見出し画像

バンドン工科大学MBA留学 成績のつけ方について+自らの成績を開示する

間もなく留学して1年になるのに、成績の話をしていなかったことに気づき、今更ながら成績についてお話します。
わたし自身あまり成績に興味がない、いい成績だとしても今後利用価値がないため気にしてなかったのですが、若い年代にとっては興味のあるところだと思いますので書いてみます。

1.成績のつけかた

バンドン工科大学しかわかりませんが、上からA、AB、B、BC、C、Dとあり、Dが付くと落第です。
日本との比較でいえばAが優、Bが良、Cが可、Dが不可(わたしの大学の場合)かと思います。

成績の構成については、先生によって様々なのですが、ほとんどの場合以下のようになっています。
・中間テスト:25%
・期末テスト:25%
・ミニクイズ、グループワーク、個人提出物:20%
・授業への貢献:20%
・出席:10%
テストの比率は50%から多い時で60%です。

成績は絶対評価
85点以上をAとするというルールがあると聞いています。相対評価ではなく絶対評価ということですね。
相対評価というのは、例えば上位20%をA、次の30%をB、次の30%をC、残りの20%をDとかです。たとえ全員90点以上だったとしても、あるいは50点以下だったとしても、かならず一定比率のAからDが存在するということですね。

出席が足りないと減点される
ちなみに出席率については80%以上を求められ、足りないと減点対象になります。足りない人は、先生に欠席の正当な理由(体調を崩していた、家族の不幸など)を説明し、出席扱いに変更してもらうこともできます。
出欠を取ることをインドネシアでは「アブセン」と言います。英語のAbsentから来ています。

出欠は基本システム上で行いますので、1時間区切りくらいで先生がシステム登録すると、ポチっと出席を押すことができるようになります。一回の授業で3回押します。
気づいた人間が「アブセン!」と注意を促すと、みなハッと気づいてボタンを押す。そんな感じです。WhatsAppで「今アブセンやってるぞ」と回ってくるときもあります。

問題は、授業に出ていないのに別の場所から出席ボタンを押せる仕組みになっていることで、この不正をやった時のペナルティーはかなり大きいです。全授業を欠席したことにさせられる=成績にかなり影響あり、という結果になるようです。

わたしはうっかり押し忘れることがあり、100%出席しているのに、出欠率82%とかになっています。80%以上あればいいだろうと気にしていません。100%なくてもAはついていますので、あまり関係ないと思います。

出席は関係ないという先生もたまにいます。そういう時は自動的に100%出席になっています。

複数の教員による評価
バンドン工科大学の場合は、1教科を1人の先生が担当することは稀で、複数の先生が担当します。
どうなるかというと、複数の先生による評価で決まるということです。

多くの科目が少なくとも2つの分野で構成されており、1つ目の中間/期末テスト、2つ目の中間/期末テストと、最低4回はテストがあります。

ーーーーー
わたしの記憶では、こんなに成績のつけ方について細かく説明を受けたことはありません。時代の違いかもしれませんし、わたしが注意深くなったのかもしれません。インドネシアでは大学の成績はとても重要だとよく聞くので、そのせいかもしれません。

2.実際の成績

クラスメイトの成績を見たことがないので、甘いのか辛いのかはよく分かりません。
わたしの場合は今までの人生でとびぬけてよい成績になっています。
8科目中6科目でA、2科目でABです。GPAは3.89になっています。GPAは、A=4.0、AB=3.5、B=3.0、BC=2.5、C=2.0で換算します。早稲田のときもデュークのときも3.2とかだったと記憶しています。

ABになったのは意外にも1期目のFinanceと2期目のNegotiation &Decision Makingです。どちらも得意科目です。
Financeが悪いのは試験で凝りすぎたのが原因と思っています。Negotiation &Decision makingは、Negotiationは間違いなくAがついているはずなので、Decision makingでBがつけられたのだろうと想像しています。
Decision makingの期末テストは4問中1問ミスして間違えているので、純粋にテストでダメだったのだろうと思います。

この成績がどれほどのものなのか
これは分かりません。
ただ、GPAが3.5を超えるとCum Laude(成績優秀者)として表彰対象になると聞いています。
卒業年によって変わりますが、2023年10月の卒業式では、MBAバンドンキャンパス147名の卒業生のうち65名がCum Laudeになっています。44%がGPA3.5超ということは、成績は結構甘いかもしれません。
この時の主席の成績は3.99です。これも年によって変わります。

ご参考まで、以下の大学のニュースから情報を取りました。

https://www.sbm.itb.ac.id/2023/10/30/sbm-itb-graduation-celebration-attended-by-490-graduates-many-graduated-cum-laude-and-received-awards/

