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とっておきのスペイサイド、再会

バー周遊記 2023年1月 その4

2021年の秋だった。
かつて一度販売された、「バランタインの原酒に使われている蒸留所」のウイスキーを発売する、の第二弾が出たことを知った。

このときは、スペイサイドにあるグレンバーギー(GLENBURGIE)蒸留所から3種類だった。12年、15年、18年。一通りいただいた。どれもやさしい甘さと、フルーティさとナッツの香り。とてもとても美味しいウイスキーだった。

お値段も変なプレミアム価格ではなく、普通というよりむしろ良心的すぎる価格だった。思わず12年をオンライン販売で購入してしまった。ほとんどシングルモルトでは発売されない蒸留所と聞いている。次に味わうことができるのはいつになるのだろう。

それから1年余。

ハシゴ酒となった末にたどり着いたバーで、以前に聞いていた「とっておき」は何かを訊ねた。

その「とっておき」があらわれた。

ボトラーズだと思われる瓶のラベルには、グレンバーギー(GLENBURGIE)の文字があった。ラベルには1992年蒸留と。お話を聞くと25年もので2017年に世に出たという。

グレンバーギー 25年

注がれたウイスキーを口に入れると、以前の記憶がよみがえった。これは完全にグレンバーギーだ。しかも25年熟成で香りも味わいも抜きん出ている。確かにこれはとっておきに値する。

多少なりとも酔っ払っていたのだけれど、この味に再会したことをずるずると流してしまわないように意識を立て直そうとした。味わいの記憶は残ったようだった。

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