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群馬県高校野球新入部員2021

群馬県高校野球選手権予選群馬県大会の組み合わせが決まりました。
OBの所属する高校や監督が変わった高校など注目している高校が、どのように夏を戦うのかが楽しみです。
今年は制約は加わるものの甲子園も開催はされるようですので、ぜひ頑張ってもらいたいです。

例年、群馬県では新入部員を迎えた4月から1年生強化試合の「若駒杯」が開催されていました。昨年から新型コロナウィルス感染拡大防止のため、10月頃からの開催に変わったと思います。今年度も開催時期は同様とのことです。
昨年の大会で32回を数える歴史ある大会であります。自身の高校入学時が第1回大会でした。懐かしい思い出ですが、初戦を戦った際に7イニング制のルールを引率者も審判も把握しておらず試合は9回まで行われました。8回に逆転をし、勝利をしたと喜んでいたところ7回打ち切りで敗戦となったことを悔しがった記憶がよみがえります。
昨年の優勝は桐生第一高校で、若駒杯を制したチームが3年後に甲子園に出場しやすいなどのデータも残っているようです。
多くのOBたちが、若駒杯をステップに高校野球で頑張ってくれる姿を毎年楽しみにしています。

その若駒杯に向けて各高校の新入部員数が地元新聞に掲載される流れになっているのですが、今年も春ではなく秋口の掲載になると思うので自分なりに新入部員数を調べてみました。
まず、高校の先生方に「何人入りました?」とか「あの高校は何人入りました?」といった話を伺っておおよそを把握し、5月には名簿が作成されるようなので詳しそうな先生方にご協力いただき再確認をしました。
恐らく大きく外れてはいないと思います。

そこで分かったことは...

群馬県高野連加盟校68校中35校が新入部員数9名以下、一桁の新入部員となりました。結構衝撃ですね。
1年生強化試合である若駒杯に半数の高校が出場できない状況になると思います。1つの公式戦に出場できない、思い出づくりもできないことは残念でなりません。

ずいぶん前から野球人口減少に関して問題視されてきたことは周知のことかと思います。
学童野球関係者のご尽力により、野球を始める段階での減少スピードは緩やかになってきていると感じております。
中学硬式野球のクラブチームを運営する立場からすると、中学硬式は全体的には現状維持といった感じであると思います。
ここ3年ほどで群馬県ではボーイズ・ポニーで3チームが新たに設立されましたので微増といったところでしょうか。

やはり問題なのは、小学校から中学校・中学校から高校へと進学する際の継続率の低さかと考えています。
一区切りつけやすいタイミングが訪れるにあたり、次のステージの魅力を伝えきれていないこと、情報量の少なさが問題ではないかとい考えています。
当クラブも可能な限り情報発信をしていく予定ですが、まだまだといった感があります。

公益財団法人日本中学校体育連盟の加盟校・加盟生徒数調査集計表をみると、令和2年度に群馬県の中学軟式野球部に所属していた男子は2,392名です。3学年ありますので単純に3で割ると「797」名になります。県内のボーイズなどの硬式野球クラブチームの3年生が、おおよそ「180」名ほどでありましたので合計で977名、恐らく950名から1000名の間くらいの人数であると予想できます。
そして2021年度高校野球男子新入部員は730名です。
よって、おおよそ70%強程度の継続率であることが予想されます。

高野連では1年生から2年生、2年生から3年生になる継続率には目を向けてくださっておりましたが、小学校から中学校、中学校から高校への継続率をどの程度把握されてきたかは分かりません。
日本高等学校野球連盟の資料。
プロアマ規定は有名な野球界の制約ですが、中学校と高校の交流に関する制約が、まだまだ中学生が高校野球部の情報を得ることに対して大きな壁となっております。
高校野球部の状況は待ったなしの段階かと感じています。対策の必要性が高まっており、団体間の連携を深めていく必要があると考えます。

以下の文章と図は共同通信社児矢野雄介さんが作成されたものの引用です。
図の引用元は上記の中体連集計表で2020年度のものです。
毎年毎年、中体連の競技人口を分かりやすく図にして発信してくださいます。
「野球は前年比-3.4%の15万8555人。19年は減少幅が-1.6%まで小さくなっていたものの再び拡大。ついにバスケに抜かれました。バドミントンが相変わらず着実に増えています。
女子部員を入れても1校あたりの平均部員数は20人を割り込み、全8139校で合同チームが過去最多の755チーム。755校が合同チームを組んでいるのではなく、合同してできあがったのが755チーム。単独でチームが作れていないところが2000校以上あると思われます。」
とのことです。

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群馬県の状況ですが

部員数推移

減少率

こんな図になります。
群馬県では北毛地域の中学において今夏が終わると単独チームを組める中学校が無くなってしまうといった話も伺いました。
何ができるのか... やはり当クラブとしては高校野球への継続率を上げること、周囲も上げられるような働きかけをしていくことが必要だと考えます。

野球離れやチーム数の激減などを高校の関係者が感じるようになる、ずっとずっと前に学童野球・中学野球関係者は実感しているからこそ目が行くデータであり、高校野球の関係者の方にも知ってもらいたい状況です。

令和2年9月1日に開催された学校における働き方改革推進本部(第4回) において検討された「学校における働き方改革に係る文部科学省の取組状況の進捗状況について」に関して令和5年度以降段階的に休日の部活動を地域移行と明記されています。
学校の働き方改革を踏まえた部活動改革についてのおわりの文章で、「部活動は生徒にとって教育的意義の高い活動である一方で、教師の献身的な勤務に支えられており、もはや持続可能な状態にあるとは言えない。部活動は、すべてを学校の教師が担うのではなく、生徒への指導等に意欲を有する地域人材の協力の下で、生徒にとって望ましいスポーツ・文化活動を地域が支えていくことが求められる。」とあります。

中学校の部活動に関して改革が行われ、クラブチーム化や地域合同チーム化など新たな方法が見いだされ、それに伴う高校野球が構築される流れになるのかと思います。

個人的には現行のクラブチームが拠点としている地域で、やる気満々の中体連の先生方が、そのクラブチームに参加していただく形が望ましいと考えています。
そのクラブチームに、クラブチームにまで入って野球はやりたくないよって生徒さん向けのコースができたり、硬式の部と軟式の部ができたり、女子部ができたりなどしていくことが望ましいと考えています。
継続率を上げることと並行して、2023年・2025年を見据えたチーム作りや体制づくりをしていかなければならないと考えます。

野球人口増やそうということだけでは解決も進展もないと思います。
減少のスピードが緩やかになってきたからこそ、何が望まれているかや何ができるかをしっかりと考えていければ思います。

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