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保護者会について

当クラブの歴史と保護者会の流れ

特定非営利活動法人 前橋中央硬式野球俱楽部は、平成元年に設立された前橋ジャガースという中学生硬式野球クラブチームからスタート、その後、前橋中央ボーイズとチーム名を改め歴史を重ねてきました。
その前橋中央ボーイズの運営スタッフが必要性を感じて平成19年(2007年)に特定非営利活動法人(NPO法人) 前橋中央硬式野球倶楽部を設立しました。
必要性とは…
一番は、お金や資産を管理する際に責任の所在を明確にしていかなければならいということです。
任意団体の場合、マイクロバスを所有するにしても、練習場の土地をお借りするのも、代表者さんなどの個人名義となることが多いです。
このあたりもそうですが、やはり現金の管理が一番の問題になるのではないかと考えました。
前身の前橋中央ボーイズ時は保護者会計さんの個人通帳で管理をされていました。
法人化したことで、法人名義で通帳やクレジットカード類を利用できるようになりました。

また、NPO法人設立と同時に兄弟チームの前橋中央クレインボーイズ(現前橋ボーイズ)を設立するとともに保護者会をファンクラブのような「欅会」と称すバックアップ団体に移行しました。
保護者会長ではなく、各学年のリーダーさんとサブリーダーさんを中心としたバックアップ体制を、その学年のカラーに合わせて作り上げるといった流れで活動しています。
我々スタッフ同様に「やろうという意思の下に、やれる人が、やれる範囲内で協力する。」ということが大原則です。
我々スタッフは子どもたちのことを第一に、やろうと思って時間を割いています。協力しよう、やろうという意思がなければ嫌々になります。やろうという意思があっても土日がお仕事や他の兄弟の習い事等あればやれないですよね。意思もあってやれる人でも、その時その時の行事や体調などで協力できない場合もあります。

ひとつの例ですが、現在、前橋市より群馬県庁対岸の利根川河川敷にある前橋中央緑地公園北グランドをホームグランドとしてお借りしています。河川敷ですので定期的に草刈りを行うのですが、毎回スタッフと協力できる保護者の方で行います。
その際に流す連絡網は「〇月〇日に北グランドの草刈りを行います。ご協力いただける方は当日北グランドへお願いします。7:30ころから始めますのでよろしくお願いします。」と、こんな感じです。
運営側からは出欠や何人集まるかなどを事前に把握することを極力しないようにしています。強制力を感じさせてしまうようなことは避けたいと考えています。
学年のカラーと申しましたが、リーダーさんが事前に人数把握してくださったり、来られた人だけであったりなど色々でした。

このような取り組みになった保護者のサポートですが、保護者会自体を無くしてから15年が経過しています。
ここまで何とか活動を続けてこられております。
保護者の方が負担に感じるような運営方法は自分どもでも変えてこられましたので、どの活動団体でも出来ることなのではないかと感じております。

入部説明会の時にしているお話

まず、中学校における男子の部員数推移について、ネガティブキャンペーン的に感じられるかもしれませんが、部活動の地域移行や中学硬式野球各連盟の垣根を超えた大会増など過渡期にあることをお話しします。
時代背景にあったチーム運営が求められていると仮定して運営の見直しを続けているのですが、新設も既存も魅力あるチーム作りが求められているのではないかとの考えを伝えさせてもらっています。
より良い運営ができるチームが残っていくことで、保護者や子どもたちにとってはプラスに働き、野球を始める子や続ける子を増やしていけるとも考えています。

図1

図1のように群馬県の野球人口は減少中です。
にもかかわらず、保護者の負担が大きいことが足かせになり野球を断念している子どもたちもおります。

図2

保護者の都合で学童野球をできなかった子どもたちが中学から野球を始める、中学デビューするケースが群馬県内の多くの中学校で見られます。
やりたいけどできない… 野球人気自体は健在なものの時代背景にあった野球チーム運営が求められているのではないかと考えております。
前橋中央キッズ・小学部設立の起因でもあります。
中学硬式野球クラブチームでも、保護者の協力がなかなかできないご家庭にも門戸を開くチームがあっても良いのではないか、そのようなチームになっていければという思いが強くあります。
ここ数年、毎年のように学童野球未経験者や途中で辞めてしまい所属先がなかった子どもが入部してくれるようになりました。中学デビューを前橋中央で実現してもらう… まだまだな感がありますが、彼らにも選んでもらえたことを嬉しく感じております。

図3

なぜ、そのような思いになったのか…
図3の下の写真のように、前橋中央緑地公園北グランドのバックネット裏にサイクリングロードが走っています。
20年ほど前に開通した記憶があるのですが、それまでは人目に触れるような環境にはありませんでした。
そのサイクリングロードが開通すると同時に近所の子供たちだと思いますが、活動を見に来てくれるようになりました。
部員数も少なかった当時の前橋中央ボーイズでは部員集めに必死で、興味のありそうな子供たちには積極的に声をかけていました。

2人の男の子から気づかされたこと

その中で、いつも見に来てくれる2人組の男の子がいました。
サイクリングロードでキャッチボールをするなど、とても野球が好きそうだったので、その男の子たちに前橋中央で「一緒に野球をやろうよ」と声をかけたところ
「俺の家は床屋だから親が絶対に無理だからダメって言うんだ。ボーイズは親が大変だからダメだって。」
もう1人の男の子に、君はどう?と尋ねたところ「俺はこいつと野球がやりたいから一緒に中学に行ってやるよ」と返答されてしまいました。