もう一つ学部が違うので何とも言えませんが、1年間交換留学できていた日本人の大学生に、日本とこっちでどちらが良い成績が付きやすいか聞いたら日本と言っていました。
学部はCivil Engineering(都市工学)です。
バンドン工科大学の場合、本当に厳しい選別を潜り抜けてきたのは学部生なので、競争が激しいのかもしれないです。彼の大学はMARCHと分類される大学の一角です。彼の英語力はまったく問題ないレベルですし理系ですから、語学のハンディーのせいとは思いません。

3.成績の発表までのプロセス

まず受けた授業についてのアンケートに答えなければなりません。
答えないと成績を見ることができないとされ、わたしは一度忘れていて後から書くことを特別に認めてもらい事なきを得たことがあります。

成績はオンライン上で見ることができます。

アンケートは講師の教え方、学習内容、大学としての設備やインフラ面に及びます。

わたしははっきりと批判も礼賛(らいさん)も書くタイプです。それは改善するチャンスと思っているからなのと、ちゃんとやった人とやっていない人が正しい評価を受けてほしいからです。
わたしは成績は関係ないし、仮にバンドン工科大学や批判された講師に恨まれようと、恐れる必要がない立場だから、より率先して書かないといけないと思っています。

一度、わたしからみてあり得ないだろと思う先生がいて、批判を書いたことがあります。普通は批判だけではなく良いところも書くようにするのですが、その時は批判だけにしました。それだけひどかったということです。
ABがついたDecision Makingの授業です。批判のせいでABになったのではなく、純粋のテストの点だろうというのはすでに述べた通りですが、改めて。

すると、わたしの意見を先生は読んだんでしょうね。そしてわたしが書いたのだと何らかの理由で分かったのだと思います。
3期目の最初の授業のときに、「Pak Makoto(Pakは敬称)、わたしのDecision makingの授業について何か意見はないか」と名指しで聞いてきました。
わたしはここはクラスのみんなの前でも明確にしておいたほうがよいだろうと思ったので、「不満があります。アンケートにも書きましたが、授業で期待していた内容がカバーされていなかったので、自分でテキストで読んで勉強するしかなかった。もっと心理学上のアプローチ、行動経済学のアプローチの理論を勉強したかったし、クラス内でも議論したかったです。」と言いました。

理屈上こうなるという合理的なDecision makingのみに絞り、しかも4理論しかカバーしなかったのです。
わたしの見るところ、こうなったのは講師が遅刻してくること(わたしが一番嫌いなところ)、1時間ほどで授業を切り上げ、その日の授業をテーマにしたグループワークを授業中にさせることが原因です。時間が足りなさすぎるのです。
普通の講師であれば、授業時間はみっちり使い授業をし、次の授業までに提出してこいとグループワークの宿題を出すものです。

先生は「基礎コースなので合理的な判断の部分のみカバーする方針だった。行動経済学のアプローチはとても面白く重要だが、専門分野の授業でカバーすることにしている」と説明していました。
わたしは、「じゃあなんで指定したテキストが行動経済学寄りだったんだよ。」と突っ込みたくなりましたが、黙っていました。

というのも、クラスメイトの大半の反応を見ると、「なにこいつ言ってんだ?カバー範囲は狭い方がいいに決まっているだろ、そっちの方が楽なんだから。」という顔をほぼ全員していたのです。わたしの学生時代はもっとひどかったので、彼らを批判などできません。

クラスメイトは皆若く、ビジネスで意思決定しなければいけない立場になったことがないから仕方ないことかもしれません。
しかし、意思決定がブレブレになるのは、たいていバイアスがかかってしまうからで、どういうバイアスがかかるのか、知識を持ち意識しているかで大きな差が出るんです。

逆にすべての材料がそろって理論的に意思決定できるなんて、現実には起こりえないことなので、理論として勉強するのは良いとしても、使うことはたぶんないです。
だめな経営者や役員の典型になりますよ。「分からないから決められない(要はこっちの調べが足りないと言いたい)」なんてすぐ言いますから。「そんなこと言ってたら、いつまでたっても決められないんだよ」と言ってやりたくなります。

4.まとめ

すいません。意図せずして批評部分が大半を占める文章になってしまいました。
経営といえば意思決定に尽きるので、がっかり感が強かったですね。

  • 成績の基準は明確で、事前にオープンにされ、実際の評価も基準に従って行われる。

  • 成績は相対評価ではなく絶対評価。

  • 成績のつけ方は甘い方かもしれないが、確信は持てない。

  • 授業後にアンケートに答える。答えないと自分の成績を見ることができないペナルティーを受ける。

以上となります。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?