アレック・ボールドウィン、銃誤射事故で遺族と和解
21年10月、映画の撮影中にアレック・ボールドウィン氏が撃った小道具の銃が誤発射して女性スタッフが死亡した事件で、ボールドウィン氏が遺族側と和解に至ったことが報じられています。
20代の女性管理者の責任は
この撮影現場では死亡事故の数日前にも2回にわたり誤射事故が起きており、銃の管理者の責任が問われていました。
この管理者は経験2作目の24歳女性で、業界における過去の重大事件を直接知らない世代でした。
その事故とは93年におきた『クロウ/飛翔伝説』におけるブランドン・リー死亡事故で、これを契機にアメリカの映画界は厳しい銃管理のルールを作ったのです。
今ではアメリカ映画の撮影現場に実弾が持ち込まれることは、絶対にありえないとされています(もちろんガイドラインが守られていない現場はあるでしょう)。
空砲で亡くなったブランドン・リー
ところでよく誤解されるのですが、93年に起きたブランドン・リーの死亡事故は実弾ではなく、映画用の空砲での撮影中に起きた事故です。
空砲でも近くで撃てば強烈な火薬性ガスが噴き出てくるもので、それが肌にかかれば「パウダータトゥーイング」という、まるで刺青を入れたかのような傷跡が残るほどです。
ブランドン・リー死亡事故では、このエネルギーにより空砲のカケラが射出し、それが命中して亡くなりました。
つまり、空砲だから安全というわけではないのです。今では空砲でも周囲のスタッフは防護服の着用が義務付けられているなど、厳重な安全基準が設けられています。
実弾だったのか、それとも空砲事故か?
ところでアレック・ボールドウィンの事故では、報じる媒体によっては「実弾」が発射されたと決めつけているものが当初は多かったのですが、結局実弾だったのか空砲事故だったのかがはっきりしません。
当初の報道では、警察から「実弾」との発表がないうちから実弾誤射と報じたものが多く、おそらくメディアも「空砲で死ぬわけがない」と思い込んでいたのかもしれません。
さらにこの事件では、弁護側が「誰かが撮影妨害のため実弾を紛れ込ませた」などと陰謀論まで語る始末でした。
前述したとおり責任者が経験不足の人物である上、事故が頻発していた問題の多い現場だったため、さらなる逮捕者含め捜査の拡大が予想されましたが、結局真相がはっきりしないまま、遺族の意向により和解に落ち着いた模様です。
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