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第35回出雲駅伝(7)「法政大学」

正直、今シーズンの法政大学も色々と読めない要素がある。だが、坪田駅伝監督が就任されてから着実に実力を伸ばしているのも事実で、今シーズンもこの悔しさをばねにしてさらに飛躍することができるのかが期待される。

春シーズンは「?」も夏と秋にぐんぐんと力を付けてくるのもこの大学の特徴で、「オレンジエクスプレス」の異名を持った尖ったチームらしさを見せている。

伝統校ながら総合優勝回数は0

箱根駅伝史上歴代4位となる83回の出場を誇る伝統校ではあるが、往路と復路の優勝はあれど総合優勝の回数は無い。また、三大駅伝タイトル獲得経験もなく、出雲駅伝に至っては最高成績は7位という結果に終わっている。

しかし、前回では5位が明確に見える中での僅差の7位だったこともあり着実にチームとしての力はついてきていると言っていいだろう。しかし、全日本大学駅伝では2年連続となる予選落ち。気温などのコンディションが難しいタフなレースとなりがちな全日本大学駅伝の予選会のため結果としては驚くことでもないが……。

よりチーム一丸となるきっかけとなり、さらに強くなることを期待したいところだ。昨年のチームもそういう「強い」チームだったということを思い出している。

キープレイヤー

伝統的に法政大学も「尖った」エースが出てくる。エース対決時に思わず笑いながら走っていた内田隼太選手、タスキを渡す際の投げキッスが印象的な西池和人選手、金髪にサングラスが印象的だった徳本一善さん。そんな尖った「たたき上げエース」に名乗りを上げるのは彼しかいないだろう。

松永伶

出雲駅伝・箱根駅伝と出場した駅伝で結果を残したエース候補。昨年の関東インカレでは周囲の度肝を抜くロングスパートを見せ、箱根では1区区間3位と大健闘。エース候補として名乗りを上げたと見ていい。

大学ハーフマラソンでも3位に入り、実力を高めているだけにこの全日本での結果は決して納得いくものではないはずだ。最終組で35位という結果に終わった大学予選を機に、さらなる奮起に期待したい。

監督

現在の法政大学の躍進は彼無くしてあり得ないだろう。極めて尖った法政大学の中で、彼もまた「どこか尖ったもの」を強く感じさせる実に法政大学らしい監督と言える。

坪田智夫

「シード権を取りに行く」という意味で試練の夏となりそうだ。

全日本大学駅伝予選ではまさかの総合13位に終わり予選敗退。箱根駅伝で得た小さくない可能性が揺らぐ結果となってしまった。しかし、前年度も全日本での敗退後、そこから出雲駅伝と箱根駅伝に結果としてつなげることができている。

当然だがチームとして決して悪いチームではない。当然シード権に入ってくる可能性が大いにある。結果という屈辱をさらにパワーに変換することができるのが、法政大学というチームの根底にある「強さ」だろう。

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