「子どもの思考力を育てる秘訣」
「算数難問の解き方に必要な頭脳とは?」
思考力の発展に繋がるポイントをお話していきます。資料⑧をご覧ください。
① 数理論的に次の展開に繋げていく力を造り上げることができるか?
論理的にどんどん積み上げていくことができるかどうか。このことは入学試験の出題形式に如実に現れていることは先述の誘導形式、導入形式という形で述べました。それ故、低学年の間から計算の練習時にも「たしかめ」の練習をする。ただし、そのときに「工夫」をできる限り取り入れながら「たしかめ」を行うことがポイントになります。
例えば、引き算でしたら答えに引いた数を足せば元の数になるか、という裏返しの「工夫」をすることによって、いくらでも「たしかめ」における思考力、思考過程の錬成をすることができます。
② 何故そうなるのかという点を常に疑問点として持つことができる能力があるか?
能力というのは持って生まれた素質みたいに理解するのは誤りです。能力というのは「力」です。「力」は日頃のトレーニングの中でどの程度の大きな「力」を持ち合わせることができるようになったかということです。何度も何度も繰り返す練習の中で培った結果として持つことができるのです。
これは高学年の話ですが、算数が非常に優秀な子のノートを見ると、解き方や式、答えなど一連の流れが書いてある横に、間違っていても答えが合っていても「赤ペン」で大きくこんなことが書いてあります。「ここで間違ったのは○○○が原因なのだ」。計算過程で間違った場合には「繰り下がりでの計算ミスをしてしまったのだ」、とか「図形でもっと図を綺麗に書かなかったからとんでもないミスをしたのだ」のような一行コメントが書いてあるのです。これが非常に重要なのです。おそらくその子は次にその間違いをしないでしょう。考えに考えて考え抜いた結論です。自分の思考はもう一段階高いステージに上がっているのです。これが「思考力の錬成」です。そしてこれは学習や練習のルーティン化から生まれるのです。
「ルーティン化」というのは「能力のレベルアップ化」です。これは自然発生的に起こるものではありません。自分なりのトレーニングの仕方の中で培うものです。正にこれは練習の成果とも言えるでしょう。そして、そのことが「考える力(思考力)」に繋がっているのです。
③自分が出した答えは人(作問者)が何を試そうとしたのかが理解できているか?
私は今まで数限りなく問題を作り、問題を解いてきました。算数についてはかなりのインテリジェンスを持っている自負があります。問題を作問するときは受験生、生徒に何を問いかけるのかを意図や考えを込めて作成します。同様に入学試験に際しては作成者が込めたその意図や考えに受験生として寄り添うことができるかどうかが重要です。これは国語の教科指導では常識的な話です。
次回は国語力のレベルアップが算数の思考力のレベルアップにどう繋がるのかについて述べてみたいと思います。
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