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[ビジネス小説]未来へのプレゼン 第26話 勝ち負けじゃない

前回のお話

「OSAKA MIRAI 2025」

ここに行きついた慎吾の中では様々な思考が飛び交った上でのキーメッセージだった。

なんの変哲もない

なんの捻りもない


大阪

未来

2025


この3つのワードに込めた念いをどう表現するのか。


OSAKAMIRAI2025

OSA KAMI RAI 

正 神 来

和の国である日本において

神々が集う2025年。

それが大阪であり、

そこから未来へ続くことをストーリーとした。

それをさらにデザインに込めた。

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世界中から神々が集い未来を創り上げていく足跡を刻む。

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「今回のプロジェクトですが、大阪に行って55年前の大阪万博では人類の足跡を辿る旅を見てきました。

ここからの未来において人類は更に神の領域へと踏み込んでいくと考えます。

AIが進化し、人類がなし得なかったことが人工知能によって刷新されていく世界。

そして人類がこれから向かうべき方向や生き方、すべきことが見えてきます。

世界中のAIベースのプロダクトやサービス、文化の進化がそれぞれの国からもたらされ、それぞれの国の人々が神の領域を目の当たりにする大阪万博2025。

今回の宮部コーポレーションのパビリオンのキーメッセージにしたのは、

OSAKAMIRAI2025

ですが、これに込めた念いは

OSA-KAMI-RAI 2025という区切り方にちなみます。

『正』の読み方には『おさ』という読みがあり、それと『神』『来』で

OSA-KAMI-RAI 『正 神 来』として日本文化との融合を演出します!」

吉田の熱いプレゼンに内藤も身を乗り出す。

「続きを聞かせて。」

吉田は続けた。

「はい!宮部コーポレーションのパビリオンは、和の文化をモチーフに構成されます。
 今回のこのOSA-KAMI-RAI2025は神々が宿る住まいとして和建築をベースに展開します。

不動産業を営む宮部コーポレーションならではの平安期の書院造を現代風にアレンジしてテクノロジーと融合したNEW和建築がコンセプトです。

平等院鳳凰堂のようにまさに涅槃より神々が舞い降りて極楽浄土へ誘うかのようなパビリオンにします。

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また、このパビリオンでは期間中に宿泊ができるようなコンセプトで体感型にします。1泊料金設定してパビリオンで泊まれることに多くの方々の申し込みをアピールを兼ねそろえたパビリオンになると考えます。

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ここで体感できるのはNEW WA CULTURE。


NEW WA CULTURE = 和文化 × 世界視点 × テクノロジー


日本のあらゆる和の文化を世界から見た視点での切り口をベースにテクノロジーとの融合でメッセージを発信します。

多様性の時代において、伝統文化を受け継ぎながらも持続可能な文化にするにはターゲットは日本人だけではなく世界であるべきです。

世界の視点で何に対して和を感じるのか。

とことん相手欲を満たす和の文化の打ち出し方を盛り込んでいきます。


更に、大阪といえば商いの土地。

このパビリオンがビジネスの起点となるようなスタート地点にします。

期間中は日々宮部コーポレーションが主催で和文化を継続させるための後継者マッチングをサイト上で世界中に対してパビリオンで開催します。

更に新たな日本文化と世界をつなぐ新規軸のビジネスモデルについては宮部コーポレーションを筆頭に投資を行うプログラムを開催します。合わせてグローバルの投資家にもその模様を配信してその場で多数の投資案件へのジャッジがグローバルから取れるように準備を行います。

内藤さん!!これで、間違いなくコンペに勝利したいと思います!!」

内藤は吉田の熱いプレゼンを客観視しながらゆっくりと語る。

「吉田。

思い出せ。

勝ち負けじゃない。


お前が


ワクワクするかどうかだろ。」


吉田はすぐさま言い直した。


「すみませんでした!!

訂正させて下さい!!

とてつもなくワクワクする企画です!!!!!」

慎吾はこのワクワク感こそが、当時宮部社長に言われたことであり、

丸山部長から教えていただいたことであることを

自分がその場所に立てていることに心がジンジンと、まるで蟲が蠢いているかのように胸の真ん中あたりが震えていた。


『ワクワクしているか?』


これが本当の『ワクワク』であると確信した瞬間だった。



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