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おせちも雑煮もないけれど、お正月はいいものだ。
新年、明けましておめでとうございます。
2018年も、どうぞよろしくお願いいたします。
夫と結婚してからというもの、私はお正月におせちはおろか、お雑煮も作ったことがありません。夫の実家に年頭の挨拶に伺い、そこでいただく、というわけでもありません。
「おせち料理、嫌いだから」
夫が放ったその一言に、私はがつんと頭を殴られたようでした。
というのも、私の実家は、年末の28日くらいから「お買い物リスト」を書いて、28日にはこれ、29日にはこれ。30日におせちに入れる鶏肉なんかのナマモノを購入して、夜からコトコト黒豆を炊いて……、といった「The・お正月」という感じでした。こどものころから毎年のことでしたので、それが割と当たり前なのかな? とも思っていました。でも、我が家の父は郵便局員でしたので、大晦日の夜に夜勤があり、1月1日の朝早くに出勤するなど、「お家によって、色々違いがあるんだろうな」とも、ぼんやりながらも考えていました。
おせち料理が嫌い、といわれても、それは好き嫌いとかじゃない食べ物でしょ? と強く言い切れませんでした。なぜなら、私はお雑煮が、あまり好きではないからです。
大阪出身の私は、「白味噌仕立て」のお雑煮を食べていました。白味噌のお雑煮には、難点があります。冷めると、ほんのちょっと苦く感じるのです。そのため我が家では「とにかく早く雑煮を食べきろう」という意識が家族全員にあり、おせち料理に箸をのばす前にもう、お腹いっぱい。何日も前から準備していたおせちをお預け状態にするお雑煮という存在が、私は苦手でした。家族もみんな同じで「せっかく作ったから、少しは食べようか」とおせちを食べ始めるのですが、かなり苦しい状態になり、正月早々お腹痛い、ということが我が家では、わりとよくある光景でした。
夫はおせち、なくてもいい。私はお雑煮、必要ない。
どことなく夫婦の意見が合致したため、形式張った「お正月料理」を作ることはありません。それぞれが食べたい、酢ダコとか、煮卵とチャーシューなどをポツポツ作ったり、買ったりします。普段の夕食よりもおつまみ感が強い、という程度です。
それでも「今年も1年、楽しく過ごせるといいね」などと言い合いながら、年が変わったと言う、すこしだけ改まった気持ちで過ごせることがお正月の楽しさなんだなと、しみじみと感じます。
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