見出し画像

インドネシアの温泉その5【レンガニス温泉で泥湯を楽しむ 2023年11月】

バンドンの南50キロほどのところにある温泉で、有名な観光地「カワプティ」やお茶畑やイチゴで有名なチウィデイからさらに奥に行ったところにあります。

この温泉は日本でいう"地獄景観"を楽しみながら温泉も楽しめる場所です。
日本にこういう温泉があっても全く違和感がありません。むしろどこかにあるんじゃないかと思うくらいです。
例えるならば、地獄景観と泥が似ている後生掛温泉、ワイルドな露天+泥の蒸けの湯や藤七温泉(いずれも八幡平温泉郷)もイメージできます。

わたしはとても気に入りました。ただし遠いのに加え、公共交通機関がないのが難点です。

それではまいります。


■ レンガニス温泉への行き方

Grab経由で来た運転手と交渉して、わたしが温泉に入っているのを待ってそのまま連れて帰ってもらうことになりました。途中にある温泉にも1か所寄ってもらうオプション付きです。
30万ルピア(3,000円)になりました。

バンドンから50㎞ほど南にあり、バイクで2時間ほどかかります。今回はさすがにお尻が痛くなりました。
そして雨季に入ったせいか、今までで一番くらい風が冷たく感じました。とても涼しいです。

運転手の確保まで紆余曲折ありました。
まずGrabバイクがなかなかつかまらない。正確にいうと捕まるのですが、キャンセルになってしまいます。
おそらく、行先を見ずにOKしてしまい、あとから50キロも先の山の中に行かないといけないとわかりキャンセルしてくるのでしょう。

寮のスタッフたちは俺の知り合いに頼んでやるとあちこち電話をかけまくりましたが、誰一人OKにならない。忙しいとかバイクの出力が弱くて無理とか、いろいろな理由です。
結局Grabで見つかったので、Grabのアプリの力がどれほどすごいかということですね。やってきた運転手は寮のスタッフたちの知り合いでした。

温泉に向かう途中の景色はとても素晴らしいです。
Ciwidey(チウィデイ)を過ぎると森林帯を進みます。風がとてもひんやりして、日本の山道を走っているかのような感覚になります。
森林帯を抜けると、一面のお茶畑が立体的に山の上まで続いているのが見えます。すばらしい景色です。

前後左右お茶畑の景観を楽しみながら進むと、カワ・レンガニスの看板が左手に出てきます。 

Kawah=火口


そこを左折し、急な山道を登っていきます。

途中料金所のゲートがあるので、そこで料金を支払ってください。
温泉だけの場合、一人15,000ルピア(150円)です。わたしは運転手の分も払ったので30,000ルピアかかりました。

ここには東南アジア最大のつり橋があり観光名所になっています。入場料は温泉込みで10万ルピア(1,000円)。リフトもあるみたいで、露天風呂の上をリフトが通過してました。
たぶん景色は最高と思います。

温泉の営業時間は7:00-17:00。

■ レンガニス温泉の様子

料金所のゲートをこえ、さらに舗装されていない坂道を登っていくと、右手に大きな広場が現れ、ワルン(小さい店)が立ち並んでいます。
ここで運転手には待機してもらい、わたしは温泉に向かって進みます。
ちなみに携帯は電波が弱く通じないので、運転手と合流する方法はあらかじめ決めておいた方がいいです。

写真一番奥が入り口

温泉の法則の一つに、「よい温泉は下に向かって進むとある」というのがあります。今回もその法則通り、川の音を手掛かりに、道を下に進んでいきます。
なんとなく、川原毛大湯滝に向かう道のようです。
道案内は潔いほど一切ありませんでした。川の音と下の方から聞こえてくる人の声に注意していれば辿り着けると思います。

上から見るとまさに地獄景観。あちこちから湯気が上がっています。また、あまりきつくはありませんが、硫化水素臭がただよっています。

温泉好きとしては、かなりテンションがあがります。近づくと熱い蒸気がそこら中から噴き出していて、眼鏡が曇るほどです。
猛毒の硫化水素が出ている可能性もあり、若干心配になりましたが、好奇心の方がまさりあちこち見て回りました。

