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警察の各種ノルマについて

 警察のノルマについてコメントを求められたので答えます。

 結論を申し上げますと努力目標がありますがノルマはありません。
※注意 私が勤務していた2010年ころの神奈川県警察地域部のみの話です。その他内勤(刑事、交通など)はわかりません。

 去るその時代は刑法犯、特別法犯合わせて片手で数えられるくらいの数が一人一人に与えられた努力目標でした。

 多くの皆様が気になる交通違反に関しては、特に切符何枚というのはなかったのですが、各警察署ごとに目標が設定されており、集計は交通課がやっており実際の数は現場の者は知りませんし、興味がない人がほとんどでした。ただ1当直(丸1日泊まる約27時間くらい?)勤務をして0枚だと主に警部補クラス以上の人に
   「なんだ坊主かよ」
   「丸一日何してたの?」
と言われますね。
 あとは各交番の相勤者(一緒に勤務する人)が
   「若手は2枚切らないとね」
と言ってきたり
 まれですが1日の集計表を見た先輩が
   「今日切ってないんだ」(ふーんみたいな態度)
などと言ってきます。

 国レベルではノルマはないと正式発表しているが、現場レベル特に管理職である係長級以上の人に上記のようなことを言われたら普通の感覚の持ち主ならノルマであると感じるのではなかろうか。

 では、なぜ上の方も切符の枚数をこんなに気にするのだろうか?
 交付金として信号機などを作る資金源になっており、各都道府県警察に金額の割り当てがあるのも一因ではあろうが、地域部において切符を切るということが最低限の積極性を持って仕事に当たったか分かるバロメーターになっており、やる気のない人間をほどよくあぶり出してくれる仕事だからではないかと考えます。
 切符は最低限の積極性があればよっぽどの忙しい日でない限り切ることが出来ます。地域部においては取締る違反はほとんど携帯、一時停止、通行禁止などわかりやすいものばかりです。通報の対応の合間時間を使って、違反が多い場所に1~2時間くらい突っ立っていれば大抵一件は捕まえられます。書類も簡単です。それをやらないってことは、事務処理能力が低いか、やる気がないと認定出来ると思っている幹部の方が多いってことだと思います。

 まあ確かに中らずと雖も遠からずとも言えますが、交通安全が目的のはずの活動なので、取締る違反の種別、場所の効果検証もせずに実施し、警察側の都合で件数あげなきゃいけない雰囲気を作るのはおかしいです。そのあおりを食うのは素直な忙しく働く国民なんですから。


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