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イベントレポ

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がんばっている人たちを応援したい。作品を見たり、イベントに参加したらレポート書きます。どうかみんなのがんばりが広まりますように。
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記事一覧

DAZZLE『Labyrinth 東京C』【#まどか観劇記録2020 13/60】

日曜日の深夜なのに眠れずにいます。明日から普通に仕事だというのに。あまりに眠れる気配がないのでパソコンを立ち上げて文章を書き始めてしまった。 眠れない原因は言うまでもなく数時間前に見たDAZZLEの『Labyrinth東京C』のせいだ。 事の発端は今年の2月にさかのぼります。新型コロナウイルスの影響を受けて、3月5日から上演予定だったDAZZLE『NORA』が初日まで1週間という日に延期が決まりました。 それに前後してすべての舞台公演をはじめとするエンタメが止まり、緊急事

DAZZLE『Touch the Dark』/私の人生を変えた舞台作品

いつかと思い続けながらずっと手つかずだったことについてようやく書きます。 私の人生を変えた舞台作品 DAZZLE『Touch the Dark』忘れもしない。あれは2017年8月26日のことでした。 都内某所。21時10分前。廃病院の前。 私は21時からの公演のために友人を待っていました。 最初に断っておきますが、私はホラーもお化けも大の苦手です。 ディズニーランドのホーンテッドマンションもできれば遠慮したいくらい。 そんな私がなぜ! 21時に! 廃病院に! 今考えてもな

おぼんろ『メル・リルルの花火』【#まどか観劇記録2020 12/60】

物語を見るのか 物語を聞くのか はたまた 物語を紡ぐのか この頃、すこし昔の感覚を思い出している。 眠りに落ちる時にまだ隣に母親がいた頃のこと。 物語を奏でる母親の声を聞きながら空を飛んだり海に潜ったり自由自在に世界を作っていた頃のこと。 なぜかって? それはきっと、おぼんろの「メル・リルルの花火」が始まったから。 9日間、14ステージをかけて紡がれるひとつの物語。 あらすじや登場人物はこちら。 いちばんはじめは、劇場に物語を観に行くはずでした。 それが紆余曲折を経て

『のぞきみZOOM』【#まどか観劇記録2020 11/60】

随分と久ぶりにエンタメを摂取した気がします。 おとつい(4/10)行われたのぞきみZOOM。 緊急事態宣言を受けて株式会社SCRAPのきださんが作り上げたWEBイマーシブシアターです。 舞台は最近はやりのZOOM。とある男女二人のZOOM会話を「のぞき見」します。どうやらこの男女、それぞれにそれぞれの相手に隠した思惑があるようなのですが。。。 まだアーカイブが見られるのでそちらを見ていただくことにして、ここでは個人的にすごいなと思った点を書きたいと思います。 ↓ 受動的に

『偽義経冥界歌』【#まどか観劇記録2020 10/60】

先日、人生で初めて生の劇団☆新感線を見てきました。 「偽義経冥界歌」 観劇後に即追いチケ(追加でチケットを買うこと)するほどキマシタ。 豊洲遠いしな~。それにゲキ×シネとかWOWOW放送とかで見れるからまあいいかと後回しにしていたからこそ味わえた衝撃。 なんて言ってみても、いやいやいやなんでもっと早く生で見ようとしなかったんだと小一時間自分を問い詰めたくなっているので、この記事は、気になってるけどまだ劇団☆新感線公演を生で見たことがない人に向けて、少しでも早く見た方がいいよ

『天保十二年のシェイクスピア』【#まどか観劇記録2020 9/60】

その作品が面白いかどうかは、最初の掴みを見たらわかる気がします。 なんて勝手なことを言ってみましたが、70歳になってしまって連日の公演の疲労が堪える、、、という木場勝己さんの前口上から幕が開いた『天保十二年のシェイクスピア』は、木場さんが脚本の井上ひさしさんを「少し前歯の出た方」と表現されたあたりから、ああこれは面白いなという予感を感じさせました。 前口上の中で木場さんがおっしゃった「芝居は趣向」という言葉がこの作品を端的に表しているような気がします。 シェイクスピアへ

『カレイドスコープ-私を殺した人は無罪のまま-』【#まどか観劇記録2020 8/60】

会場に入ると360度を客席に囲まれ見下ろされる形でシンプルな舞台セットがあった。 隠れるものもない。机と椅子と役者だけ。 そこで、すごいものを見た。 あらすじ ある日、少女が別荘で首を吊っているのが見つかった。 容疑者にひとりの少年が浮かんだが、裁判の判決は無罪。 判決に納得できない少女の父。 父の親友は、彼を案じ、少女の死の真相を解き明かすために関係者を少女が亡くなった別荘に集める。 自殺か、他殺か。 様々な想いを抱いて集まった関係者の感情と本心がぶつかり合った先に何があ

