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がんになってからの謎の生きにくさと「札幌試行錯誤」

2020年秋、札幌のICC(インタークロス・クリエイティブ・センター)ではじまった「札幌試行錯誤シリーズ」。

クリエイター自らが社会や日常生活に目を向け課題を見出しその解決策を創造的なアイデアにより具体的なものとして実現に導く、そのような取り組みを募集する企画です。

わたくし、実は密かに応募しておりました。やっとの思いで企画書つくって、苦手なプレゼンして(楽器持っていない状態で人前に出るの苦手)、審査員の皆さんに気持ちを伝えて…

なんとなんと採択されました!!

ICCさんがはじまりのレポートをしてくださっているので、まずはごらんください↓

音楽活動をしながら一方で、2009年からいろんな地域のいろんな課題と向き合うことを続けてきました。わたしは0から1を生み出す人というよりは「あれやりたい!」「これやりたい!」という地域のみなさんの声を聞いて、どうやったら実現できるか、陰で支えたり伴走したりすることが好き、まさに事務局体質なわけです(ベースというパートもこれに近いと常日頃思っている)。

はじめに「まちづくりコーディネーター」募集の告知に惹かれて琴似地区のまちづくりに関わりはじめたとき、どういう仕事なんですか、と聞いたら
人と人をつなげる仕事だよ
と言われました。これは本当にそうだな、と今あらためて思っています。

アイデアを形にしていくときに、関わってくれる人たちのジャンルは幅広く、できるだけ多様になっていたほうが当然面白いですよね。一見企画には全く関係ないような、ジャンル的に遠い感じの人。なかなか賛同してくれない頑固なおじさん。無口なあの人。ちょっとうるさそうなあの人。年齢も幅広くしたいなー、あの人も巻き込みたい。
わくわくするアンテナを頼りに奔走してきたこれまでですが、巻き込まれた皆さん、すみません。

そんなある意味、まちと心中すべく、はちゃめちゃな楽しい日々が続いていた最中、4年前にいきなりの乳がん発覚で、さすがに目の前が真っ暗になりました。

がんになったことはなんとなく言っちゃいけない気がして、まわりの皆さんには数ヶ月くらい隠して生活していました。
当時は所属していたバンドのレコーディング中で、ワンマンライブをやって2日後に入院・手術、リハビリして1ヶ月後にはまたステージに立っていましたが、正直今もその頃の記憶がないくらいなので相当落ち込んでいたんだと思います。
でも人間は不思議なもので、人によってスピードはさまざまでも、立ち直って、前を向き始めることができるようです。
わたしは運良く早い段階で若年性乳がんサポートコミュニティPinkRingの存在を知り、同じ乳がんサバイバーの仲間とつながりを持ったことが大きく、一気に元気を取り戻すことができました。
そこで話を聞いたりしているうちに、だんだんと実感としてくっきりとしてきたのが、病気になりたくてなったわけでもない中での「がんサバイバー」としての生きづらさ、生きにくさでした。
がんになってない人と、なった人の間に、なんか感じる壁。思っていることを言えない空気。

札幌試行錯誤プレゼンまどーん3

私たちサバイバーはある種のマイノリティに感じられているけど、がんって2人に1人がなる病気だって聞いたことがあるし、誰にでもなりうるものなのではないかと思います。
だからこそ、こんな世の中の空気、どうにか変わらないかな、けれど相手が「世の中」って壮大すぎてどこから手をつけていいかわかんないやーと悶々としていました。

そこで思いついたのが、まちづくりですっかり身についた、わたしの
いろんな人を巻き込みたがりの癖
でした。

がんの人も、がんじゃない人も、サバイバーの家族も、職場の人も、一緒になって学んだり考えたりすることで、世の中のがんに対するイメージを変えたい。
医療者の方や患者ばかりではなくて、がんから一見遠い存在に思えるような人たちの視点もいただいて、たくさん言葉を交わせば、少しでも世の中のがんイメージが変わるきっかけを作れるかもしれない。
そうして思い浮かんだ提案がこれ。

札幌試行錯誤プレゼンまどーん2

ICCのコーディネーターさんたちに伴走してもらい、PinkRingの北海道支部のみんなの力も借りて、すでにスタートしています。

詳しい中身はまた後日として、自分の経験や、プロジェクトを進める上で日々気づいたことなどをこちらでも綴っていきますね。

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