見出し画像

がんばれ、うちの受験生

「なんか、お腹痛い。……行くの、ヤだなあ」

センター試験が行われた1月18日のこと。窓の外を見ながら夫がぼやいていた。なんだか体育の授業をさぼった小学生のわたしみたいだな。

その日は全国的に天候が荒れていて、わたしが暮らしている神奈川県の海沿いの町も雨風にさらされていた。

その日は二級小型船舶免許の実技講習が行われる予定だった。ひどい雨風のなか、船に乗ってアレコレやるのは大変だと言いながら出かけて行った。もともと実技では船に乗るので、持ち物としてカッパと長靴が必要とのことだった。波しぶきで濡れるかもしれない、ということのようだ。

どちらにせよ濡れるかもしれない。とはいえ、雨に打たれながらの実技講習なんて嫌だなあと、見送ったあとにぼんやりと考えていたら夫から連絡が入った

「今日の実習は中止。帰る」

どうやら、雨は仕方ないとしても風が強くて海が大荒れ。練習のために船を出すのはできないという判断のようだ。

シオシオと帰ってきた夫は実技のテキストをみたり、過去のテスト問題を解くといって、半日くらい勉強していた。

実技講習の振り替えが23日、試験はもともと25日。ただ、今回のように海が大荒れだとしたら、また順延・順延・順延となる。

順延が繰り返されると、夫の腹痛(過敏性腸症候群)は、落ち着く兆しがない。わたしとしては、もう試験当日を迎えて、すがすがしく終わってほしい。もっとも試験に落ちてしまったら、また順延なのだけれど。大学入試とかではないので、受験費用を支払いさえすれば、またすぐにチャレンジできるのだ。

しかし、先日夫はこんなことを言っていた。

「二級が受かったら、一級も受けようかな。すぐじゃないけど。半年後とか」

え? 一級の免許は取っても使うような場所ないって、言ってなかったっけ? いや、まあ好きにすればいい。資格を取りたいならとればいい。けれどきっとまた腹痛の日々が待ち受けているのだろう。

趣味の資格とはいえ、国家資格だ。気楽に受ければいいのに、我が家の受験生はナイーブだ。

最後まで読んでいただきまして、ありがとうござます。 スキやフォローしてくださると、とてもうれしいです。