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箱根駅伝コース概要「7区」

復路のエース区間と呼ばれるのは9区ですが、実際に今復路で重要区間なのは6区と7区だと思っています。
その理由を述べます。述べよと言われる前にね。

■コースの特徴

4区の裏返し区間と呼ばれている7区は復路のエース区間として、21.4kmという区間の中でも重要視されている。
前半に小刻みなアップダウンがある。また当初は山から吹き降ろす冷気で冷え込むが、平塚中継所へと近づくにつれて太陽が高くなるにつれて気温も上がる。そのため最も気温差が激しい区間となっている。
また、往路の4区では序盤に平塚中継所通過後直進し、海沿いのコースを通るのに対し、7区は終盤、大磯駅入口交差点通過後に陸寄りのコースを通るため、4区よりも若干距離が長いのも特徴的だ。
気温の変動に耐えられることができるタフさと、ランナーとして能力がある選手を起用できるかが鍵。
本来は往路に置くことができる程の力のあるランナーや、能力の高い下級生のランナーをこの区間に置くこともあり「将来のエース候補」たちや「巻き返しの区間」という監督の采配も試される区間と言える。

■97回箱根駅伝では何が起こったか

創価大学の原富慶季選手(九電工)が区間2位で好走し、1年生ながら区間4位と好走した駒澤大学の花尾恭輔くんを突き放し1分8秒まで縮められたタイム差を1分51秒にまで広げた。
一方、東洋大学は4年生エースだった西山和弥選手(トヨタ自動車)が東海大学に追いつくも競り負け4位でタスキリレー。
また、7位でタスキを受けた東京国際大学の佐伯涼さんは最後の箱根駅伝で区間賞を獲得。チームを5位に押し上げた。

シード権争いでは青山学院大学の近藤幸太郎くんが区間3位と好走し、10位から7位に。6位でタスキを受けた神奈川大学はこの区間で順位を大きく落としてシード圏外の11位に。早稲田大学が10位に浮上した。

順位は以下の通り。

通過順位

1.創価大学
2.駒澤大学
3.東海大学
4.東洋大学
5.東京国際大学
6.順天堂大学
7.青山学院大学
8.國學院大學
9.帝京大学
10.早稲田大学
11.神奈川大学
12.城西大学
13.明治大学
14.日本体育大学
15.拓殖大学
16.国士舘大学
17.中央大学
18.法政大学
19.山梨学院大学
20.専修大学

■97回箱根駅伝区間賞

佐伯涼(東京国際大学/4年)1時間3分10秒

昨年までの主力選手が卒業して難しい大会となった今回の東京国際大学にとって、彼の好走があったからこそのシード権だったと思う。「人生で最後のレース」として臨んだ箱根で見事な好走。その一つ前では4区で区間12位と苦戦したがその悔しさも晴らす駅伝となった。
現在は競技から離れたが、チームにとっても佐伯さん個人にとっても集大成となる箱根で残した功績はとても大きなものとなったはずだ。1年前ですが、本当にお疲れ様でした。

■区間記録保持者/日本人最高記録保持者

阿部弘輝(明治大学/2020年)1時間1分40秒

右の股関節と腸腰筋の故障に苦しんだ明治大学主将のラストイヤーは、決して納得の行く1年ではなかった。ただ、主将・エースとしてシード獲得という結果・そして区間新記録という最高の形で結果を形に残した。この大会では記録ラッシュとなった箱根駅伝だが、2区を走った相澤晃選手(旭化成)とは円谷ランナーズスポーツ少年団・学法石川高校の同級生で、現在も親交があるとのこと。
10000メートルの日本記録を樹立した相澤選手に負けじと、現在住友電工にて競技を継続中だ。

さあ、次は難所・遊行寺の坂が待つ8区だよ!

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