運動会
運動会が好きです。厳密に言うと、”運動会”と呼ばれる会の中で行われる活動と、それに至るまでの経緯が好きです。
いきなり冒頭と正反対のことを言いますが、”運動会”というネーミングはキライです。そこには保育の意図や子どもの思いではなく、”それを見に来る大人のための要素”が限りなく大きいからです。
なぜ運動会をするのか
これを真剣に考えている施設は、案外少ないのだと、同職に就いた知人などと話していても感じます。
〇体を動かす心地よさを十分に味わう。〇友達と一緒に活動する中で、その充実感や連帯感を味わう。〇自分なりの目標に向かって挑戦しようとする。
このあたりが、「運動会のねらいは?」と尋ねられた時に挙がりやすい文言でしょうか?
では、「そのねらいは運動会じゃないと達成できないのか?」と質問されたら自信をもってイエスと言えるのでしょうか?
偉そうに問題提起をしていますが、私は残念ながらできません。
頑張って説明しようとすると、説明のどこかで子どもではなく、その保護者が主語になる理由が出てきてしまうからです。
より直接的にいうと、運動会の中でよく行われる演技、リレー、運動遊具など、子どもに対してのねらいは前提にしつつも
「保護者からはどう見えるだろうか?」
「保護者からの期待に応えられるだろうか?」
「保護者からクレームは挙がりづらい内容(展開)であろうか?」
という要素が検討段階で含まれることが多いのではないかと思います。
それでも、楽しい活動ではあります。
私たちの仕事の教科書とも言える保育所保育指針や教育保育要領などには
行事は子どもの生活に負担のないように~
というような文言があります(しっかり確認せず思い出した文字面で申し訳ない!)。気になる方はチェックしてみてください。
これだけは断言できますが、保護者の期待が高い施設であればあるほど、この文言からは限りなく離れた活動の展開がなされています。
ですが、活動自体は楽しくできます。
体操、リレー、集団演技、運動遊び、パラバルーン、玉入れ・・・、多くの子どもにとっては楽しいことがたくさんあります。
あとは、極端に言えば運動会の過程や当日に「やりたくない。」と思った子どもがいたとして、保護者のためではなく、その子のことを思って「いいよ。」と言えるような活動になれば、言うことなしなのかな、と思います。
ちょうど、幼児教育施設の多くが運動会の季節です。
同職の方も、保護者の方も、近隣の方も、その運動会が誰のためのものかを一度考える機会を持ってみてもいいかもしれませんね。
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