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インドネシアの島めぐり8日目 フローレス島内を東へ ラブアンバジョを出てルテンまでいく

ラブアンバジョにもう一泊して、前日のツアーで行けなかったリンチャ島に行くか迷ったものの、オオトカゲはもうたくさん見れたし、移動できる時に少しでも先に移動しておけという、わたしの中の旅ルールにしたがい、次の町にいくことにした。

皆さんマイルールをお持ちと思うが、わたしが決めているのは、①食べ物と飲み物は食べられる時に食べる、②移動できる時に少しでも先に進む、③トイレは行ける時に行っておく、の3つだ。
もっと美味しいものがより安い価格であるんじゃないかとか、もっと早い移動手段があるんじゃないかとか、もっと綺麗なトイレがあるんじゃないかと期待しては痛い目に遭う、という経験をしてマイルールに至った。
お昼ご飯は12時じゃないとねとか、出発はこの時間でこの町まで直行したいなど、こっちの都合で物事を進めようとしてもうまくはいかない。
何かしらハピニングが起きるのが旅というものだ。

仕事の海外出張でもバックパッカー時代のルールは生きており、一日に5回も食べて同行者から呆れられられていた。飛行機を乗り継ぐときにラウンジがあれば時間に関係なく食べるからだ。あと名物料理系も出会えばすかさず食べる。
「食べられる時に食べておかないと後で後悔しますよ。」といっても、後悔などしたことがないという人が多く、伝わらない。

ルテンについて

ルテンという町は、東西に長いフローレス島の左側(西部)にある内陸部の町で、マンガライという地域にある。町自体に何かあるわけではなく、ここを拠点に近郊の伝統的な村や、綺麗な景色を見るツアーに参加する場所だ。
マンガライ王国という勢力があり、スラウェシ島のブギス人やスンバワ島のビモ人の勢力下に入りながら王国を維持していた。

ラブアンバジョからバスで4時間かかる標高1200メートルの山の中にある。

わたしは当初ルテンは通過し、そこからさらに4、5時間先にあるバジャワという町まで行くつもりにしていた。
ところがバスが見つからなかった。クリスマスが近く、田舎からラブアンバジョに稼ぎに出ている人たちの帰郷と重なっているらしい。
そういえばクリスマスだったんだなと、急に日本にいた頃の生活との接点が現れ、引き戻される感覚がした。

移動手段については、ホテルの人が知り合いに片っから電話をしてくれて、プライベートの運転手が何人か乗せてルテンに行く席にわたしを入れてくれた。
バジャワにも行ってくれるのだが、ルテンで別の運転手の車に乗り換えていくので、バジャワ到着は22時か23時になる。
わたしは行ったことのない町に夜遅く着くのは避けるようにしているから、ルテンで1泊し新しい車を見つける作戦にしたのだ。

旅仲間の3人はここで別れることになった。
中国人はラブアンバジョでしばらく滞在してからロンボック、KLを経由し中国に帰国、フランス人はルテン近郊のワエレボという伝統的な家屋で昔ながらの生活を維持している村に1泊2日のツアーに出かけた。観光客が増えすぎ生活に支障が出て来たため、人数制限をする話が出て来ている場所で、興味のある人は早めに行っておくのが良いだろう。
「会うは別れのはじめとか、さよならだけが人生さ」という学生時代によく歌った人生劇場の前口上が思い浮かぶ。

2時の約束は2時45分となり、客はわたし以外に高校1年の女の子、母と2歳の女の子の親子連れの計3名。お母さんは高学歴で、バリのウダヤナ大学でインドネシア文学を専攻したと言っていた。
ぎゅうぎゅうづめを予想していたので拍子抜けだった。
車は見た目が古いばかりかエアコンが壊れているらしく、急に雨がザアザア降って来ても暑いよりはマシだと窓を全開にして濡れながら進んだ。

さらにショックだったのは、プライベートカーのはずなのに、運転手が道端で客を捕まえて乗せようとしていたところだ。"運転手よお前もか"、という気持ちになった。
結局誰も乗ってこなかったが、この運転手はバスの運転手より客の見分け方が下手なようで、人がいるだけでスピードを緩めクラクションを鳴らす。
クラクションはそういう時に鳴らすものじゃないと言いたかったが、インドネシア語でうまく説明できず、「あの人間は客じゃないんだから早く進め」と急かすしかなかった。

ルテンへの道は山に分け入っていく感じで、日本の旧国道を思い起こさせるような細くクネクネした道だった。結局一度もトンネルがなかったことからもクネクネさせざるを得ないことは明白だろう。

驚いたのは痛んだ箇所や土砂崩れの跡は見られたものの、全て道が舗装されていたことで、本当によく頑張っていると思う。
山の中にも関わらず集落がほぼ途切れず続いていたので、人口の多い場所を結ぶメインロードだからかもしれないが、こんな山の奥まで全て舗装するというのは大変だ。

フローレス島は乾燥している信じ込んでいたが、山の中に入ると湿度が高くなるようで、田んぼがそこら中にあった。斜面に棚田があるし、平地には全面田んぼが広がっている。

動物は水牛と普通の牛がスンバワほどたくさんではないがいる。
犬の数は明らかに増えている。イスラムは少数派でキリスト教徒が多い場所だからだろう。
鶏はいるがヤギの数は減った。

人間の顔つきは明らかに変わって来ていて、ジャワ島では少数派の顔つきが多い。また髪にウェーブがかかっている率も高まる。

車がホテルに着いたのは18時30分で、3時間半かかった。運転手はかなり飛ばしていたので早くついたようだ。
1泊朝食付100,000ルピアと安い。小さな女の子がいる若夫婦がやっているホステルで、できて6ヶ月と言っていた。
この日の客はわたしだけのようで、1人で4人部屋を使う。シャワーはたっぷりお湯が出て嬉しい。

夕食を食べに行きがてらホテルの周りを散策したら、真っ暗で驚いた。キリスト教徒が多い町なので、家をイルミネーションで飾っている家が多いのだが、街頭がほぼないのと店もそんなにないので、暗いのだ。

今日は早く寝て、明日早く目が覚めたら付近をまた散歩してみるつもりだ。

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