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いずれ新品になるんじゃない?

郵便受けを開けると、黄色い封筒が入っていた。

割としっかりとした紙質の、いかにも「お知らせ」が入っているような封筒。

行政関連の何かかな? と思いながら取り出して、送り主を見る。そこには自動車メーカーの名前が記されていた。

封を開ける前に、ピンときた。ああ、またか。ちょっとした落胆の気持ちを抱えながらも、実際に開封してみないことにはお知らせ内容についてはわからない。

びりびりと乱雑に糊付けされた箇所を破る。

封筒の中には三つ折りにされたお知らせの用紙が入っていて、わたしの予感は的中した。そこには「リコールのお知らせ」と記された紙が入っていた。

わが家の軽自動車は、今年で三回目の車検を通した。新車の場合三年目に一度。その次からは二年ごと。だから、もう七年の付き合いになるだろうか。

わたしが覚えているだけでも、今回を含めると三回のリコールがあった。実際に修理に持って行く夫に聞くと「四回はあったと思う。ほかに、リコールじゃないけど部品交換みたいなのもすすめられた気がする」という。

自動車のリコール制度について:リコール制度とは、設計・製造過程に問題があったために、自動車メーカーが自らの判断により、国土交通大臣に事前届出を行った上で回収・修理を行い、事故・トラブルを未然に防止する制度です。(国土交通省のサイトより一部抜粋)

夫が言っていた「部品交換」とはなんだろう? と思ってみると「サービスキャンペーン」というものがあるらしい。

リコール:リコールとは、同一の型式で一定範囲の自動車等又はタイヤ、チャイルドシートについて、道路運送車両の保安基準に適合していない又は適合しなくなるおそれがある状態で、その原因が設計又は製作過程にあると認められるときに、自動車メーカー等が、保安基準に適合させるために必要な改善措置を行うことをいいます。(国土交通省のサイトより抜粋)
サービスキャンペーン:サービスキャンペーンとは、リコール届出や改善対策届出に該当しないような不具合で、商品性・品質の改善措置を行うことをいいます。(国土交通省のサイトより抜粋)

ふーん、いろんな対応があるんだなと、今更ながらに驚く。リコールでも、サービスキャンペーンでもない「改善対策」という処置もあるらしい。問題の大きさとしては、リコール>改善対策>サービスキャンペーンと位置付けられているようだ。

改善対策:改善対策とは、リコール届出と異なり、道路運送車両の保安基準に規定はされていないが、不具合が発生した場合に安全の確保及び環境の保全上看過できない状態であって、かつ、その原因が設計又は製作過程にあると認められるときに、自動車メーカー等が、必要な改善措置を行うことをいいます。(国土交通省のサイトより抜粋)

わが家の軽自動車が過去にどのようなリコールがあったかをちらっと調べてみた。夫の記憶通り、おそらく四回はリコールによって部品交換されているようだ。

お知らせの用紙には「今回のリコールは、この部品の設置です」と、図が記されていた。ブレーキホースの長さが不適切で、問題が生じる恐れがある、とのことだった。ブレーキホースの長さというより、設計に無理あるんじゃないの? というようなアクロバティックな設置だったのが、今回リコールになったようだ。

こうして何度もリコールになると、リコール対象部分がその都度新しく取り換えられていく。こうなってくるとどんどん車体そのものが新しく生まれ変わるんじゃない? と考え始めている。

度重なるリコールに、夫はややうんざりしていた。けれど、わたしとしてはいつのまにか部品総入れ替えになって、もはや新品にならないだろうか? とほんの少し期待している。

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