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幽霊の日のお岩さん

「うわー、まじか……」

4連休の最終日。朝起きて、洗面所に立ったとき、ぞっとした。

両まぶたがぶっくりと腫れている。

目を開けているつもりでも、ほとんど閉じているようにも見える。

前日の夜に、大感動する映画を見たとか、大げんかをして涙を流したわけじゃない。特に何にもしていない。

見たテレビといえば「激レアさんがやってきた」と「あざとくて何が悪いの?」を続けて視聴した。どちらの番組も涙を流すような展開にはならない。場合によっては、笑い過ぎて涙を流すことは、あるかもしれない。

ほかに変わったことといえば、土曜日にエアコンの風に当たり、のどを傷めてしまった。そのため、眠る時にもマスクをつけていた。口を開けて眠ってしまうことがあるので、のどの乾燥を防ぐため。まぶたが腫れる原因としては、ちょっと考えられない。

原因不明のアレルギーかなあ……と、ぼんやり思いながらも、早く腫れがおさまるといいけど、と同時に考える。

昔から原因不明のアレルギーで突然唇が腫れたり、まぶたが腫れることが多かった。

原因がはっきりしたアレルギーで、じんましんが出ることもたびたびある。小学生のとき、あと二日で夏休みが終わる、という日に貝にあたり、まぶたとくちびる、その他体のあちこちにじんましんが出たこともあった。「いいじゃない。ひろちゃんだけ、夏休み延長だねえ」などと、当時のかかりつけにしていたお医者さんにそう言われたことを思い出す。

まぶたが腫れるたびに、四谷怪談の「お岩さん」が頭をよぎる。子どものころから、まぶたが腫れるたびに「お岩さんみたいになってる」と家族に言われ続けたせいだろうか。昨年南座で上演されていた「東海道四谷怪談」をみて背筋がひんやりしたなあ、なんてことも思い出す。

そんなことを考えて過ごしていたら、「7月26日は幽霊の日」というのがTwitterのタイムラインに流れてきた。

ふーん、どれどれと見てみると「1825年7月26日に、江戸にある中村座にて『東海道四谷怪談』が初演されたことにちなんで『幽霊の日』に制定した」とのこと。

……そうなんだ。

お岩さんのことをぼんやり考えていたけれど、幽霊の日=お岩さんの日ってことか。なんだか恐怖のベストタイミングでまぶたが腫れた。

東海道四谷怪談で、薬だといってお岩さんに渡されたのは「附子(ぶす)」というトリカブトの毒だとされている。

トリカブトで起こる症状は嘔吐や呼吸困難だとされている。(リンク先はWikipedia)

顔面の腫れは誇張だ、とも言われているけれど、もしかしたら毒薬に含まれる成分のアレルギー症状・アナフィラキシーショック状態によって、まぶたがどろりと腫れあがったのではないだろうか?

薬疹といって、服用したお薬でじんましんが出たこともある。そのときは、尋常じゃなくまぶたが腫れたので、その状況に近いかもしれない。


いま、古くからある日本の怪談を読み直しているのだけれど、「幽霊の日」に、お岩さんについて色々考えることになるとは。もっと研究しろってことだろうな。








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