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キューブリックのメッセージ その1

世界が超管理社会に向かうか否かの瀬戸際のたった今、スタンリー=キューブリックが作品に込めたメッセージが、観ろよ!考えろよ!戦え!と訴えてくる。
そもそも氏の伝言はとても分かりにくく、特に遺作であるアイズワイドシャットにおいては世界中の評論家で本当に理解した人は一人もいないが、僕はこういうことに違いないという秘めた確信的な解釈がずーっとある。
まず時計仕掛けのオレンジだが、世間で暴力の賛美と、勘違いされたりウォーホールの衣装がパンクなインスピレーションを与えたりて様々な話題にはなったが、本当はあまり理解されてない。
この作品は人は反応操作などで矯正できると提唱したバラス・フレデリック・スキナー(1904~1990)が提唱したプログラム学習へのアンチテーゼとして描かれています。この理論は共産党の洗脳メソッドにも生かされています。学習の名のもと毎日キリストや釈尊の姿を踏みつけないと罰を与え、毛沢東を賛美するとご褒美を与えるなら、どんな人でも立派な共産党員になることを学習させられるといった感じ。オウム真理教徒は皆麻原をハンサムだと思っていたらしい。
オレンジの主人公アレックスは写真のような薬物注射に加えた学習的反応治療により、大好きなベートーベンを聴かせながら残忍な映像を見せることで、以後ベートーベンをきくだけで吐き気を催す人間になる。やがて退所したアレックスが再び収監されると、そんな治療法で自殺者が増えた世論に、学習が効果的である事をアピールするため、密約のもと逆学習が施され、ベートーベンを聴くと甘美な性交の記憶を思いだし笑みを浮かべるようになるのだ。やがて出所するアレックスは"すっかり良くなった"と呟く。
この作品はつまるところ人を治療対象としてその精神を修正できるとする、精神医療や哲学、または社会主義または共産主義的管理社会への疑問を描いた壮大なクエスチョンマークなのだ。
コロナという薬物による恐怖の洗脳の上でのワクチン注射に、僕はどうしてもこのアレックスへの注射を思いだしてしまうのです。