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【マテリアリティまとめ】第2回ROESGランキング25社 -世界ランキング編-

企業の収益力を示すROEと、ESG課題への取組みの両面から評価する指標「ROESG」の国内ランキング50位に続き、今回は世界ランキング25位の企業が開示しているマテリアリティを調べてみました。

第2回ROESGランキングの世界ランキング上位25社は下記の通りです。

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世界ランキングは25社と少ないので、国内ランキングのように細かく区切らずに一気にまとめています。

国内ランキングのまとめは下記です!

はじめに:調査対象はマテリアリティ(再掲)

国内ランキングのまとめにも書いていますが、今回の調査対象は各社のマテリアリティです。

「マテリアリティ」とは
報告組織が経済、環境、社会に与える著しいインパクトを反映している項目、またはステークホルダーの評価や意思決定に対して実質的な影響を及ぼす項目
引用:GRI101 基礎 1. 報告原則 1.3 マテリアリティ(Materiality)

「ROE=収益力」と「ESG=サステナビリティ」の評価がともに高い企業は、どのような「ステークホルダーからの期待」と「自社の重要課題」をマテリアリティ(=経営の重要課題)として特定して、情報開示しているのか?を調べています。

マテリアリティ=ビジネスをどのように進めるか?の起点であり、ステークホルダーとのコミュニケーションの軸でもあると考えています。

ROESGランキングの世界ランキングに入っている企業には、どのような傾向があるのか調べていきたいと思います。

結果①:「S:社会」に紐づくマテリアリティが多い

各社のマテリアリティを「E:環境」、「S:社会」、「G:ガバナンス」と、ROE=収益力に寄与する可能性のある「B:経済(Business)」の4つへ分類しました。

そして、各企業のマテリアリティを独断と偏見で分類し、4つの項目に分類しマテリアリティの数を合算しました。

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国内ランキング50社の調査と同じく、「S:社会」に関連するマテリアリティが最も多いという結果になりました。

「S:社会」>「G:ガバナンス」>「E:環境」>「B:経済(Business)」

世界ランキングでは、国内ランキングと比較して「G:ガバナンス」と「E:環境」の順位が入れ替わりました。

総数で2しか差がないため、「G:ガバナンス」と「E:環境」はほぼ同じくらい重要という見方もできるかもしれませんね。

それぞれの比率などは、また改めて比較できればと思います。

最も多くの「B:経済(Business)」に紐づくマテリアリティを特定していたのは、12位インディティテックスでした。

「Other business aspects(その他のビジネス面)」というテーマがあり、「原材料価格の変動」や「規制の変化」など5つのマテリアリティを特定していました。

結果②:各社のマテリアリティ(重要課題)は平均14.8個

マテリアリティを抽象的な概念にまとめた「テーマ」は、国内ランキングとほぼ同数。マテリアリティの平均数は、国内ランキングの17.1個と比べて約2個少ないという結果になりました。

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「当社にとって重要なテーマは5つ、それぞれのテーマに3つのマテリアリティが紐づいています」

→だいたい、こんな感じのバランスですね。

一点、特筆するなら「テーマを設定している企業が半分以下」でした。25社10社のみテーマにマテリアリティを紐づけていましたが、残りの13社はマテリアリティを羅列しているだけでした。(※他2社はマテリアリティ自体を開示していない)

例えば、こんな感じで
↓↓↓↓↓↓↓↓

ちなみに、テーマでまとめている企業はこんな感じです。
↓↓↓↓↓↓↓↓

結果③:マテリアリティ・マトリックスは全体の約1/2

まだ、マトリックスを活用した開示が10社に対して、シンプルに箇条書きで開示している企業も同じ10社でした。

ROESGマテリアリティ種類

総数も違うので一概には言えませんが、国内ランキングの企業に比べて世界ランキングの企業はシンプルな形でマテリアリティを開示している企業が多かった印象です。

珍しい開示だと感じたのは、13位ブリティッシュ・アメリカン・タバコの「HIGH・HIGHEST」と高い・低いのみで表現されマテリアリティマトリックス。

おまけ:サステナビリティ派?CSR派?

国内ランキングの企業でもやっていたので、世界ランキングでも「サステナビリティ」と呼ばれているか、「CSR」と呼ばれているかも調べてみました。

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国内ランキングと同様に「サステナビリティ」が主流かと思いきや、「CSR」と呼んでいる企業も意外と多いことが分かりました。

特に「Responsibility」という文言を含めるものは12社にのぼり、およそ半分を占めるということが分かりました。


国内ランキングの企業と世界ランキングの企業、比較すると色々と興味深い点も多そうです。

時間を見つけて、また調べてみたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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