GACKT『KHAOS』【#まどか観劇記録2020 7/60】

GACKT 20周年記念ツアー“KHAOS”行ってきました。 (セトリ含めネタバレの要素もあります。ご留意いただきお読みください)(そしてごめんなさい。敬意は込めてるからここでは呼び捨てさせてください) 記事を書く前に今回だけは自己紹介を。 私は20年来のGACKTファンです。 最近はツアー中2回くらい見れたらいいかなという距離感に落ち着いたけれど、以前は行けるだけ詰め込んで遠征をするほどのガチファンでした。何が言いたいかというと思い入れのある懐かしい曲とかちょっとしたエ

『モーツァルト‥‥―オレは誰だ!!―』【#まどか観劇記録2020 6/60】

個性の強い作品でした(笑)。 あらすじ 音楽の天才モーツァルト。天才の名をほしいままにする彼の生き様と苦悩を描く。同時代を生きるもう一人の天才ゲーテは、モーツァルトの音楽を聞き、そのあまりの魅力に彼をこのままにしておけないと大魔王サタンを呼び出し、モーツァルトを滅ぼすことを決意する。奔放に生きるモーツァルトに対して恨みをいだくマリー・アントワネット、ベートーヴェン、父レオポルト、ルイ15世と共にゲーテはサタンを呼び出そうとするが…。 作品を観に行って、それまで名前も知らな

梅棒『OFF THE WALL』【#まどか観劇記録2020 5/60】

梅棒『OFF THE WALL』初日に行ってきました。 退場アナウンスがかかっているのにも関わらず拍手が鳴りやまず。 トリプルカーテンコールからのスタンディングオベーション。 みんな梅棒に期待してた。 梅棒なら面白い、梅棒ならやってくれる、梅棒が見たかった。 彼らは見事に応えてくれました。 そんな初日のスタンディングオベーション。 興奮と熱気と満面の笑顔と。 第10回公演。 節目の公演は、4年半ぶりのメンバーのみの公演。 多才で素晴らしいゲストがいる作品ももちろん最高

『えんとつ町のプペルTHE STAGE』【#まどか観劇記録2020 4/60】

夢を見ろ。行動しろ。自分を信じろ。 舞台の醍醐味は、生身の人間が目の前で話し、役を生きている、そこから伝わってくる熱やエネルギーだと思うんです。その日その瞬間しかない熱を浴びて何を思うのか。 『えんとつ町のプペル THE STAGE』で、私は言葉がすごく刺さりました。脚本はえんとつ町のプペルプロジェクトの生みの親の西野さん自ら手掛けられ、絵本での表現に固執することなく舞台上で届く言葉として生みなおされた言葉たちでした。 深く刺さった言葉のシーンをみっつばかり。 「夢を

『デスノートTHE MUSICAL』【#まどか観劇記録2020 3/60】

2020.1.19~2.9池袋の東京建物Brillia HALLにて『デスノート THE MUSICAL』が上演中。東京公演の後は、大阪、名古屋など地方での公演も予定されているこの作品。原作『DEATH NOTE』の記憶もうろ覚えで観に行ったにも関わらずかなりの衝撃を受け…、その理由についてミュージカルの視点からと、原作がある作品という視点から書き残しておきたいと思います。 まずはあらすじ。 成績優秀な高校生・夜神 月(やがみライト)は、ある日、一冊のノートを拾う。そのノー

「イマーシブシアター『サクラヒメ』~『桜姫東文章』より~」【#まどか観劇記録2020 2/60】

2020年1月24日~2月3日まで京都南座で上演中の「イマーシブシアター『サクラヒメ』~『桜姫東文章』より~」(以下:『サクラヒメ』)を観劇してきた。 歴史ある南座で行われる最先端の舞台表現のイマーシブシアタ-『サクラヒメ』。この作品についてその二大特徴である、イマーシブシアターという点、マルチエンディングという点から書いてみる。 あらすじ 歌舞伎演目の『桜姫東文章』をもとにしたオリジナルストーリー。 かつて深く愛し合ったものの結ばれること叶わず、来世での邂逅を約束して心

「林ゆうき 10th Anniversary Concert ~劇伴食堂 はやし屋~」 おみそ汁的視点からの感想【#まどか観劇記録2020 1/60】

まず始めに、今回のnoteはイベントレポートではありません。 林ゆうきさんのコンサートに行って感じたことではあるのですが、音楽の話は一切書いていません。 あと、おみそ汁もコンサートには出てきていません(笑。 なので、コンサートのことを知りたいと思ってここにきてしまった方は今すぐ、林さんご本人のnoteか当日配信が保存されているYouTubeを見に行ってください↓ じゃあ何を書くのか。 「林さんのコンサートに行って拗らせオタク(私)が救われた話」 主観も主観。誰も得しない私が