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真夏のツバメ

お盆を過ぎた今の時期まで、まさかツバメの子育てを見守りことになるなんて。今年はちょっと、不思議な感じだ。

最寄り駅の周りでは、毎年ツバメがたくさん子育てをする。一番人気は駅改札構内のリフォーム物件。そこからどんどん埋まっていくが、新築住宅を建てるものもある。

そんな中、あんまりお勧めできない中古物件(といってもツバメの巣)がある。人間の世界で言うと、いわゆる事故物件扱いになるかもしれない。

その場所は、子育て中の巣が襲われる事件があった。

駅改札の外にあり、人間の通行時には何も問題ない。けれど、電気ケーブルのコードを覆う柱があり、地上と繋がっている。

コンセントの劣化を嫌って、人の手でつくりかけていた巣を壊されたこともある。しかし、ツバメたちはコツコツと修復し、気づいたらまた巣をつくりおえ、あっという間に子育てをしていた。たくましいなあと思った矢先の事件だった。

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写真では切れてしまっているけれど、左側には構造物の屋根があり、俊敏な生物ならジャンプできる距離のようだ。

これは今年の写真で、巣は修復されている。けれど、事故が起きた昨年は巣の左側がごっそり削り取られていた。巣の周りにはホワホワと柔らかそうな羽が抜け落ちていたし、巣の外にとまっている親ツバメが、離れ難そうに何度も近くまで飛んできていた。

野良猫かカラスかイタチ、もしくはトンビやタカ、ハクビシン、ヘビなどに襲われたのだろう。弱肉強食、自然界はかくもきびしい。

あの巣は使わないほうがいい、と去年子育てをしていたツバメたちの間では事情が知れ渡ってたのか、巣をリフォームして子育てをする親はいなかった。

このいわくつきの巣は、今年きれいにリフォームされ、子育て競争に少し出遅れたツバメ夫婦が利用していた。そして、八月の終わりの今になっても活用されている。

もうすぐ台風もやってくる季節だ。屋根があるとはいえ、この場所は結構風が強く吹き抜ける。八月末までにこのひな鳥たちは飛びたてるだろうか? もうだいぶしっかりした顔つきになっているひな鳥たち。何事もなく飛びたてるといいなと見守っている。


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