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"Start up" 2023年の総括
毎年、自分による自分のためのマインドセットとしてテーマを設定し、そのテーマに沿って、1年間の振り返り、学びや思考変遷の言語化等、自らの現在地の把握に努めています。
※FYI:初投稿からのテーマの遷移と、主な出来事はこちら
2016年:挑戦(大学2年、インターン開始)
2017年:飛躍(大学3年、休学してビジネスをガチり出す)
2018年:着地(大学3年後期で中退決意、前職に入社)
2019年:突破(前職で執行役員に、スタートアップ経営最前線へ)
2020年:変革(前職退職、ファンズ入社&Game Caangers創業)
2021年:再起動(ファンズ経営企画立ち上げ&室長に、自社でも事業拡大)
2022年:切り拓く(ファンズでは執行役員に、IVSに本格関与開始)
2023年:Start up
2023年の総括
2023年は「Start up」というキーワードを掲げ、主に自身のグローバル化とスタートアップに対して深く、強く関与するというミッションを掲げていました。その軸に準えて、今年のハイライトをまとめます。
■1-2月
・ファンズで、総額36億円のシリーズD資金調達をクローズ。調達氷河期とも言える過酷な環境の中で、着金が先か、自分の胃に穴が開くのが先かで、ギリギリ勝利を納めた(加えてファンズでは成長資金の融資総額が300億円を突破)
・期限切れだったパスポートを再取得。今年1カ国目のオーストラリア(メルボルン、シドニー)にワーケーションで単身渡航(2週間程度)し、念願のシェアオフィス帰りにCo-workerと共に飲みに行くイベントを達成
■3-4月
・ファンズでは期末に向けて来期以降の計画策定および事業・組織再編等の取り組みを推進
・IVS2023 KYOTO始動。伝統的に招待制を貫いてきた中で、NEXT CITYという非招待型企画を立ち上げ、その企画責任者を務めることに。
■5-6月
・ファンズでは組織再編が完了し、6月1日より執行役員 経営企画室長から、CFO コーポレートマネジメント本部長に異動。従来のミドルオフィス+経営企画、人事の管掌領域から、ミドル・バックオフィスの全体を管掌。
・IVS NEXT CITYのイベントサイト公開。総勢30名程度のチームが発足し、数十セッションの企画・調整、数百名の登壇者セッティング等、いよいよ佳境を迎える。
・2カ国目のフィリピン(マニラ、ボラカイ)にプライベート渡航。治安が極めて悪い国の実態を体感するとともに、初めて水にやられてお腹を壊す。
■7-8月
・8月度の定時株主総会にて、正式に取締役を拝命。管掌範囲は同様で、取締役CFO コーポレートマネジメント本部長に変更。
・IVS2023 KYOTO無事閉幕。当初目標だった総勢10,000人の参加を達成し、名実共に国内最大のスタートアップカンファレンスへ。NEXT CITYを通じて、かけがえのない仲間ができ、新たなステージに向かうことに。
・3カ国目の台湾、4カ国目の香港、5(4.5?)カ国目の中国(上海)に渡航。国際的な金融都市である香港の金融市場としての完成度の高さに驚きつつ、中国のデジタルネイティブ(OMO)な生活体験で、いかに井の中の蛙だったのかを思い知り、Horizontalに社会を豊かにするサービスを作ろうと決意。
■9-10月
・ファンズでは、7月頃に発表された財産評価基本通達に基づく、税制適格ストックオプションの権利行使価額に対するセーフハーバーが明確化されたことで、当社のSOおよび報酬戦略も再設計。国内でも最速に近いスピード感で無事再割り当てが完了。
・6カ国目のタイ、7カ国目のシンガポールに渡航。タイでは観光都市として発達するための国家建立や街のインフラを学びつつ、シンガポールでは資本市場の権化を見た如く、色んな意味でレベルの違いを思い知り、やってることの桁を変えていかねばと焦燥。その合間で人生初のF1レースを観戦。
■11-12月
・ファンズでは、インパクト志向金融宣言に署名したり、個人においてもインパクト投資界隈に多数参加させていただく中で、ファンズの金融機関としての価値や真価を問い直しながら、新たな事業体として新会社をいくつか設立(これはまた時が来た時に発表します!)
