人を傷付けるためには理由が必要だ。
けれど、人を助けるのに理由はいらない。
人を疑うためには理由が必要だ。
けれど、人を信じるのに理由はいらない。
人を壊すためには理由が必要だ。
けれど、人を育むのに理由はいらない。
人が安らぐためには理由が必要だ。
けれど、人が怖（おそ）れるのに理由はいらない。
人を裁くためには理由が必要だ
けれど、人を許すのに理由はいらない。
人を憎むためには理由が必要だ。
けれど、人が学ぶのに理由はいらない。
過（あやま）つためには理由が必要だ。
けれど、省察するのに理由はいらない。
行動するためには理由が必要だ。
けれど、迷うのに理由はいらない。
前に進むためには理由が必要だ。
けれど、後ろに退くのに理由はいらない。
歩み続けるためには理由が必要だ。
けれど、立ち止まるのに理由はいらない。
努力するためには理由が必要だ。
けれど、諦めるのに理由はいらない。
人を変えるためには理由が必要だ。
けれど、人が変わるのに理由はいらない。
人を誑（たら）すためには理由が必要だ。
けれど、人が誠実であるのに理由はいらない。
自立するためには理由が必要だ。
けれど、孤独であるのに理由はいらない。
健康を失うためには理由が必要だ。
けれど、苦しいときに休むのに理由はいらない。
人と繋がるためには理由が必要だ。
けれど、人と関わるのに理由はいらない。
人を絶つためには理由が必要だ。
けれど、人と人とが相互作用するのに理由はいらない。
人を選ぶためには理由が必要だ。
けれど、希望を創（つく）るのに理由はいらない。
人を抑圧するためには理由が必要だ。
けれど、人を支えるのに理由はいらない。
人を殺すためには理由が必要だ。
けれど、人を生かすのに理由はいらない。
傲（おご）るためには理由が必要だ。
けれど、託（たく）するのに理由はいらない。
目的を歪（ゆが）めるためには理由が必要だ。
けれど、方法を外れるのに理由はいらない。
志（こころざ）すためには理由が必要だ。
けれど、死に狂うのに理由はいらない。
知ることを拒むためには理由が必要だ。
けれど、無知を知るのに理由はいらない。
存在を否定するためには理由が必要だ。
けれど、実様を受け容（い）れるのに理由はいらない。
妄信するためには理由が必要だ。
けれど、想像するのに理由はいらない。
差別するためには理由が必要だ。
けれど、抱き締めるのに理由はいらない。
喪失するためには理由が必要だ。
けれど、創るのに理由はいらない。
産むためには理由が必要だ。
けれど、生きるのに理由はいらない。
息をするためには理由が必要だ。
けれど、死ぬのに理由はいらない。
死なざるを得るためには理由が必要だ。
けれど、死なざるを得ないのに理由はいらない。
自殺をやめるためには理由が必要だ。
けれど、自殺を遂げるのに理由はいらない。
人に無関心であるためには理由が必要だ。
けれど、人を愛するのに理由はいらない。
忘れるためには理由が必要だ。
けれど、書くのに理由はいらない。
満ち足りるためには理由が必要だ。
けれど、苦しむのに理由はいらない。
自助至上主義であるためには理由が必要だ。
けれど、不合理と不如意の戦争に圧（お）され死ぬのに理由はいらない。
努力が必ず報われるためには理由が必要だ。
けれど、努力が必ずしも報われないのに理由はいらない。
生活保護受給者を非難するためには理由が必要だ。
けれど、あらゆる社会において、生活保護を始めとする社会保障が必要不可欠であるのに理由はいらない。
戦争を受け容れるためには理由が必要だ。
けれど、戦争と戦争をするのに理由はいらない。
目的を全（まっと）うするためには理由が必要だ。
けれど、必要なあらゆる方法をもってするのに理由はいらない。
苦しみを克服するためには理由が必要だ。
けれど、苦しみから逃げるのに理由はいらない。
困難と闘うためには理由が必要だ。
けれど、困難を和（やわ）らげるのに理由はいらない。
他己責任とするためには理由が必要だ。
けれど、力尽きるのに理由はいらない。
排他するためには理由が必要だ。
けれど、ただ、存在することにのみ尊厳を観（み）るのに理由はいらない。
尊厳を犯すためには理由が必要だ。
けれど、自身を含む一人でも多くの生活と命を守るのに理由はいらない。
社会を批判するためには理由が必要だ。
けれど、構造を遺（のこ）すのに理由はいらない。
人に光があるためには理由が必要だ。
けれど、人が光であるのに理由はいらない。
そして、
ほんの少しでもいいから、生きることを楽にするのに理由はいらない。
だから、
理由のない人で私はありたい。
【 さ よ う な ら 】
私が自殺を遂げる前にサポートしてほしかった。