が稚拙だという声も聞こえた。この大会は少しばかりビートが難しいものが多かった。SIMON JAPが盛り上げなければ、いささかグダグダな大会になっていたかも分からない。

加えて、選定大会と選定方法に多く疑問も寄せられていたのは事実だ。RAWAXXXが2019年大会で何の物語もなく頂点に立ってしまったという話も出たほどだったし、それだったらAUTHORITYが優勝したほうがと思う人が居たのも事実だ。

一方で、多く変化があったことも事実だ。

2018年大会から確実にビートがバトルでもやりやすいビートに変わり、2019年大会はどのビートも非常に質が素晴らしいものだった。
D.D.S.対SAMのGreen Assassin Dollarビートはその中でも非常に素晴らしいものだったし、バトルにしても音源になっても非常に素晴らしいクオリティだったと思う。

今大会も事情があったとはいえ戦極での優勝MCが多く参戦(2021年大会より選抜での強力ではなく、別の形での協力を模索することを表明)。他、各大会での実力者が集まり、本当の意味でもKING OF KINGを決める大会になりつつあると思う。

ということで、今回は2回に分けて出場者を紹介していこうと思う。

出場者

「成長途上のNew Hero」
AUTHORITY(戦極 MC BATTLE 第21章代表)

2018年年末まで日の目を見ることさえなかった、2019年MCバトル界の主人公。凱旋・SPOT LIGHT・UMBと大きな舞台で優勝を手にし、その勢いのまま戦極21章でも優勝。バトルだけでなくEPのリリースと活躍の幅を広げるニューヒーローは昨年の準優勝の悔しさを打ち破れるか。

「最強の妖怪」
輪入道(真・ADRENALINE代表)
フリースタイルダンジョン2代目モンスター。言葉を詰め込みながらもしっかりと韻を踏む技術、ブレイクダンスや土下座をしながらでもリズムをキープできる音感とバトルMCとしての技量を持つ一方で、今年は自伝も出版してヘッズたちに大きな反響を得た。真AdrenalineとSPOT LIGHTを制覇し2016年大会の準優勝を超えられるか。

「杜の国の白兎」
Ruvit(戦極 MC BATTLE U22 2020代表)

戦極U22代表の若手MC。ラップを始めて2カ月で高校生ラップ選手権に出場を決めた一方で、対話型のMCとしての地位を確実に上っている。ハイスクール・ダンジョンでもモンスターとしてレギュラー出演していたなど、若手の中でもプロップスを手にしつつある。と言っても、それが大人とのバトルになったときにどのようになるかは未知数だが、まだ「8mile」のDVDの登場人物程度としか認識されていない大人に思い切りぶつかっていける大チャンス。ミメイはそれで粉砕されたけれど。

「愛媛のサイコパス系MC」
SKRYU(戦極 MC BATTLE U22 秋の祭典代表)
戦極U22秋の祭典代表で、UMB2020を大いに盛り上げた立役者。音源・バトル共に現在は大躍進を遂げており、オリジナリティあるスタイルはまさしく2020年のラップシーンの顔の一人と呼んでも良いだろう。UMBでは涙を流してバトルをしていたという熱い一面も持ち合わせており、プロップスをぐっとつかんだ感はある。

「異世界転生の奇才」
鎮座DOPENESS(東日本予選代表)

KOK2020東日本予選代表にして、UMB2009王者。2020年シーズンはコロナで多くの大会が中止となる中、UMB2020 THE CHOICE IS YOURSも制覇。極めて独特なビートアプローチとフロウは、かつて証言の5番手を担ったTwigyを彷彿とさせる。3年ぶりに帰還したかつての王者はそのスタイルのままKOKまで制覇してしまうのかも注目。

「ストリートの絶対王者」
RAWAXXX(戦極 MC BATTLE 第21.5章代表)

MOL53時代より、多くのプロップスを得ているKOK2019チャンピオン。昨年前の今にも消えてなくなりそうな危うさが無くなった反面、バトルイベントにも再び出るようになり、相変わらずの存在感を見せていた。今回は戦極21.5章代表としての選出となるが「角」の取れた今大会は相変わらずのバチバチ感を出せるのかも注目。

「かずきむぎちゃ」
Slient Killa Joint(口喧嘩祭代表)

2012年よりYouTuberとして活動しながらも、大麻所持と傷害などで懲役を食らっていた一面を持ついわゆる「リアル性」に富んだパーソナリティで2020年はバトルでも大躍進。口喧嘩祭代表として乗り込む今大会は、新たなるヒーローとして名を上げることができるかも期待される。

「東海ジャンキーキング」
BASE(西日本予選代表)

東海のシーンにおいて、今絶大な影響力を誇るJet City People所属の看板MC。一見するとドラッグのことしか語らないジャンキーのように映るが(実際にその通りではあるのだが)、反面ビートアプローチ・キープ力・声質と極めて高い能力を持っているがため。今回は西日本予選を突破して優勝。いつか梵頭・呂布カルマ・BASEの東海そろいぶみを見たい。

以上、パート2に続く。

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