・CFO向けイベント、経営者カンファレンス、関係会社内での社内勉強会への登壇や取材対応等、全国津々浦々と渉外的に立ち回り、ファンズの認知度向上および事業のオポチュニティ、ネットワーク拡充に奔走
という1年間でした。書いていて思いましたが、今年も大怪我や健康問題を起こさずによく走りきれたなと、まずは自分の身体を労りたいと思います。笑
一方でメインであるファンズの活動に加えて、IVSや海外でのワーケーション、エコシステムに関係する機会への参加等も多岐に渡って取り組ませていただくことができたのは、何より活動を支えてくださっているチームメンバーや、各会で集った仲間達、応援してくださっている関係者の皆さまのおかげだったと痛感しております。
改めまして、この場を借りて感謝申し上げます。
特にIVS NEXT CITYは、自分がこれまで信じてきた未来を具現化するような挑戦をさせていただく機会となり、自分史においても決して忘れることのないようなかけがいのない経験となりました。
2024年の方針
ロジックモデルの導入
2016年から取り組んできた1年単位の総括と目標設定ですが、これはこれで今後も勝手に継続しつつ、今年1年を通じて、自分の長期的に取り組んでいきたいテーマや方向性を考えることが多くなり、現時点で思考できる範囲で前川のロジックモデルをこのタイミングで作成してみました。
![](https://assets.st-note.com/img/1704291377837-YAUoZAOVO1.png?width=1200)
■ロジックモデルとは?
最近自分もインパクト投資、評価の世界に近いところにいるので、このフレームを当然に使っていますが、初めて見る方も多いと思いますので、一応ロジックモデルとは何かという文献を置いておきます。基本目的としては目的(アウトカム)の論理的構造を可視化し、その施策の評価するツールです。
https://www.mext.go.jp/a_menu/hyouka/kekka/06032711/002.htm
まだ洗礼化しきれておらず、やや公開はお恥ずかしいところもあるのですが、成し遂げたいことの要素は、一貫して盛り込みきれたという自信もついたので開示します。
Outcome(最終目標)
一人ひとりの楽しさと社会貢献の結節点で生み出されるまっとうな富を最大化し、それらが道義的な目的に対して最大利用されることで、社会的幸福と経済成長の両立を果たす。
Outcome(中間目標)
精神的に満たされる社会が実現し、利他的な活動者が増える
社会貢献が富を最大化する行いになる
富が道義的な目的に再分配される
Outcome(初期目標)※ここは結構まで変わりそう
趣味の仕事を見つけられる人が増える
一人ひとりの強みが生かされて、生産性が向上する
義を重んじ、忠恕な心持つ人や組織に、適切な富が分配される
ソーシャルインパクトと利益成長(リターン)がアラインする
この整理にあたって少しだけ解説します。
自分の思想のベースとなっている論語に、以下の言葉があります。
『子曰、知之者不如好之者、好之者不如楽之者』(子曰く、これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず)
直訳すれば『理解することは、愛好することの深さに及ばない。愛好することは、楽しむ境地の深さに及ばない』という意味であり、この考え方に通じて、楽しむを"趣味"という概念と一致させ、趣味(という概念)と実業や仕事(社会活動へのインプット)を結びつけることで、その取り組みに対して、その人のらしさや強み、こう在りたいという物事をより良くするための正のエネルギーが投入された、より社会貢献性の高いアウトプットが生み出される循環を創っていきたいと個人的に考えています。
また、身の回りで利他的な目的を果たすべく、自己を犠牲にしても戦っている最高で素敵な方に沢山出会ってきましたが、その人たちが成すことで救われる命があるのは明白である一方、それを取り組む人自身の幸せが軽視されることはあってはならないと強く思い、社会貢献というアウトプットの条件として、個人的には一人ひとりの楽しさ=趣味というベン図の重なりは損ないたくないと考えた次第です。
また、価値観の中に、さらに以下の言葉を定義しています。
理想的な経済活動とは、まっとうな仕事や道徳的な取り組みによって生み出される富を築くことと、それを同じく良く使うこと
