逆上がりが初めてできた日の笑顔、忘れていないかい?
今朝、歯磨きをしながらぼけーっと朝のテレビ番組「ラヴィット!」を見ていた。この番組、うるさいから最初は好きではなかったけど、大人たちが楽しそうにゲームをする様子が面白くてだんだん好きになってきた。
今日のトークテーマは「笑わないで聞いてほしいこと」だった。
SnowManの佐久間さんのトークが来た。佐久間さんの「笑わないで聞いてほしいこと」は、、、
驚いた。「逆上がりができないこと」らしい。
ジャニーズを追っているわけではないからそんなに詳しくないが、SnowManはバキバキのダンスが魅力のグループ。彼らのダンス動画は何度か見たことがあるが、全員残らずダンスが上手だった。それなのに逆上がりができない人がいるものなのか。
その後の流れはお決まりである。佐久間さんがスタジオで逆上がりに挑戦するコーナーが始まった。元オリンピックの選手が出てきてスタジオは大盛り上がり。なんでも3分で逆上がりができるようになる裏技があるらしい。
何も指導を受けずに、佐久間さんが逆上がりをした。あ、これは逆上がりできない人の逆上がりだ、とすぐわかった。腕がぶらんと伸びきって、身体が鉄棒から完全に離れてしまっている。ここで突然自慢をさせて頂く。わたしは今年22歳だが、先日逆上がりと空中逆上がりをやったらできてしまった(連続空中逆上がりもできた)。やっぱり運動できる、わたし。
ここで佐久間さんに、元オリンピック選手の指導が入った。タオルを使って身体が回る感覚を覚えこませ、タオルなしでも回れるようにするという裏ワザらしい。面白い。
指導を受けた佐久間さんが、タオルなしでの逆上がりに再び挑戦した。
すると、佐久間さんの身体がくるっと鉄棒を一回転した。30年生きてきた佐久間さんが、人生で初めて逆上がりを成功させたのである。とてつもない歴史的瞬間だ。成功の瞬間、カメラに抜かれた佐久間さんの顔を見て、わたしは衝撃を受けた。
とびっきりの笑顔だった。
彼の口は大きく開き、目はキラキラと輝いて、カメラが回っていることなんて忘れたようにどこか遠くを見ていた。
わたしは本当に驚いた。昨日行ったアイドルの武道館ライブの数倍感動した(彼女たちを貶しているわけではない)。正直、佐久間さんが逆上がりができたという事実はどうでもよくて(失礼)、彼の表情に対して興奮が止まらなかった。30歳の大人でもこんな顔ができるんだ!!!!!
きっと、初めて自転車に乗れた日のわたしも、初めてひらがなが書けた日のわたしも、初めておつかいができた日のわたしも、そして初めて逆上がりができた日のわたしも、佐久間さんと同じ顔をしていたに違いない。きっと目をキラキラと見開いて、希望に満ち溢れた顔をしていたのさ。
わたしは暫くこんな顔をすることを忘れていたような気がする。大人になるごとに、自分のできないことばかりがクローズアップされていったから。大人とは「できること」が当たり前で、それができたところで何もすごくないと思うようになっていたから。
何かができるって、できるようになるって、びっくりするくらいすごいことなのだ。何歳になっても、キラキラしてて、はち切れんばかりの希望が詰まってて、ダイヤモンドと比較できないくらいの価値があって、こんな陳腐な語彙でしか説明できないことがもどかしいくらい、ものすごく素晴らしいこなんだ。
何かができるようになったら、目をキラキラに輝かせようじゃないか。口を大きく開いて笑おうじゃないか。「そんなことで喜んでるのかよ」なんて周りに言われても気にしないで、何かができるようになったという喜びを全身で感じて、顔に出そう。
逆上がりが初めてできた日の笑顔、忘れていないかい?
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