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脳卒中リハビリ|脳卒中って何?|病態について




皆さんこんにちは!

理学療法士の前田です🤗




お客様より『脳卒中』に関するお問い合わせを多くいただきますので、今回は『脳卒中とは何か』についてご紹介させていただきます。





1.はじめに



『290,000人』

さっそくですがこの数字が何を意味しているかわかりますか。










この数字は、年間で脳卒中を発症する方の数を表しています。

滋賀医科大学の研究では、日本での脳卒中発症者は年間29万人と言われており、医療技術の発達により死亡件数は減少していますが、食生活の欧米化や生活習慣の乱れが原因となり、日本では4人に1人が『脳卒中』を発症していると報告されています。その半数以上の方に後遺症が残り、日常生活において介助が必要な状態となっています。


脳卒中は、年齢を重ねることで発症するものと考える方も多いと思いますが、近年では生活習慣の乱れや過度なストレスが原因となり、若い方でも発症する危険性が高まっています。


そこで、本日は第一弾『脳卒中とは?』について情報を書いていこうと思います。





2.そもそも『脳卒中』って何?

 脳卒中とは、脳の血管が詰まったり破れたりすることによって、脳が障害を受ける病気です。

脳の血管が詰まったり破れると、脳に血液が行き届かなくなり、酸素が不足し、栄養不足に陥ります。この状態が続けば、脳細胞(神経細胞)が壊死してしまい、様々な障害が生じます。この脳の血管異常による障害を『脳卒中』といいます。

 


脳卒中は、脳の血管が異常をきたした場合の総称で、その状態によって脳梗塞、脳出血、くも膜下出血に分けられます。





3.それぞれの病態について



①脳出血

脳卒中の症状のひとつです。 脳に張り巡らされた血管の損傷による出血が原因となり起こる病気で、多くの場合は激しい頭痛を伴い、半身の麻痺などを生じます。脳の血管が破れて血液があふれ出し、固まって「血腫」となって周囲を圧迫し、脳細胞を破壊してさまざまな症状を引き起こします。



②脳梗塞

 脳の血管が細くなったり、血管に血栓(血のかたまり)が詰まったりして、脳に酸素や栄養が送られなくなるために、脳の細胞が障害を受ける病気です。 脳梗塞は詰まる血管の太さやその詰まり方によって3つのタイプに分けられ、 症状やその程度は障害を受けた脳の場所と範囲によって異なります。


🔶ラクナ梗塞

ラクナ梗塞は、脳の深い場所に発生する直径15mm以下の小さな脳梗塞です。「ラクナ」は、ラテン語で「小さなくぼみ」という意味があります。

脳の奥には、太い血管から枝分かれして脳の深い部分に酸素や栄養を送り届ける穿通枝(せんつうし)と呼ばれる細い血管があります。ラクナ梗塞は、この穿通枝の先が詰まって引き起こされる高齢者や高血圧の方に起こりやすい疾患です。


🔶アテローム血栓性脳梗塞

アテローム脳梗塞は、ドロドロした粥状のアテロームで動脈が狭くなることが原因で生じます。アテロームとは、皮膚の下に袋状の構造物(嚢腫)ができ、本来皮膚から剥げ落ちるはずの垢(角質)と皮膚の脂(皮脂)が、剥げ落ちずに袋の中にたまってしまってできた腫瘍の総称です。

脳内の太い動脈や頚動脈で起こりやすく、血管の壁にコレステロールが溜まることで動脈硬化が生じて血流を悪くしてしまいます。元々は欧米に多いですが、食事の欧米化により日本でも増加傾向にあります。動脈硬化の危険因子である高血圧、高脂血症、糖尿病などを持っている中高年に起こりやすい脳梗塞です。


🔶心原性脳塞栓症

心原性脳塞栓症は、心臓の中にできた血栓が脳へ向かう頚動脈や椎骨動脈を通って、脳の血管まで到達することで血管に蓋をするように閉塞させてしまうことで生じます。

脳内の太い血管を詰まらせるため、突然発症して意識障害など重篤な神経症状を招き、死に至ることもある危険性の高い脳梗塞です。

心房細動などの不整脈や心臓弁膜症などの心疾患がある方に起こりやすいです。近年、高齢者の心房細動による脳塞栓症が増加傾向となっています。



③くも膜下出血

脳の太い血管にできた脳動脈瘤という『こぶ』が破れ、くも膜下腔に出血する病気です。 くも膜下腔は、脳と脳を包んでいるくも膜の間の隙間のことで、脳脊髄液で満たされています。 脳動脈瘤ができやすいのは、脳の血管が二股に分かれているところで、破れると大量の出血が急速にくも膜下腔に広がって脳全体が圧迫されます。





4.おわりに

 一度脳梗塞を発症した方は再発しやすく、発症後1年で10%、5年で35%、10年で50%の方が再発することが報告されています(厚生労働省HP抜粋)。脳卒中を予防することはもちろん、再発予防のためには日々の食事の管理や適度な運動を心がけることが大切です。




最後まで見ていただきありがとうございました。


次回は脳卒中で診られる症状やリハビリなどをご紹介させていただきます。



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