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星野源とキリアン・エンバペ

私は今年27歳になる、Z世代とその上の世代の境目の年齢なので、ちょうど中学でスマホが登場した世代と言い換えられる。
スマホはそれまでのガラケーのような「携帯電話+α」とは一線を画す、「身体とインターネットを常時接続する」デバイスであり、これが情報革命を引き起こした。
そしてFacebook社(現Meta社)やTwitter社のアプリケーションは世界中の若者にあまりにも多くの価値観の変化を引き起こした。

そんな中で当時の親世代から直接ないしマスメディアを通して盛んに聞いたフレーズをふと思い出した。

「インターネットの情報は何が嘘で何が本当かわからない。自分の目で正しく見極めなさい」

現代のインターネット

これは完全に正しかったと思う。
当時から10年以上が経ち、当時の会社たちがインターネット社会に完全にフィットし、またテクノロジーを利用するベンチャー企業が無数に出現した。
当時と比べてネットに流れる情報量は数千倍じゃ効かないように思える。

現代のインターネットに抱く正直な感想としては、メディアの情報なんてもうほとんどが嘘に見える。
感覚的にはインターネットとの接続は無数の嘘の中から自分の信じる情報を選ぶ作業に近い。

エンバペって誰だ?

滝澤ガレソ氏のポストは、確たる証跡を得られていない段階だったため個人名を伏せたものだったが、大衆はそれを星野源氏だと断定して無数に拡散する。
当時の教えを素直に受け取った人はいなかったということか、
いや、そもそも拡散したアカウントの後ろにどれだけリアルの人間がいるのかもわからない。

液晶越しに伝えられる円満な夫婦像も不倫するタレントも、何が真実で何が嘘かなんてわかるわけがない。

キリアン・エンバペがマドリードに到来して来季ビッグイヤーを掲げたとしても、俺は何をもってエンバペの移籍を信じればいいのか。
あれ、エンバペなんていたっけ?あれってエミレーツ社が作った高精細アンドロイドだったっけ、、?

嘘かマコトか、、、

そういうことを考えるとAIがコンテンツビジネスにもたらす影響もまた測り知れないし、感情論的にはそれを全肯定できないのが難しいところ。

だからこそ、AI時代に最も花開く市場はオフライン・フィジカルのエンタメ体験の市場だ、なんて言説もあながち間違ってないように思えるが、
大衆の価値観ほど予測が効かないものはない。

リアルを売り物にするスポーツ業界、タレント、インフルエンサーの証明がとにかく難しい時代。
個人的にはむしろ、フィクションを売り物にする映画やアニメ漫画の類に脚光が当たる気もしている。

赤の他人がどこで誰と不倫してるかなんて俺の人生には何の関係もないが、誰かにエンバペの存在とマドリー到着の真実だけは教えてほしい。
俺の目では何が正しいのか見極められない、、、


p.s.
トニ・クロースの引退だけは嘘であれ。

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