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合宿のはじまり

8月5日から合宿がはじまった。偶然低気圧のおかげで、毎日とても涼しい。
今回は10日間の合宿だが、5日間のみ参加する生徒もいる。
年齢は小学生から中学生まで。
はじまりは、中2・3が5名。小学生・中1が4名。
いつものスタッフ3名に加え、慶応SFCに受かった元生徒がスタッフとして参加している。

やりたいことを学ぶ

この合宿は自分のやりたい学習を中心に据えて、学習計画をともに立てて進めていくスタイルの合宿だ。
とはいえ、「やりたい」と言っても本当にそれが自分の能力を伸ばすために必要なことかどうかは判断が難しい。僕たちは子どもと対話しながら、そこに踏み込んでいく。果たして「やりたい」と言っていることが本当に彼の能力を伸ばすのか、もう少し効率的に伸ばす方法はないのか、あるいは別の方法がいいのか。
今回課題にしていることは何?と問うと、「数学をなんとかしたい」とか「英語が苦手だからできるようになりたい」とそれぞれ親と話し合ったのか、合宿へやってくる前にすでに自分の課題が何か考えて参加している。
だけど、数学の何が苦手なのか、数学が苦手だと思っているけど、本当は別のところ(言語能力とか)に伸ばしきれない原因があるのではないか、そういうことを突き詰めていくのが僕たちの仕事だ。

観察から生徒の「ツボ」を見つける

序盤、数時間観察しているとそれぞれ抱えている課題を解決するツボがわかってくる。
この仕事は鍼灸師に似ている。
上っ面をマッサージするだけではなく、完治に繋がり得るツボに針を一発さして状況を改善させる。
生徒の頭をよくする本質的なツボを探し出し、繰り返しそのツボを刺激する。
わかりにくいかもしれないが、自分たちのやっている仕事はこれが近いと思っている。
集団授業をベースにして同じことを一斉に子どもたちに伝えるのではなく、あくまで個人のアタマに適したやり方を探し出す。そのためには教師の観察する時間と生徒の意識的に改善しようとする時間が必要だ。この時間の共有によって、1週間に1回の家庭教師よりもさらに状況が改善する確率は上がる。

真面目なのに伸び悩む子

大人のいうことをあまりにもよく聞くせいで、成長しきれない子がいる。
真面目にやっているけど、できない子。
この子の場合、「聞き流す」癖、やっている感が身についていることを何とかしなければならない。話を聞いているようだが、真に理解しないで次へいく、集団授業では静かにしているから、話を聞いているようだが、理解しているとは限らない。本人は理解している「ということにしている」が、本当は不十分。そういうことがさまざまな場面で生じる。
先生の言われたとおり問題を解こうとしない。先生が言ったことが本当に自分ができるようになるために必要なことなのか考える。それからできるだけ速く、間違いなく解けるようにしている。なんでできないのかわかるまでやっている。さっきやった問題とどういう関連性があるのか、知っている。
そういう習慣が身につくように、しつこく繰り返しアドバイスする。

一向に霧が晴れない英語学習

英語をなんとかしたいが、何ができないのか、何がわからないのかわからないという生徒がいる。
中学英語の全体像をつかむために、時制と構造を把握させ、英文法と国文法を対照させる。英語とはいえ、文法の説明は日本語で書かれていて、部分的に国文法の用語を借りてきて説明している。しかも同時的に国語で国文法も習うから、両者がどれほど関連性があり、あるいは関連性がないのか、横断的に説明してもらうことは全くないから、混乱するのも無理はない。

しかし、中学生になって英文法をやっている子はボリュームが多いように思うが、コアになっていることはそれほど多くない。現在・過去・未来・進行形・完了形、それから5文型それらをまず理解すれば、全体をつかみやすい。
それから修辞的な比較、不定詞、現在・過去分詞、各品詞説明へと進み、部分把握のトレーニングを繰り返す。

中学生は全体が見えてないものだ。
たまに授業をさぼって聞いてなかったら、何の話をしてるのかわからなくなる、それでそのままずるずると全体をつかめないまま時が過ぎていく。
そんな子に部分的な単元の説明をしても理解することはできない。

英語学習の全体像をつかみ、今あなたここに立ってる、だからこっちへ進めと指南すれば、あとは自然環境を味方につけて、トレーニングに励むだけだ。(ここにもまた別の問題がはらむ可能性はあるが)


自分のミスに気付く

数学を何とかしたいという生徒がいる。
わからない問題の質問を受け付ける。それで大体問題が解消される子はまだいい。
なんで自分が間違えたのかわからない場合注意が必要だ。
自分のミスに気づかず、そもそも式の立て方を間違えている、省略しない方がいい計算式を省略している。ケアレスミスが多いのは、省略するところとそうでないところのか「緩急」を間違えていることが多い。
やり方が合っていると思っているが、実はそのせいでミスを助長している。そういう場合を逃さないように、観察する。
とはいえ、あまりすぐにミスだと断定せず、どういう意図があるのか対話して、相手の意見を聞いてから、反論するようにしている。
生徒の自尊心を傷つけないように、集中している状態を邪魔するような波風をたてないように、指摘したい。

流し読みする癖を何とかしたい

できたら教科書や解説書を自分で読んですすめてほしいが、その力がない場合もある。
読んでいるが、結局何が言いたいのか?どうしてそういうことを言うのか?など強く問いかけずに読み進めていると、頭に浸透しないまま時間を浪費するに終わることもある。それを防ぐために、毎朝希望者と音読を30分程度おこなっている。それで頭が活性化してから教科書を読むようにする。

それで幾分かマシになるが、まだ不足する場面も多いので、読み終わったら、どんな内容だったか質問している。答えられなければ、アウト。読み方を改善するように指示する。
マインドマップを書くか、マーキングするか、ただ眺めるのを防ぐように工夫させる。

各生徒ごとの状況を報告したいが、休み時間を利用して、いっきに書いた。
とりあえず今はこんな感じ。
この間に炊飯器が壊れたり、ハチの巣をスタッフで撤去したり、アクシデントはつきないが、全体の雰囲気はいい感じ。いつも以上に課題を早く終わらせる子も多いはずだ。

それにしても涼しくてとても過ごしやすい。
洗濯ものが乾かないことが心配だ。


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