岩の下からボコボコと熱湯が湧き出ている。
泥の熱湯が大量に噴出している。〇〇地獄とか日本なら名前がつけられていると思う。

地面もかなりの熱を持っているのがわかるくらいなので、日本だと立ち入り禁止レベルじゃないでしょうか。
岩盤浴の施設を作ってもいいかもしれません。

大きな露天風呂があります。温度は場所によって異なりますが、38度から40度くらい。湯口に近づくと特に水面が熱いです。
ワイルドかつひなびた感じが素晴らしいですね。

湯口は50度近くあるが、広いので離れると温度が低くなる。

すぐ横にはインドネシア人が大好きな打たせ湯があります。
わたしは泥を塗りたくったあと、ここで洗い流したのですが、地面が熱くて驚きました。おしりをついてお湯を浴びるとお尻が熱すぎて耐えられないほどです。まさに尻焼温泉状態。

そんなに熱くない。40度くらい。

泥湯を楽しむ
ここを一番の楽しみにしていました。
ここの泥湯はかなりの高温で50度くらいあると思います。そのため、お湯につかるのではなく、泥をカップにすくってもらい自分で塗りたくる「泥パック」方式になります。

みやげやの小屋があり、そこのおばちゃんにお願いしてカップに泥を入れてもらいました。背中に泥を塗るのを手伝ってもらうのと、写真撮影を手伝ってもらいました。
いくらですかと聞いたら、あなたの好きな金額でよいと言われ10,000ルピア払いました。

このおばちゃんが泥湯の手伝いをしてくれる。

ここの小屋では湯の花、泥、鉱石が売られていて、値段を聞いたら15,000ルピアと言っていました。値段があってないようなものなので、もっと安くなるかもしれませんが、安いから買うというようなものでもないですし。

わたしはぜひ温泉卵をやってほしいと思います。箱根の大涌谷のように、多分真っ黒い殻になると思います。

露天風呂
泥を身体に塗ったまま歩いて移動し、滝湯で泥を洗い流したあと、仕上げに露天風呂に入りました。
深さは膝上くらいで浅めです。広さは直径15メートルほどありそうです。

わたしの背後の岩かげが、湯口からくる熱いお湯を避けられるためボウフラに人気のスポット。

お湯の中にたくさんのボウフラのような生き物がうごめいていて、強酸性でも育つように進化した蚊がいるのかと驚きました。
でもよく観察してみると、次第に元気を失いぐったりしているようなので、おそらく川の水に混ざって流れてきて温泉水に入ってしまっただけと思います。

泉質は「含硫黄 酸性泉」で間違いないでしょう。Phは2.5~3.0だと思います。
酸っぱさ、目の沁み方から、チアトル温泉ほど強い酸性ではありません。

■ レンガニス温泉の歴史

この場所は昔からスンダ人が集まる場所で、Uyut Saratus Bojol Tiluという人が宗教について語る集会所として使っていたと言われています(ネット情報)。
スンダ人がイスラム教に改宗する16世紀より前のヒンドゥー教の時代のことです。
温泉につかっていたかは不明ですが、聖水として扱われており、聖地としてイスラム教徒だけでなく遠くはバリのヒンドゥー教徒まで巡礼に来ると書いてありました。
1920年には3つの建物があったと言い伝えられています。いずれも宗教関連の施設です。

信仰と結びつくといえば青森の恐山を思い起こさせます。あそこも共同浴場がありますし、強酸性の硫黄泉で、ここと同じです。

看板くらい立てたらいいのにと思いました。たぶんここに観光に来るインドネシア人たちは、ここが聖地だと知らないと思います。そんな厳かな感じはまったく感じませんでした。
写真のポーズを決めながら子供のように大騒ぎしてましたからね。

わたしは最初、この温泉に「レンガニス地獄谷温泉」と勝手に命名しようとしていましたが、スンダ人とバリ人の聖地を地獄呼ばわりするのはまずいと思い、やめました。

■ 宿泊施設

料金所を越えて少し進むと右手にレストランかカフェのような建物が見えます。
Menginapと表示があったので宿泊も可能なんだろうと思います。キャンプやグランピングメインの施設かもしれません。
料金は調べていません。

ちょっと温泉から離れているのと高低差があるので、ここを拠点に頻繁に温泉に通うという感じではないですね。

インドネシアの温泉はバラエティー豊富で本当にすばらしいです。温泉ライフをインドネシアでも楽しめています。

次回は帰り道に寄ったエムテ温泉について書きますのでお楽しみに。

To be continued

この記事が参加している募集

#至福の温泉

4,546件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?