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お腹をこわした時どうするか ~インドネシア編~

インドネシアではインドネシア人でもお腹をしょっちゅうこわします。日本人であればなおさらこわしますので、結構身近にある問題です。
交換留学生を集めた説明会では、「インドネシア人とあなたたちは腸内微生物が違うので、腸内の微生物が入れ替わる過程で下痢をするのだ。」と司会者が解説してくれました。

わたしが最初にジャカルタに駐在したとき、わたしも妻も当然のごとくお腹をこわし、タケノコクリニックに行ったら、タケノコ先生から「ウェルカム トゥー インドネシア!」と言われました。
これであなたもインドネシアの一員だね、という感じです。皆が通る道なんです。当時は2~4週間でこの症状が現れると言われていました。

今回の留学で1か月以上経過したわけですが、これまでに何度も軽い下痢症状は出ています。そのたびに初期対応をしっかりして直しているので重症化や長期化は今のところしていません。

どのような対応をしているのか、当時のタケノコ先生の教えそのものになってしまいますが、皆さまにも共有したいと思います。
家族にお腹は大丈夫かと聞かれ、今のところ大丈夫と答えつつ、確かにうまいこと対応しているなと自分でも思ったのがきっかけです。


■ お腹がゆるみ始めたら、揚げ物と炒め物は食べない。

お腹がゆるむ原因は、わたしの場合ほとんどの場合ローカル食です。腐ったものを食べたわけではなく、胃腸に負担のかかるものを食べたということです。
具体的には脂っこいもの(パダン料理系、あるいは揚げ物)、辛い物(これもパダン料理系)、べとべとの油でいためたもの、この辺を食べ続けるとなります。スープ系でもソトバタウィなどのココナッツ系は負担が大きいです。

こういう状態になったときは、おかゆか袋麺を食べます。
おかゆはフリーズドライでインスタントおかゆにしたものが売っており、意外にいけます。Super Buburという商品名です。

一袋3,500ルピア(30円くらい)

また日本のうどんやラーメンを切らしている場合は、袋麺のAyam Bawang味が日本の「サッポロ一番塩ラーメン」に近い味で、刺激が少ないのでおススメです。インドミーでもスーパーミーでも大丈夫。

一袋3000ルピア(30円くらい) 昔は700ルピアだったんですけどね。

外食でも当然Bubur(おかゆ)です。

■ 完全に下痢になってしまったら、いったん食事を抜く。

タケノコ先生に教わりました。腸が機能を停止してしまっているので、食べても無駄で全部でてしまうだけ。いったん胃腸を空っぽにしてしまうのが一番とのこと。
特に腐ったものを食べたときなんかはこのやり方が当てはまります。

■ とにかく水分を補給する。ポカリスエットを大量に飲む。

腸が機能を停止しているということは、腸が水分を吸収する能力も極端に低下していることになります。よって、体の水分がどんどん失われていっています。
効率は悪いものの、水分を少しでも吸収させるため、水よりも吸収しやすいポカリスエットを飲みます。ヤシのジュースでも大丈夫ですが今やポカリスエットの方が安いので、わたしはポカリスエット派です。
大塚製薬さん、インドネシア法人を大成功させてくれてどうもありがとうございます。

■ 腸の機能が回復しているかの目安は、おしっこが出るかどうか。

おしっこが出るようになれば、だいぶよくなってきています。
腸が水分を吸収できなければ、全部下痢で出てしまいます。排出する水分がないので、おしっこはほとんどでなくなります。
おしっこが出るということは、徐々に腸が機能を回復しおしっこに使う水分を腸から吸収しはじめている証拠です。

■ 回復食はおかゆか、茹ですぎてのびのびになったラーメンまたはうどんを具なしで食べる。

具は入れないでください。肉や野菜は消化するのが大変なので、炭水化物のみにして最低限糖質を得るようにします。
タケノコ先生は塩せんべいもおススメと仰っていました。でもインドネシアはいいせんべいが売っていないんですよ。

■ 激しい下痢が何日も続いて治らないときは、はやめに病院にいって点滴を受ける。

とにかくはやめに点滴をうけてください。体の水分が失われ脱水症状が起きかけていますので、点滴により水分を直接体内に吸収させるのが効果的です。
わたしも前回駐在していたときは3回(たぶん)点滴を受けています。
いずれも乾期から雨季になるタイミングでした。
最初から今日は点滴をしようと計画し、午後の予定を入れずに受診に行きます。点滴は2時間かからず終わった記憶があります。
点滴を受けた日は、夕方6時くらいになっても通常の午前中くらい元気なので、一瞬今日は調子がいいなと錯覚するくらいパワーがみなぎります。

一種のドーピングですね。やったことはありませんが。

■ 薬は飲まないの?

