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もちつもたれつ、餅つき大会。

週末に町内会の餅つき大会に参加してきた。

ときおりnoteに書いているけれど、今年度(平成三十年度)は町内会の婦人部の係になっていて、なにかと行事に参加している。

普段ならば、正直なところ、町内会の行事についてそれほどというかまったくといってもいいほど無関心だった。夏祭りも、秋の文化祭も、冬の餅つきも。なんというか、元気いっぱいのおじいちゃん達が楽しんでやっている印象は否めないし、若い(といっても三十代とか四十代)世代はあまり、入り込む余地もない気がしていた。定期的に回ってくるゴミ当番などは、気にかけているけれど。

餅つき大会の開催も、今年は危ぶまれていたらしい。例年、町内の子供会が開催するクリスマス会と合わせて行い、クリスマス会についたお餅をあげる、となっていたらしい。けれど、子どもの数が少ない町内会で、「わざわざ少人数でクリスマス会なんてやる必要ないんじゃないか」という声も多いらしい。今年はもうクリスマス会もやらないし、子供会として餅つきに参加しない、と、ちょっと揉めごとがあったらしい。町内の冬の一大イベントとして餅つきを行い、子どもたちも楽しめるという意図からは、ずいぶん遠くへ来てしまっているな……と思わずにはいられない。

開催までには紆余曲折あったらしいけれど、今年も餅つき大会は行われることになり、そのお手伝いに参加した。

ただ、餅をつくのはおじいちゃんたちで、婦人部の役割は「ついた餅を丸めて、味付けして、パックに詰める」という裏方の作業。

そーぉれ。よいしょー! という掛け声ととも、杵と臼を使った昔ながらの餅つきをそばで見ることはできない。手を洗ったり、使用する調理器具を定期的に洗ったりするときに、ちょっとだけ窓から眺めることはできたのだけれど。私の役割は、ひたすら、餅を丸める。ただ、それだけだ。

簡単に作業工程を書いてみる。

公園でついたお餅が、町内会館へ運び込まれる。

その運び込まれた餅を、まず四分の一に分ける。(四人の担当者が必要で、そのうちの一人が私である)

四分の一に分割した餅を、さらに三等分する。そして、その三等分した餅で、計三十個の餅に細かくちぎって作り出さなくちゃいけない。(ここまでが私に割り振られた仕事だった)

その先は、それぞれ丸められた餅を海苔醤油(磯辺餅)・あんこ・きな粉・大根おろしの四種の具に絡め、パックに詰める。

餅は参加者や、文句を言っていたけれど結局クリスマス会を開催した子供会の人たちに振る舞われたり、ひとパック百円で販売もされる。

この「販売」というのが厄介で、合計二百パックぐらいは販売するというのである。一パックに四種の味が入っている。丸める餅の数は、八百個!

もち米から餅の状態としてできあがったところから、120個の餅ができる計算だ。けれど、町内会館に飾る鏡餅だとか、振る舞う分も多めについておこうという計算なのか、10回くらい餅が運び込まれてきたような記憶がある。

とにかく、餅を丸める係の人は手早く丸めて! と急かされる。いや、今日初めてやる作業だ。「下手くそ」とか「もっとキレイに形を揃えて!」と言われても、慣れるまでは難しい。何年もやっているおじいちゃん達は、私たち「餅丸め係」に指導しにくるほどだった。しかし、なんせ餅だ。伸びるし、手にもひっつくし。つきたてだから熱い、というのもある。初めてやって、はいうまくできた、なんてことあるだろうか?

初めの六十個くらいまでは、いまいちコツもつかめなくて、「難しい、手際よくできない」と私を含めた四人とも「この作業、つらい」と思いながらやっていた。しかし、どんどん餅が運び込まれるにつれ、コツを掴んできた。左手のひらに餅をのせる。ぎゅっと握ってはいけない。親指と人差し指のあいだから餅をにゅっと押し出して、押し出した分の餅だけを、右手でちぎって、バットに移す。引っ張ってしまうと、餅は伸びてしまうから、ちぎる、といったほうが正確だろう。そのやり方を体得すると、もう俄然ペースが早まった。

十時から始まった餅の丸め作業は、二時間半くらい行われた。最後の方は、丸める係も私と、もう一人(その人はお寿司屋さんでアルバイトをしていて、チームで一番手際が良かった)だけで丸めてもあっという間に作業が終わるほど。他の二人は片付けとか、他にサポートに回ったりできるくらいだった。

「今なら、特技・餅を丸める って言えますね」と笑い合うほどに、餅を丸め続けた。

最後に、婦人部は参加のお礼として、今まさに自分たちがパック詰したお餅が配られた。餅つき大会、というよりは、餅丸め大会に参加した気分だけれど、思いのほか楽しかった。

「なんか、変わったもの持って帰ってきた」と、興味津々の猫のあしがちらり。つきたての餅は美味しくて、なんだか一気に年末気分を味わうことができた。


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