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遠距離恋愛中の彼氏と4ヶ月ぶりに会ってきた

メイクをばちばちにキメて、「あちっ、あっちいわ!!!」と叫びながら髪を巻いて、自分がいちばん可愛く見えるワンピースを着て、しっかり誕生日プレゼントを用意した。これで口元にニキビが無ければわたしは無敵だったんだけどなあ。鏡の前でくるくる回って、ちょっとドヤ顔で自分のビジュアルを確認。「よし、今日も可愛いぞ!」と心の中の道重さゆみを発動させて、元気よく家を出た。

サークルが5時半くらいに終わったので、6時に彼氏と待ち合わせた。新宿の東改札、人が多いからちゃんと見つけられるかなあなんて思っていたけれど、彼氏のことはすぐわかるものなのね。「なんか知らん人みたい」と言いながら、こちらにまっすぐ向かってくる彼氏はとても可愛かった。

久しぶりに会うのに「そんなに感動がないし話すこともない」と言ってくるから、ムキーとなった。「俺、なんか変わった?」と聞いてきたから、「え、相変わらずカッコいいよ」と返したら、安易ににやけていた。ちょろすぎてウケた。でもわたしも相変わらず可愛いんだよ。

歌舞伎町タワーに行った。彼氏は「コンセプト不明でカオスなところが非常に新宿っぽい」と大変ご満悦だった。わたしたちは無意味に高いところにのぼりがちな人々なので、エスカレーターで一緒に上までのぼった。彼氏は、階を上がるごとにいちいち外の写真を撮っていて面白かった。そんな一階くらいで景色変わらないわ。あと、降りるときのエレベーターの速さにビビっていてダサかった。肝っ玉小せえやつ。

「歌舞伎町タワーの周りはそれなりに観光客がいるけれど、この辺りは歌舞伎町らしい人間しかいない」と彼氏が言う場所、、、まあいわゆるラブホ街も歩いた(歩いただけ)。まさにデリヘル嬢がお仕事に向かうところも目撃した。彼氏によると、歌舞伎町らしい人間の目は、覚悟が決まっているらしい。

「4ヶ月離れていたくらいじゃ、東京もそんなに感動がない。大体道覚えてるから」とか言っている彼氏が道に迷い始めた時は、普通に笑った。「お前の魂は新宿じゃなくて地元の田舎!」と煽ったら、「お前はうるさい!」と言われた。あと力加減おかしい頭皮マッサージされて、頭蓋骨がちょっと歪んだ、ような気がする。一生許さない。

そういえば付き合う前、わたしたちが先輩後輩だったとき、嫌いな街ランキングであなた歌舞伎町あげてたろ。わたし覚えてるからな。あなたの魂の形は新宿じゃない!認めない!

ほんとこの人好き勝手語ってきていたな、自分の思う東京について。「夜中の2時」に、「後輩の女の子」に、「自分の嫌いな東京の街ランキングを永遠語る」男、ちょっとばかしおかしいよ。そうだね、引っかかってしまったわたしも馬鹿。

坂を歩いていたとき、「位置エネルギーに身をまかせながら歩くとこうなる」とか言いながら、奇妙な歩き方で坂を下り始めて吹いた。そういうときは少し距離をとって歩いている。嫌だもん、変な人の隣歩くの。

レポートを書きたいらしい彼氏のために大学まで行ったけれど、まさかの7時半閉門で入れなかった。かなり落ち込んでいた。本当にここでレポート書く気だったんだな、、、とわかって面白かった。気づいていないかもしれないけれど、君はもう在校生じゃなくて、卒業生だよ。

どうしようもなくお腹が空いたので、わたしは「アイス買う」と言って、勝手にファミマに入った。そうしたら彼氏がノコノコついてきて、「パピコ食べようよパピコ」と言ってきた。わたしはひとりで2個食べたいから、貴様も自分で買ってひとりで2個食べろ、と言ったが聞かなかったので、仕方なくわたしのパピコを半分分け与えてやった。これが慈悲。わたしこそ女神。

プレゼントをいつ渡そうとグズグズしているうちに駅についてしまったので、駅でプレゼントを渡した。毎回これをやってしまう。なんかもっとこうさ、オシャレな夜景が見えるところとかで渡した方が良いんだろうけどさ、もにょもにょしてたら駅まで来てしまうのよ。「いらなかったら日常の他の用途に使っていただいて!」等、謎のコメントもプレゼントと一緒に押し付け、バイバイを言って別れてきた。

電車に乗っていたら、Tシャツにネクタイをつけた彼氏の自撮りと共に、「ありがとう」とLINEがきた。それを見てほっとしていたら、乗り換えの駅を通り過ぎてしまったから、全部彼氏のせい。就活に使えるように激烈スタンダードネクタイをあげたんだけれど、本当にいらなかったらどうしよう、と不安だったからまあ良かった。Googleのサイトに「ネクタイ いらない」とか出てくるのよ、どんなプレゼント入力しても「いらない」って出てくるから気にするのやめたけれど。でもネクタイって消耗するし、民間組だから就活でたくさん使うだろうし、別に怨念とかないし、などと供述しており。こうやって色々考えてしまうからプレゼントあげるのって苦手なのよ。そういうことをスーパーポジティブフレンド(前に一緒に高円寺行った子)に話したら、「わたし、ミニたこ焼き機とか絶妙にいらないものあげてるよ!」と言われたので、もう何が正解なんだかわからない。早く絶滅してくれこの文化。

4月くらいに電話したとき、ちいかわのうさぎの壁紙を彼氏に送った。「あげるよ」とわたしが言ったら「イラネイー」と言っていたのに、今日チラッと見えた彼氏のスマホの壁紙がうさぎだった。わたしがあげたやつ、ちゃんと壁紙にしてるの可愛いね。

次は一緒に花火を見に行く。汗ばんでしまうから夏が嫌いだったけれど、彼氏が「夏が好き」だと言うから、好きになれたものね。



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