あれっ?薬は飲まないのかな?途上国によくある強力な抗生物質やセメントのように下痢を固める薬剤とか来ると思っていたんだけどな、というバックパッカー(インド界隈)上がりの方々、わたしは飲みません。
わたしは風邪をひいてもうがい薬くらいで飲み薬は使いません。なので現地の薬のことはよくわからないんです。
お医者さんから抗生物質と胃薬(抗生物質は強いので胃が荒れやすくセットで出ることが多い)、整腸剤を処方されても飲まずに全部捨ててます。お医者さんすいません。
整腸剤は飲んだことがあると思います。たしか海外出張で長時間飛行機に乗らないといけなかったので、薬の力に頼りました。

それでも薬が飲みたい方が大多数と思いますので、そのときはApotekと看板が出ている店に行ってください。Kimia Farmaが大手です。
わたしは風邪をひいてイソジンのようなうがい薬が欲しいと思いApotekに行き相談したことがあります。非常に親身になって相談に応じてくれました。

■ 予防策として水を飲むなとか氷に注意しろとかないの?

よく言われますね。生ものは食べるなとか、水に注意していたら氷にやられたから、氷には気をつけろとか。
わたしはあまり神経質にならない方がいいと思っています。わたしは生ものは食べますし、氷も気にしません。インドでも気にしたことはありません。さすがに出張中に生ガキを食べて怒られたときはやりすぎだったと反省しました。

そもそもみなさん海外でフルーツジュース飲みますよね。あれ冷たいですが、フルーツを冷蔵庫で冷やしているから冷たいんじゃなく、氷とフルーツを一緒にジューサーに入れて砕いているから冷たいんです。
なので、知らずに氷食べちゃってますからね。

病は気からと言いますが、疲れがたまらないようにして、ストレスをためずにリラックスしてよく寝ることが大事です。なんかまずいもの食べたり飲んだりしたんじゃないかなんて心配するのは精神的によくありません。
なによりも自分の体の抵抗力を上げることですね。

唯一気を付けた方がいい点があるとすれば、屋台の揚げ物は危ないということです。古い油にあたるというのが、わたしの知る限りインドネシアの食あたりで一番多いケースなんです。
インドネシア人は勘が働くので、この屋台は繁盛していないとか、あまり回転していなさそうだから避けた方がいいなと察知できますが、日本人はそうはいきません。
なので屋台の選択はローカルにまかせてください。

わたしがジャカルタに駐在していた時の話です。
インドネシア人の揚げ物好きと揚げ物屋台の多さを考えると、大量の廃油が出るだろうから、それを使ってバイオマス発電するのはどうだろうかと現地スタッフに話したことがあります。廃油を流さないようになって環境にもいいんじゃないかと。たしか日経の記事を見てひらめいたんだと思います。

スタッフは「廃油なんてインドネシアには存在しない。なんでか教えてやろう。まず高級レストランが新品の油を使う。廃油は中古品として安いレストランに流れる。安いレストランで使われたあと中古品として屋台に流れる。屋台の中でも流行っているところが先に使い、最後に流行っていない屋台に行き、最後はテンペや豆腐に吸収されてなくなる。」と言ってました。

お前らそんな汚い油を使ったテンペゴレンや豆腐ゴレンを俺に食べさせてたのか?という顔をわたしがしたんでしょう。すかさず「おいしい食べ物のエキスがしみ出した油だから中毒性があるおいしさなんだよ。おいしかっただろ?」とフォローしてくれました。

わたしが今まで会ったなかで、一二を争う優秀な人間で、ブラックユーモア好きでしたね。懐かしい。

日本に住んでいる限り、あまり関係ない話とは思いますが、海外に出かけたときの参考にしていただければと思います。


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