では、うちのチームの活動を見てどう思うの?と聞いたところ、楽しそうで俺もできれば前橋中央ボーイズで硬式がやりたいと話をしてくれたことは救いでしたが、結構な衝撃でした。
今でもこの時のやりとりは鮮明に憶えています。
その時に、入りたいと思ってくれる子どもがいるのに入れない環境ということに対して強く疑問を持ち、運営方法の見直しを図ることになりました。

お金の面でクリアしなくてはならないことは別として考えて、活動内容、特に保護者の負担が大きいことによって敬遠されることがあってはならない、そのことによってやりたい場所で野球ができないことがあってはならないと考えました。

どのような取り組みをしてきたのか

図4

冒頭で示した通り保護者会や当番などをすべて廃止し、やろうという意思の下、やれる人がやれる範囲内でバックアップしていくファンクラブのような保護者の団体づくりに移行しました。
図4のような資料で説明をさせていただいてます。
お昼の買い出しもスタッフが担当しています。
練習試合も審判さんへのお茶出しは部員が行います。

指導者は、自分のことは自分でやろうと子どもたちに指導すると思います。もちろん前橋中央でもそう指導します。
指導者は大人ですから、子どもたち以上に自分のことは自分でできますよね。

図5

保護者から大切なお子さんを預けてもらうので、成長する姿を目にしてもらわなくてはならないと考えています。
まず、大会は原則年功序列で選手は大会に出ることを説明しています。
前橋中央ボーイズと前橋ボーイズの2チーム体制で運営をしておりますが、入部後はいったん前橋中央ボーイズへ選手登録されます。
大会へ出場する選手登録は1年時の秋に1回目を行います。2年時に2回目を行い、身長順でバッサリと切り班編成をします。
2年時の2月から3月にかけて進路を含めた最終面談を行い、ある程度部員の希望を聞いて3回目の最終的な班編成を行い3年時の大会に出場します。
この時は進路を考えて、体の小さい部員が戦績の上がる前橋ボーイズ班を希望したり、体格的には恵まれているもののあまり希望のポジションで出場できないので前橋中央ボーイズ班を希望したりなどが出てきます。
様々な希望を聞いて本人の考え方を知ることによって、毎年その成長を感じることができます。
練習試合やリーグ戦では、選手の成長過程を加味して混成チームを編成して戦っています。前橋ボーイズ班で登板イニングが少ないから前橋中央ボーイズ班で長いイニングを投げさせたり、下級生の成長過程が早い部員は上級生の班に帯同したりと、対象の部員に一番必要な事を考えて臨機応変に対応しています。
先に述べたように公式戦に関しては、上級生を優先して選手起用が原則となります。
残された時間だけは不平等になります。残り時間が少ない部員に多くの経験値を上げてもらい緊張感を味わってもらえればと考えています。

運営の工夫として、自分のことは自分で!取り組みます。
水分補給も栄養補給も自分で必要量を保護者の方と考えてもらい持参しています。不足すれば自身が辛い思いをしますので、入部後から徐々に調整していきます。
補食に関しては別途ご紹介する予定ですが、前橋中央では活動中いつでも「おにぎり」「お煎餅」「ナッツ類」「小魚」「粉飴」を口にすることができます。

お茶当番など全く必要ありませんよ!って周知できるような活動事例であると自負しております。
大変ではありますが、1日の必要量の水分を持参すること、不足した場合の対処方法など自分たちで考えて行動できるようになります。
補食当番や炊き出しなどを必要としない昼食・補食を摂るようにしていきます。

図8

運営の工夫として、グランドの準備、ネットの補修、道具の管理などは原則部員が行います。
また、自分の力で通うことも推奨しています。
自転車で往復する者、行きは自転車で帰りは保護者の方が車に積んで変える者、電車と自転車で通う者、保護者の方が送り迎えをする者と各ご家庭の可能な手段で通っています。
内訳は図8のような割合です。

保護者の方のは見学や練習試合の帯同も、いつでもいらしていただいて大丈夫です。朝から晩まで付き添う必要はありません。見たい時に見に来て、都合で帰っていただいて大丈夫です。
肩の力を抜いて、お気軽にお願いしています。

図9

前橋中央には県内の様々な地域から部員が通ってくれています。
高校野球が終わった後に、多くの保護者の方から中学校という限られたコミュニティーでの活動ではなく、多くの地域から通ってくることによって生み出されるコミュニティーで活動できたことに対して感謝されることが多いです。
一生の宝ですね。

図10

一緒に自転車で通う毎日、一緒に電車に乗る毎日、休みには各地域の仲間が集まって遊びに行ったりなど、前橋中央だからできる活動だと思います。
自転車や電車で通い始める際には心配ばかりのスタートになりますが、多くの先例からもご理解いただけるように、あっという間に当たり前の光景になります。
中学生の行動力は凄いです。大人が制限をかけない方が多くの経験ができると感じています。

図6

お金をかけない努力もしています。
野球は用具にお金がかかる競技です。打つこと、捕ることだけでも多くの用具が必要となります。
中学期は節約して花形の高校野球でお金をかけてやってもらえればと考えています。

図7

例えばグローブ。
グローブも技術向上を第一に考えて、一番小さくて一番安いものを数の利を活用して揃えてもらっています。
特殊なポジションはチームから貸し出します。
そして3年間使い続けることがルールになります。
物のありがたみや大切にすることなどを学んでもらえればと考えております。

最後に

入部説明時に、このようなお話をさせてもらっています。
子どもがお世話になっているのだから保護者が協力するのは当たり前なのでしょうか…
協力が必要な時に協力を求めることができて、可能な協力をお願いできる関係づくりが大切であると考えます。
保護者の野球に対する嫌悪感を軽減できるような活動にしていきたいと考えております。
ご入部を検討されているご家庭に参考にしていただければ幸いです。


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