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退職したいと伝える
開業に向けた準備としてまずやったこと。
それは、退職の意向を会社に伝えることでした。
伝えるべき相手は、
ライン上の直属の上司であるM氏。
私は支店に勤務してますが、M氏は本社にいるため、「ちょっといいですか」という具合に会議室に来てもらうことができず、
試験結果発表の翌週、M氏にチャットしました。
「相談したいことがある」と伝えました。
M氏からは快諾があり、
数日後、とあるホテルのカフェラウンジで会うことになりました。
静かな環境で話したいと思って、私が指定しました。
先に着いて待っていると、ほどなくM氏到着。
上司といっても、もともと一緒に働いていたこともあり、気心の知れた間柄です。
久しぶりの再会だったこともあり、M氏のほうから、最近の本社の状況など、いろいろと雑談を振ってくれました。
フッと、話が途切れたとき、
「じつは、会社をやめたいと思ってるんですよ」と切り出す。
理由として、行政書士として開業するつもりであることなどを説明しました。
M氏は、私が説明している間、じっと黙って聞いていました。
そして、ひと通り、話し終わると、ひと言。
「何かやらかしたのかと思ってましたよ。
たとえば不倫とか」
これには二人で爆笑してしまいました。
なるほど、そりゃそうだよな。
「相談したいことがある」なんて言われたら、
ふつう、なにか深刻な事態が起きたと思うもんな。
ひとしきり笑ったあと、M氏いわく、
「辞めてほしくはないけれど、会社がイヤで辞めるわけじゃなく、
前向きな理由で辞めるんだから、引き留めるわけにはいかないですよ。
しかも、仕事をしながらコツコツ勉強して、難しい資格を取っちゃうんだから、尊敬します」
切り出す前は、どういう反応があるのか、とても不安で緊張していましたが、
この言葉に救われました。
このあと、近くの居酒屋に飲みに行き、
こういう事務所名がいい、とか、マーケティングが大事だ、とか、
ああだこうだと、面白がってアドバイスしてくれました。
M氏は以前、広報部長だったこともあり、わりと的確なアドバイスだったのは、さすが。
この日、M氏と待ち合わせたのは18時でしたが、
気づいてみれば終電の時間となっておりました。
でもこの日は、独立に向けて、とても勇気がもらえた日でした。
すべり出しは好調です。
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