これは渋沢栄一さんが残した『論語と算盤』の一説に書かれている示唆になるのですが、一見当たり前のように感じつつも、個人的には衝撃的を受けた一文でした。
大抵の場合で、資本市場原理と社会課題解決は二元論で語られ、それぞれが対抗的なスタンスを取るシーンを幾度と見てきましたが、新しい資本主義で提言されている通り、本来は従来の資本市場の仕組みに対して、3次元的に社会課題解決とそのインパクトという指標が投入され、そのミックスによって経済活動の良し悪しが評価されるものであると個人的にも共感しています。
一方で実際問題はどうなのか、というレイヤーから考えてみると、なかなかその3次元的なミックスで物事を評価されるには至っておらず、やはり出元が同じであれば原理は大きく変わらない状況です(※とはいえエーザイの柳モデルやHBSのインパクト加重会計モデル等、市場投入はスタートしており、一定程度は時間が経てば解決するとも思っています)
極端な例を言えば、倫理を無視しても利益を大きく生み出す行いが、資本市場においては評価されるという構図から現状は脱出しきれず、その力学が義や忠恕を軽視するような商業活動に繋がっていると感じることがあり、アンチテーゼ的に「富を稼ぐ」という行為自体に内心では抵抗感を感じていたのです。
しかしながら、引用した言葉に出会う中で『まっとうな仕事や道徳的な取り組みによって生み出される富は、まっとうに稼ぐべし』というような示唆が語られており、加えてそこで得た富を同じように、道義的な目的で使うことで経済は成長するし、必要な社会課題解決に対して資金が循環することで、結果的に本質的な3次元的解決が行いうるのではと、浅はかなりにも個人的には確信することができました。
これからはまっとうな事業や取り組みによって、まっとうに富を最大限稼ぎ出し、それを躊躇いなくガツガツ使っていくことを目指したいと思います。
、、、
これらの思想を経て、再掲となりますが、最終のOutcomeとして当分は以下の目標を置いて活動を行っていきたいと思います。是非共感いただけたり、同じ方向性を目指している、という方がいましたら優先的に何かGiveをしたいと思いますので、お気兼ねなくお声がけください!
Outcome(最終目標)
一人ひとりの楽しさと社会貢献の結節点で生み出されるまっとうな富を最大化し、それらが道義的な目的に対して最大利用されることで、社会的幸福と経済成長の両立を果たす。
2024年のテーマ
さて、毎年のように長くなってしまいましたが、今年2024年のテーマを発表したいと思います。
今年のテーマは 『投資』 です。
ロジックモデルを用いて、自分の哲学がかなり具体的に示すことができました。ここからは愚直に領域に対して投資を行っていき、最終的に目指すリターンを創出(回収)するフェーズとなりますので、改めて『投資』というテーマを置くことにしました。
特に以下の領域に対して、今後はプライベートマネー・リソースに加え、事業としての結節点があれば本業でも投資していきたいと思いますので、壁打ちからご相談まで是非お気兼ねなくご連絡ください!
1. 概念的趣味と実業を結節されるための取り組み
e.g. アントレプレナー輩出・育成、主体性教育、異種界隈の人材マッチング(産官学)等
2. インパクトファイナンスの開発に関する取り組み
e.g. インパクトデット、インパクトIPO、ESGの"S"≒人的資本の評価、モデル開発等
3. スタートアップファイナンスの金融課題解決
e.g. ステージ/セクター単位の調達環境整備、リスクマネーの多様化、流動性向上、バーティカルエコシステム開発等
またファンズの本業においても同様に、今年から新NISAが始動し、より日本全体の資産運用、つまり投資の高まりは期待されることとなります。これはファンズが目指す世界においては、千載一遇のチャンスでもありますので、時代の波に乗り遅れることなく、国民的な経済不安の解決に向けて、本物のスタートアップ、プロダクトに仕上げていきたいと思います。
2024年は年初早々から、次々に暗いニュースに包まれており、他に例を見ないような1年となりそうですが「大物よりも、本物に」という信条をもち、揺るぎない志を大切に邁進して参りたいと思います。
今年もどうぞよろしくお願いいたします!
前川寛洋
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